この間 ざっと読み↓この本
ちょっと丁寧に読んでいる
ロンゲラップ島
1954年アメリカの水爆実験で被ばく
(第五福竜丸の時と同じ)
1957年アメリカは安全宣言 島民帰島
甲状腺腫瘍 白血病など健康被害が表れる
1982年アメリカエネルギー省の放射線状態の調査の結果を出版
島民は恐怖に襲われ島からの移住をアメリカに求めるが
認めない
1985年グリンピースの協力で島を脱出
その後
ロンゲラップ島再定住計画が1998年から進められ
島の表土を削り取るなどの
クリーンアップ工事が始まる
この本の著者は 1999年に島に入った
本島はけっこう線量は減っていたが
他の島ではいまだに計測値の高いところもある
クリーンアップ工事のほか
波で 洗い流されたかもしれないとも書いてある
この島の項は 割合希望の見える文章で終わっているが
調べて 驚いた
この島の暮らしはいまだに戻ってはいない
いろいろなものが島の人の暮らしも文化も破壊した
1957年のアメリカの安全宣言 これに対する
強烈な不信感が
島には帰れなくしているように思う
水爆実験で 島を離れて もう 60年近くたつのに
まだ 事故は進行中の福島がどうなるのか
帰りたいという思いを抱いて今避難している人たちのことを思うと
どうすれば 帰れるように 村をきれいに戻せるのか
・・・
他人事ではないかもしれないし
↓ の詩は 初めて見た
石川逸子さんの詩集「ロンゲラップの海」
「ロンゲラップの海」
(略)
海の青さ 波の白さは
変わらぬまま
二度と住めなくなってしまった 島
ロンゲラップ
波の音に混じって
囲い込み漁の どよめき が
祭の日の さざめき が
老人だけには 聞こえているのだろうか
それとも
水爆ブラボー爆発少しまえに 不意にあらわれ
「お前たちの命は小指の先ほどのものだ」
と笑った 米兵の声が 耳元で鳴っているのか
火ぶくれし 嘔吐して 呻く 島民たちに
連行先の島で
「海水をかけて洗え」とだけ言った
米兵の声も 耳元で鳴っているのか
ビキニから百八十キロ離れた
ロンゲラップに
さらさら 雪のように降りつづけた
白い粉
死の粉ともしらず その粉を競って集め
無心に あそんでいた 子どもたち
(以下略)