西表で僕が泊まったのは、租内地区にある星砂荘。
よく言えば客に干渉しない、悪く言えば、それを言うのはやめておこう。
そんな星砂荘から10分ほど歩いたところに隠れ浜がある。
鏡のような水面に、ほど良い岩場。
僕は夕陽を見るならばここだと決めた。
しかしあいにくの曇り空。
肝心の太陽は水平線のはるか上で既に姿を消している。
模様付きの岩を見てヨルダンのぺトラを思い出したり、カニを追っかけたりしながら、その日は夕陽鑑賞はあきらめた。
また明日があるさと思っていたけど、
二日目は初日以上にどんよりとした雲、
三日目は雨、
そして最終日も・・・
隠れ浜に行くまでも無く、僕の西表はおしまい。
Good bye 西表。
帰りの飛行機の中、ふと窓の外を見ると、そこには太陽があった。
僕が雲の下で待ちわびていた太陽が、今ここにある。
この太陽が終われば、また日常が始まる。
旅の終わりに見る夕陽。
本当なら、あの隠れ浜で見たかった。
でもこれも天の贈り物だと思って、大事に受け取っておこう。
西表編は今回でひとまず終了です。
次回からは何を書こうかなぁ。