広大な中国でも有数の観光地である万里の長城。
幾つかある観光ポイントの中でも、北京から近くて人気なのが八達領という場所です。
大きな駐車場には観光バスがじゃんじゃん乗り入れ、ツアー客が列を作って長城を登っていきます。
そんなツアーの人達が見るのが、綺麗に整備された、良く写真でも見る長城の姿です。
この堅固な石垣を見れば、北方の遊牧民が攻め込むのを躊躇したと聞いても納得がいくでしょう。
でも少し冷静に考えてみてください。
万里もある長城が完全に整備されているわけなんてありません。
実は綺麗なのは入り口から、ツアー客が行くところまでだけなんです。
人ごみを避けて、しつこい売り子達を追い払いながら先へ先へと歩いていくと。。。
いきなりこうなってしまうんですね。
段々ぼろくなっていくのではなく、本当にいきなりです。
そこには思い思いにくつろぐ人の姿が散見されるだけで、静寂が広がっています。
こっちの方が、遺跡って感じがしていいと思いませんか?
崩れかけた長城を眺めながら、ゆったりと中国の長い歴史に思いを馳せるのもいいでしょう。
ところがそうは問屋が卸しません。くつろいでいるように見えた人も、実は売り子。
僕の姿を見た途端、30元、30元とまくし立てながら迫ってきます。
結局ここにも静寂は無く、僕は彼らを引き連れながら、更に先へと歩いていくのでした。
自分の中の想像で色々な場面が見えてきますよね。
でも、歩いていけるような距離でもうこんな感じになっちゃうんですね?
どのくらいまで歩いて行けるんだろ…。
八達領には男坂と女坂の二つの坂があるのですが、寂れた長城の写真は男坂の方です。
どこまで歩いていけるのかチャレンジするときには、帰りの足もしっかり確保しておいてくださいね。
わたしは1985-86年に北京に住んでいましたが、住んでいるモノの常で、知り合ったバックパッカーに誘われるまで登ったことがありませんでした。どうも安いなあと思ったら、なんと現地中国人向けのツアー。200円もしませんでしたが、ものすげーオンボロバス。途中の「休憩」ってのも、山の中でただ止まるだけ。要するに、どっかに隠れてとりあえずオシッコしなさいってことです。だからわたしのとって「万里の長城」の記憶は、休憩タイムでパラパラとそこらへんに散る中国人観光客の姿なのです。(笑)
このエントリを読んだらいきなり思い出しました。
実はそのバス、確か京浜なんとかバスという名前がまだついていました。そして、降車用のブザーも。日本からの払い下げバスだったのですね。
ps:URLを間違えました。正しくは、http://gaby.e-nihongo.net/ です。
オサワガセします。
京浜なんとかっていうのは、おそらく京浜急行バス。
京浜急行は僕の地元の私鉄です。
異国の地でも頑張っていたんですね。