このことをこの頃盛んに大塚先生は言う
難しいのだよ
然し
最近若い画家はやたら映画を見る
それを解説付きで見ると
なるほど 映画は美術だ
そう見ると
映画って
鑑賞するのに夢中になるのもわかるなあ
大塚先生の課題も消化しやすくなる
この映像は見ていなかったけれど
シルエットの扱いがものすごく美しい映画だ
そういう風に見たことがなかったので今度借りてきて見ようと思う
それで今 テレビがやっている画面
ああああああ!!!!!
画面が美しいか否か
考えてないだろうなあ
この番組作者 と思った
番組だの 映画だの なんでも表現されたものには
作者が映るものだなあ
と
改めて思った
ハハハ
ピーター・オトゥールね 初めてそれも認識した
オトゥールファンが居たんだ 学生時代に
映画研究部の子だった
印象派について
大塚先生がおっしゃったことで
気になったこと
印象派は古臭いというけれど・・
私と大塚先生は同じ世代だから
同じ世間の風評を聞いて
引っかかっていたんだなと思った
日本人って いつまでも印象派が好きだ
とか
いまだに 印象派かよ
とか
印象派は過去のものだ という口調で話す人が
いっぱいいたよな
私はその意味がよくわからなく
(そんなこといったって 私は印象派 好きだよ)
というのが本心で わかるものがわからないから
私には無理かも・・と思っていて
印象派好きは素人 そういう空気にいじけていた
美術を学ぶ者のそういう風潮が ものすごく嫌いだったのだ
大塚先生は
それに対して
印象派の歴史的な存在価値や 後世に与えた影響の大きさについて
縷々ご説明があった
なるほど!
私は自分の尺度でしかものを考えない
ということがよくわかった
大塚先生は 実にまじめに勉強する人だ
私が選んだ絵の水の温度や ぬるめの水蒸気の感じって
どこから来るんでしょうと質問したら
輪郭線のぼわっとしているところ
あいまいなところじゃない?
というお答え
会場を回って 盛んに 輪郭線ははっきり書かない
鉛筆で下書きなんかするんじゃない
とか 筆は走らないと とか 教えて回っていたが
ぼわっとしているところねえ
私の左側で Yさんは
↓の絵かなあ
模写していて
こういうの おなかが痛くなるんですけど・・
なんて言っていた
左目で見ながら
私が引っ越す前に描いたスケッチのことを思い出していた
似たような場所の
違う描き方
大塚先生のおっしゃった輪郭を捨て去ってという意味が
やっとわかった
19世紀から20世紀にかけて絵描きたちがやってきたこと
透視図法的遠近法は捨て ・・ これは分かってきたが
そうか モネが反乱を起こして 印象派 となったところは
古典的な アカデミックな 形に物を閉じ込めない
そういうことか
それを私は 水面の素敵な表現だと思い
モネの描く水の温度
なんてね
カニが自分の甲羅に合わせて穴を掘っていた!
私が模写したブリジストン美術館にある睡蓮
これと同じタイプの絵がもう一枚どこかにあるらしいが
睡蓮の絵の中で
それらが一番いい という人
結構いる
でも
モネの秘密は 多分 違うな
私はこれを もじゃもじゃもじゃもじゃ
模写してみて
結果的に ああ こういう風に描いて行って
すごいな 水面が描けちゃった!と思った
モネの絵を意識して描いたのに
すごいなこれ
と思ったが
描いていたときの私の脳みそは相変わらず デッサン的だった
オランジェリー美術館の巨大な睡蓮の絵
あれを見たときも
私はブリジストンの絵のほうが傑作だよ
と思って見てきたけれど
緑と紫の色の競演 筆跡の競演
これは また考えてみようと思った
確かに模写は 模写で いろいろ見えてきて面白い
本心は 模写あ! あんまりなあ
食指が動かない と思っていたんだが
次回が楽しみになった
ま 大塚先生の掌の上なんだろうけど
最近 風景画はつまんないと思っていたので
今回の笠間日動美術館の風景画展はよかった
ユトリロは最初は絵を描くのが好きだったわけではなく
強度のアルコール依存症治療のために絵を描くことを薦められたそうだが
ゴッホも入院中も絵を描き続けることは良しとされたようだった
ユトリロの母親も絵描きで
当時は世にも出ていたし大塚先生いわく
ユトリロより絵はうまかったが
歴史に残ったのはユトリロだったということだ。
印象派の後の風景画は面白い
どうやって描いたのかな
スーチンはどうやって描いたのかな
あんな風に見えたのではなく
あんな風に描きたかったのだな
これは日動にあったのではないが
同じところ描いた?
