ゆいツールブログ:NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)

人と人、人と自然、人と環境などを「結う(ゆう)」ということに関して、団体の活動やスタッフの思いなどを紹介していきます!

若者たちが村の子供たちとクリーンアップ活動!? in Lombok

2021年03月01日 | ★2020年度(ロンボク)

2月の終わり、ロンボクの若者グループ(Tim Dulkadi)が、1年ぶりに活動しました。(1年前は、オパンの家でエコガーデンを作ってました)

参加したのは、オパン(写真下右端)、マデ(写真下左端)、ルス(写真下左から2番目)。そして、Lombok Ocean Careのメンバー4人。(写真下中央がリーダーのサキナさん)

Tim Dulkadi & Lombok Ocean Care membuat kegiatan Clean Up di desa Lantan, Lombok tengah.

前々回のブログでは、3月に実施しようかと言っていた環境プログラムでしたが、あれよあれよという間に調整して無事実施。

当日は、中部ロンボクのランタン村のオパンの家で、英語を勉強している子供たちが20人集まりました。

Lombok Ocean Careは、ロンボクの観光エリア・スンギギの海岸付近のクリーンアップ活動をしています。

ゆいツールも、ドゥルカディ・チームの仲間と何度も参加しています。(2020年1月に、日本の学生さんと参加したときの様子

今回、ゆいツールが現地に行けないので、リーダーのサキナさん(在住ドイツ人)にお願いして若者たちと一緒に活動してもらうことにしました。

オパンによると、今ランタン村では、住民の家からごみを回収するシステムができあがったそうです。

これは、2019年6月にランタン村の村長さんと話したときに言っていたことが、一部実現したことを意味しています。

子供たちと一緒に、ごみを集めて回ります。

今回は、村のごみを集めるバイクトラック(写真上と下の緑色の荷台付きバイク)を1台、借りることができたようです。

(荷台に『ランタン村清掃バイク』と書いてあります)

ごみを集めるバイク、へーそう。と思うかもしれませんが、これも大きな進歩です。以前はなかったのですから。

ゆいツールが2017年からランタン村に日本人学生を滞在させるようになって、村ツーリズムを盛り上げようという村行政の思惑もあって、ゆいツールがランタン村の若者向けに環境局スタッフのレクチャーを開催したこともあったし、その後若者たちを連れて住民自身が管理するごみ処理施設を見学にも行きました。村で高倉式コンポストの作り方を教えたこともありました。

昨日、インドネシア自然学校の授業の中でティウィとトゥリスナが生徒たちに言っていた通り、ゆいツールは何度も何度もランタン村で若者向けに、住民向けに、オパンたちにごみ問題について考えよう、取り組もうと働きかけてきました。

その成果のひとつが、このバイクトラックであり、オパンの家での子供たちへの環境教育活動である、と私は考えています。

さて、子供たちは活動後集まって、Lombok Ocean Careのメンバーからごみについての話を聞いたり、ごみを捨てないようにしよう、という歌を習ったりしました。

ご褒美ももらいました。(勉強道具とお菓子でしょうか)

子供の頃の体験は、とても大切です。

私自身、子供の頃に何度も何度も地域の(あるいは学校の)クリーンアップ活動に参加しました。

積極的に参加したわけではなく、おそらく強制だったのだろうと思いますが、嫌ではありませんでした。

誰が捨てたごみだろう、とか、なんで捨てたわけではない私たちが拾わなければいけないのか、など、疑問に思うこともなく、

ただ目の前にあるごみを拾って、環境をきれいにすることに喜びを感じていました。(思えば素直な子供でした)

環境をきれいにする仕事に興味を持ったときに、私がしたいのは「ごみ収集車でごみを集める仕事」だろうか?と一瞬考えたこともありました。

いや、違うな、と思いましたが、結局ロンボクでそれに近いことをしているので、本当に不思議です。

さて、来年度から新しくスタートする、マングローブ環境教育プログラム作りでも、村の環境教育活動はドゥルカディ・チームが担います。

そして、Lombok Ocean Careとも協働します。

1年間活動を自粛している間にも、ロンボクのプラスチックごみは確実に増えたはず。

コロナウイルスともプラスチックごみとも戦っていかなければいけません。(山)

プログラムの様子(ビデオ:ゆいツールチャンネル動画)はこちら

(エコガーデンから田園風景を望むところで記念撮影)

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マングローブ林の中はごみだらけ in Lombok

2020年12月03日 | ★2020年度(ロンボク)

Akhir November 2020, Tim Dulkadi sudah survey ke tempat mangrove..Gili Lawang dan Gili Sulat, Lombok Timur.

