一周忌

2021年06月18日 | 日記
昨年6月16日に旅立たれた哲学者のT先生の一周忌に合わせて、かつてT先生のもとで机を並べたFさんと一緒にご自宅にお参りに伺いました。奥様やお嬢様ご一家に歓待して頂き、久し振りに夜更けまで語り合いました。
奥様が繰り返し仰っていたのは、「決して他人のことをとやかく言わない人でした」ということ。その度量の大きさには私たちも常々感服していました。「僕は嫌いな人がいないんだよね」とよく仰っていましたが、本当に誰に対しても分け隔てなくオープンマインドで、小さなお子さんからも慕われ、国内外のビッグネームからも敬愛される稀有な方でした。
ある時、T先生門下の学生さんの結婚式に招かれて歌ったことがありました。その時T先生に「李佳さんはセミみたいだね」と言われ、思わず「セミですか?」と訊き返す私に「セミの前世は歌手だった、ってプラトンが言っているんだよ」と仰り、さすがに哲学者の発想は違うなあと感じ入った次第。
懐かしい思い出の数々とともに、「死者は死者として生きている」というT先生の名言が髣髴と蘇ったひとときでした。

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