花吹雪

2014年03月31日 | 日記
今日は久し振りに丸1日お休みだったので、4歳の甥と9歳の姪を連れて大学に花見に行きました。構内にたくさん桜の木があって、満開になるととてもきれいなのです。もう散りかけですが、花吹雪に吹かれながら散策するのはとても気持ちがよくて、甥も姪も喜んで走り回っていました。存分にリフレッシュした後、甥が「ボートに乗りたい」と言うので、うちの近くのボートハウスに行き、3人で足漕ぎボートに乗りました。マイナスイオンなんでしょうか、水辺にいると癒されますね。とても良い気分でした。
帰りの車中で甥と姪が、雑貨屋さんで買ってやった刀でチャンバラもどきを始めました。姪が「この紋所が目に入らぬか!」と大見得を切ると、甥が「目に入ったら痛いじゃないか」と。思わず噴き出してしまいました。家に送り届けて義妹に話すと、のけぞって笑いながら「この間もこの子、蒸しパンのことを「虫パン」だと思ってたんですよ」と言っていました。子供がいると笑うことが多くて楽しいですね。この家には5人も子供がいるので、笑いの種には事欠きません。
さて、明日から4月。TVでは消費税アップのことばかり言っていますが、明日はエイプリルフールです。他愛ないウソで人をだまして楽しむ習慣もいつしかすっかり過去のものとなってしまいました。でも、こんな遊び心のおかげで相手との心の距離がぐっと縮み、親密になれるという効用は捨てたものでもありませんよね。新年度のスタートにあたってのアイスブレイクにもなりそうです。さて、明日は誰をだましましょうか(笑)。

月末雑感

2014年03月29日 | 日記
3月もあと数日。満開の桜も今日の雨で散ってしまったかもしれませんね。
毎年思うのですが、1月から3月までは新年度の助走期間のような気がします。まだ何も始まっていないのに既に1年の4分の1は過ぎてしまった、というのは何とも不思議な感覚です。
今月を振り返ると、パレアでの発声セミナー、恩師の退職記念パーティ、老健の職員合唱団の指揮者を退任、Y町の老人クラブでのヴォイストレーニング、合唱団のオハイエくまもと出演...並べてみるといろいろありました。プライベートでも、小6の姪と中3の甥の卒業式(姪はピアノ伴奏を務め、甥はハレルヤを高らかに歌い上げました(多分))、新車の購入、旧友との再会などのトピックスがあり、それなりに忙しい毎日ではありました。しかも、そろそろ新年度に向かって気合を入れなくては、と思った途端に喉風邪をひき(笑)...これが学期中だったら大変です(大学の授業は1コマ90分間喋りっぱなしですから)。今のうちでよかった、と思わなくてはいけないのでしょうが、生徒さんのレッスンをする時、自分で声を出しながら説明して差し上げられないのは本当に不自由で、もっと体に気をつけなくては、と今さらながら思いました。
今日来られた生徒さんも「先週インフルエンザに罹って1週間休みました」とおっしゃっていましたし、今晩お食事の約束をしていた友人からも「高熱が出て動けなくなりました」というメール。甥も高校入試直前に高熱を出し、周りがハラハラしました。年度末は何かとストレスがたまりやすいので、きっと免疫力が落ちるのでしょうね。そう言えば、昨日か今日の新聞に、免疫力を高めるには笑いが有効だという記事が載っていました。笑いは発声にも効きます。声をあげて笑うと口蓋垂が上がり、喉頭蓋が開き、横隔膜が動き、呼気圧が上がって息が副鼻腔に届きやすくなります。つまり発声にとって理想的なフォームが出来上がるのです。時間が無くて練習ができない時は、お腹と耳の後ろが痛くなるぐらい思いっきり笑うだけでも効果があるはずですから、お忙しい方はどうぞお試し下さい。

チェンジの通過

2014年03月27日 | 日記
昨日から1泊で県南に出張レッスンに行ってきました。今回はニューフェイスの若い男性もいて、全部で10コマのレッスンをしました。皆さんとても意欲的で、私ももっとしっかり勉強しなくては、と思わされました。
ところで、今、コーネリウス・リードという人が著した『ベル・カント唱法 その原理と実践』という本を読みかけています。翻訳ものだからでしょうか、少し回りくどい感じはありますが、なかなか読み応えのある本です。その中に「声区の融合」についての説明があります。声区とは、いわゆる頭声と地声(著者は「ファルセット」と「胸声」と呼んでいますが)のことで、その転換点(著者は「ブレイク」と呼んでいます)をどのように連結させるか、ということが書かれています。2つの声区のギャップは胸声の音量を無理に増すことによってではなく、頭声の力を増すことによって埋められなければならない、と。胸声をブレイクより上へ押し広げることは決してせず、頭声を胸声の方へ下げていくのだそうです。W先生に教わったメソッドと同じ原則です。胸声からブレイクを経由して頭声区に進む時は胸声を差し控え、頭声を急激に増加させる、と書かれています。その前提条件として、2つの声区はまず別々に発達させ、その後で一体化を図るべきなのだそうです。
「ブレイク」を挟んだ2つの声区のギャップは、女性より男性の方が顕著です。昨日初めてレッスンをした若い男性も、音域は広いのですが、ブレイクの上と下では音色が全く違っています。男性の生徒さんは皆そうです。この転換点をどのように連結させるか、また、頭区を充実した響きにするためにはどうしたら良いのか考えていたところだったので、この部分の記述には大いにそそられました。その方法も詳述されてはいるのですが、私の読解力不足のせいでよく掴めないので、もう少し読み込んでみようと思います。