と思うルノアールがあった
同じところ
もっと後ろから描いたの
スーチンはまだまだ
絵を具象絵画だと思わないで
これは抽象だと思えば
そりゃ
絵だから抽象だが
スーチンはなぜこんなに絶妙なのか
・・
大塚先生は
絵を教えてね
うまく描けるようには教えられるけれど
その人特有のものはね
教えることはできないのですよ
という会話をしていたとき
傍にTさんがいた。
特有のものをお持ちの方だ
傍から見て特有の
って思ってもね
ご当人がそれをどう伸ばしたいかは考えが別だからな
兎角 市民お絵描き団体はうまく描きたいという風になりがちだものな
スーチンは
モジリアニとの交友が大きな育みだったと思っているが
モジリアニの風景画なんて見たことがなかったが
あった
ああいう風になったのって
キュビズムの影響もあったと思ったけれど
それは彫刻家らイメージしていたけれど
これ
セザンヌの影響?
アダム・カバット氏はかなり影響力があったんだな
氏の考え方だと
妖怪と人間の価値観の違いを
かっこいい かっこ悪い
いけてる いけてない
その転換として面白がっている
で
明治維新後の日本人は
江戸後期のこうしたおかしくてふざけててお下劣で
そういうのを退けすぎたって
西洋の文物をありがたがって真似しまくっていて
それは
化け物が江戸のあれこれをかっこいいと思って
頓珍漢に真似てみようとしては
失敗するおかしみ
妖怪の面白さ
これと類推して 価値観の取り違えについて
色々言っている
だって江戸後期の浮世絵って
結構大いに見直されているじゃないかと思ったら
カバット氏の功績が大きいということもあるらしい
知らなかった
で
今私の仲間内でもおしゃれに行こう
なんていうのがある
おしゃれってなんだ?
国芳は洒落ているよ
何でだろう
実際ファッションセンスは なかなか
出自がアパレル関係だから染だの織だのに詳しくもある
あと モチーフの展開にはスピード感があり
線には勢いがある これが洒落ている秘密かも
この映画を見ると
シャガールの絵にそっくり
なんで?
と思ったら 関係があった
シャガールはユダヤの昔ローマ皇帝ネロによる大虐殺の時の故事を
バイオリン弾きの絵で表現した
いっぱいあるものなあ
そう思ったら
そういう
ユダヤ魂という
背景があったんだ
ミュージカルのほうは
それもあって
屋根の上のバイオリン弾き
という
題名になったのだそうだ
そっくりな
と思わせる画像が出てくるはず
この関係のことを検索したら
シャガール展で
人々は
Sunrise, Sunset ♪
と
心の中で
リフレインだそうだ
この映画 見た
人間にとって
一番大事なのはなんだろと
考えさせられた
自己の尊厳 何に拠って立つことができるのか
教育にとって一番大事なのは何か
全く愛がなかったら 本当に人間は荒廃してしまうんだろうか
識字能力をつけて行くことで
意識化し表現させ という教育が示されてる映画だった
それについて
いろいろ意見のある人もいるようだ
わが子たちが受けた教育
表現を通して育てる という風に育ってきた子らを思うと
それによって自己の尊厳を勝ち得ていくというプロセスがあるな
と思ってきた
愛についてもそうだな
表現されたことを通して
人は繋がるんだからな
このプレシャスは実父に性的虐待を受けて
二度も出産するんだが
この父親はなんだ
映画には父親を掘り下げては 出てこないけれど
映画で母親を演じた女優さん(「この人がアカデミー賞を受けたのね)
この方自身 お兄さんの性的虐待を受けたって
私は それは許せない
そういうことがあることが許せない
女をなめてんのか 殺人鬼になるくらい腹が立つ
実際あるんだな