ニライカナイへの憧れ

沖縄への思いを自分なりに綴った日記

「OKINAWA~つなぎとめる記憶のために~」

2010-05-09 | 問題
昨日、東松山市にある「原爆の図 丸木美術館」へ行って来ました。

こちらの美術館で「OKINAWA~つなぎとめる記憶のために~」の展示が催されていると
NHKのニュースで知り、足を運んでみました。



美術館の下には美しい都幾川のせせらぎが。



開館の9時に到着したので、館内には私だけ。

順路通りに進んで行くと、まずは常設の「原爆の図」が展示されていました。

作者の丸木俊、丸木位里ご夫妻の事は何も知らずに行ったのですが
「原爆の図」を見て、小学校の図書室で読んだ「ひろしまのピカ」の記憶が蘇りました。
絵からは全身全霊をかけて描き上げた、丸木夫妻の魂が感じられます。
それはもの凄いエネルギーです。

1階へ下りると正面に美しい紅型が展示されていました。




ここから「OKINAWA~つなぎとめる記憶のために~」企画展。

米軍普天間基地の一部を返還させた土地にある佐喜眞美術館。
丸木夫妻の「沖縄戦の図」を展示しているその佐喜眞美術館の協力により
沖縄の芸術家たちの作品が展示されています。

本当に綺麗な紅型です。
照屋勇賢作:結 You-I

しかし近づいて良く見てみると



ジュゴンが泳ぐ海の上に、米軍のヘリコプター。


パラシュートで降りてくる米兵などが表現されていました。



本来、美しい自然や花の姿が表現される紅型。
しかし、作者は「こんな自然が今の沖縄のどこにあるのか?」と問いかけ
現代の沖縄が抱える政治的緊張を捉えてみせたとのことです。


仲里安広作:Key Stone (要石)




この作品は、とても大きいのですが色々な仕掛けが施されています。
パッと見ただけでも作者の表現したい想いが伝わるのですが。

重なり合った絵の一番下には薄く世界地図が描かれており
日の丸の中心部分に沖縄が位置しています。

星条旗のストライプ部分は1945年からの沖縄の歴史を箇条書きにした文字で
埋め尽くされています。



見逃してしまいそうなのですが、国旗と国旗の隙間には
沖縄の歴史の写真と有刺鉄線が。
様々なメッセージが込められた作品です。


展示物の脇ではチビチリガマでの体験を島クトゥバで語るVTRも流れていました。

衝撃的な絵や写真が沢山展示されていました。
涙が溢れ、手を合わさずにはいられませんでした。

悲惨な戦争の絵を見るのは勇気がいるし、嫌がる人も居るかもしれませんが
沢山の人に見て欲しいし、見なければならないと思います。

感想ノートには沖縄からいらした方の感想もありました。



今回、この丸木美術館を訪ねたことを一言でまとめることができません。
色々な事を感じました。

本展のパンフレットの冒頭に書かれていた一文です。

『「原爆の図」を描き、戦争とは何かを生涯かけて問い続けた丸木位里・丸木俊夫妻が
最後にたどりついた場所。それが沖縄でした。
丸木位里は、「沖縄を描くことがいちばん戦争を描いたことになります」
という言葉を残しています。』


原爆の図 丸木美術館
↓↓
http://www.aya.or.jp/~marukimsn/index.htm

「OKINAWA~つなぎとめる記憶のために~」
              7/10日まで。