吸わない練習

2014年03月25日 | 日記
うちの近くのお宅で月1回、女性4人組のグループレッスンをしています。今日、4人の中のお一人のお友達がそのレッスンを見学に来られました。
5人一緒にレッスンするのは難しいので、今日は先日のパレアまつりの時の資料を持って行って、レクチャーと座ったままできるエクササイズを中心にしました。4人組にはすっかり頭に入っている内容ですが、たまには基本を確認するのも良いだろうと思い、呼吸・発声・共鳴の原理をできるだけわかりやすく説明していきました。
胸を軽く張ったまま息を強く吐いて横隔膜の動きを確かめる練習では、見学者の方は息を吐き切った後の脱力がなかなか難しいようでした。背中が凝っていると横隔膜の背中側がうまく動かず、息が肺の下方にストンと入りません。疲れが溜って背中が硬くなっている方もいらしたので、肩甲骨周りをほぐすストレッチをお教えしたら、「気持ちいい」と言いながら何度も繰り返していらっしゃいました(笑)。
息は吐き方が大事で、上手に吐き切ったら吸気は反射的に入ってくるのでわざわざ吸う必要はないんですよ、とお話すると、合唱の発声練習では「深ーく吸って...次に吐いて!」と4拍ぐらいカウントしながら吸う練習をさせられる、と言われました。よくある光景です。息を吸うことは体を拡げることでもあるので、4拍も吸い続けたら胴体に負荷がかかり過ぎて苦しくなります。ですから「吐いて」と言われたら急激に息を吐いてしまいがちですが、吐く時もまた4拍かけて長く吐いて、と言われるそうです。そんな苦しい練習をしたら体が硬くなってしまいそう。「実際、体が固まってしまうんです。発声というのはそもそも苦しいものだと思っていました」と言われていましたから、発声を苦行だと思っている人が今もたくさんいらっしゃるのでしょうね。残念なことです。良い発声は十分なストレッチ効果を伴う有酸素運動でもありますから、レッスンの後は体がほぐれ、気分爽快になるはずなのです。今日も、座学中心のレッスンだったにも拘らず、終わった後は皆さん良い表情と良い姿勢になり、心地よい疲労感に包まれていらっしゃいました。
声楽発声に造詣の深い音声生理学者が「声楽訓練にはまずもって「吸わない練習」が必要」とおっしゃったそうですが、本当にその通り。声楽発声は決して苦行ではありません。

濃厚な2日間

2014年03月23日 | 日記
郡部の老人クラブからご依頼を受け、昨日はバスで1時間半ほどの距離を発声指導に行ってきました。昨年11月にこの地域の別の老人クラブで発声指導をさせて頂いたご縁で、今回またオファーを頂いたのです。前回と同じように、まず「高齢者に多い病気」についての講演があり、次に理学療法士の方による手軽な運動の実習、最後に発声指導というプログラムでした。「嚥下障害予防」という枠組みの中での発声指導なので、舌や下あごのストレッチと腹式呼吸を中心に組み立て、童謡「春が来た」を一緒に歌って終わりました。400人もの高齢者の方々が集われ、笑いさざめきながらの楽しいひと時でした。皆さんシャンと背中の伸びた良い姿勢で「春が来た」を歌われ、声も立派に出ていました。終了後、数名の方から声をかけられ、「私はカラオケを習っているので、とてもためになりました」、「カラオケの先生はこういうことは教えなはらんですもんね」と、とても喜んで下さいました。
実は一昨日、以前この地域で学校の先生をしていらした生徒さんがレッスンにみえ、「明日Y町に行くんですよ」とおっしゃるので「あら、私も明日行くんですよ」と驚いたのですが、帰りのバスでこの方と鉢合わせしました。何しろバスの本数が少ないので、こういうこともあるわけです(笑)。
そして今日はオハイエくまもとの本番でした。我が合唱団は出番が午前中で、会場では直前練習ができないとのことだったので、近くの楽器店の練習室を借りて1時間ばかり練習して会場入りしました。この練習が効いて、今回の演奏はこれまでで一番良い出来だったと思います。他のグループの演奏も聴きたかったのですが、午後からKMA主催のチャリティコンサートがあるので早々に引き揚げ、副団長と一緒にてくてく歩いてコンサート会場へ。そうそう、ここでももう一つの偶然が。一昨日、大学を卒業してすぐの頃入っていた合唱団のお仲間に10年ぶりぐらいに会い、「近くにいてもなかなか会えませんね」と言いながらランチをご一緒したのですが、アーケードの中でその方にばったり会ったのです。10年ぶりの立て続けの再会が可笑しくて、お互い笑ってしまいました。
さて、コンサートは前半がフォーレのレクイエム、休憩後に邦人作品の演奏でした。先日この欄に「声楽発声の観点から見ると日本語の歌は難しい」と書いたばかりですが、今日の演奏は後半の日本語の組曲の方が断然声が出ていました。使い慣れた言語だと伸び伸びと歌える、ということなのでしょうね。指揮者の先生が実に明快に棒を振られていたのが印象的でした。こういう大作をオーケストラ伴奏で歌えるのは本当に素晴らしい経験だと思います。私も合唱に参加したかったのですが、昨年暮からずっと体調が悪くて練習に参加できなかったことと、オハイエと日程が重なってしまったことで残念ながら諦めざるを得ませんでした。でも、フォーレのレクイエムはいつか是非歌いたいと思っています。
終演後、副団長とお茶を飲みながら今後の団運営について話し合い、帰宅するとさすがに疲れが出てそのままベッドに倒れ込んで寝てしまいました。これで今年度のイヴェントはすべて終了。もうすぐ4月です。心機一転、来年度も充実した1年にしたいと思います。