先日、ロンボクの若者グループ、ドゥルカディ・チームメンバーが東ロンボクの小さな離れ島ギリ・ラワン島とギリ・スラット島に調査に行ってくれました。

(上の写真は、ギリ・ラワン島のマングローブ林に入り込んだプラスチックごみです)

これは、来年度取り組みたいと考えている、マングローブ林環境教育プログラム及び観光開発プログラムの準備のためです。

ドゥルカディ・チームも、今年の2月の活動を最後に週一のミーティング以外は特に活動もなく、メンバーによっては別のことが忙しくなり、なかなか集まることもできませんでした。

そんな中、東ロンボクのルスくんからマングローブ林に関する情報が入り、チームキャプテンと一緒に、調査に行ってもらうことにしました。

(ギリ・ラワン島。左がルスくん)

ドゥルカディ・チームメンバーは、昨年9月にゆいツールが実施したバリ島でのスタディツアーで、州都デンパサールの近くのマングローブ林を訪れました。その時に、旧マングローブインフォメーションセンター(現「気候変動と森林火災対策センター」)で、スタッフのクトゥット・グデさんにマングローブ林について、種類や生態、機能などを色々と教わりました。

今回、ギリ・ラワン島とギリ・スラット島のあるサンブリア村の役場のスタッフのヒルハムさんに、インタビューすることができました。

これらの島は、3つの機関(観光局、環境森林局、村)によって管理されているそうです。

ただ、プロフェッショナルな観光管理はできていないようで、住民意識も低く、海から流れ着いたプラスチックごみが、マングローブの奥に入り込んでしまっています。(最初の写真)

それでも、きれいな場所もあります。

これらの島は、2004年に地域海洋保護地区に指定されました。

ホームページに公開されている情報によると、自生しているマングローブは8種類にのぼります。

以前、JICAのプロジェクトでマングローブを植林したり、木製トレイルを設置したりしたそうですが、トレイルの木材は住民によって持ち去れました。

その後、コンクリート製のトレイルが設置されたようですが、2年前の大地震で壊れました。(写真下)

調査にでかけたドゥルカディ・チームキャプテン(ゆいツール現地スタッフ)は、ごみだらけのマングローブ林を見て胸が痛くなった、と言っていました。

プラスチックごみの清掃なども、時々行政の声かけで行われることもあるようですが、活動はその時だけで日常的に環境保全に気を配る人たちがいないのが問題ではないか、と彼は言っています。

訪れる人たちの多くはローカルの人々で、彼らは生態系や環境保全には気を配りません。

ゆいツールは、ロンボク島にせっかく自生しているマングローブの有用性や効果などを住民に伝えたいなぁと考えています。

マングローブ林が育む生態系についても。そして、サステイナブルな観光について、提案をしていきたいです。

自然を観光利用するなら、ごみの管理が欠かせません。

先日の、ゆいツールとドゥルカディ・チームのミーティングでは、マングローブ林を守りながら観光利用する組織(団体やグループなど)が必要だね、という話になりました。今でも、「観光チーム」(インドネシアの村にたいていある青年のグループ)はありますが、もっと専門的で環境にも配慮できる人たちが集まらないと状況は改善できなさそうです。

それは、今回行った場所に限らず、ロンボクの他の場所のマングローブ林も状況は同じです。(例えば・・・西ロンボクのマングローブ観光地の様子

ドゥルカディ・チームキャプテンの意見では、結局「(人を動かすためには)お金=予算が必要」と言うことなのですが、私としてはやる気のある人たちを育てて、「サステイナブルな観光」を目指す組織を作り活動を見せていって初めて、行政も予算をつけられるのではないか、と考えています。

ちょうど、ロンボクの「ごみ銀行」(ごみのリサイクルを行う住民運動)が、住民の活動が先にあって行政の支援も行われるようになったように。

来年度、ゆいツールでは「サステイナブルな観光」を目指すために、人づくりと教材作りをしていきたいと考えています。

万が一、私が渡航できなかったとしても、できる範囲でドゥルカディ・チームに動いてもらい、少しでも活動を前に進めたい、と思っています。

(山)

(先日のマングローブ林調査の様子)

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コロナ禍での模索「今やれること、やりたいこと~ロンボクの若者たちと考える」

2020年08月27日 | ★2020年度(ロンボク)

(中部ロンボク、ランタン村の田園風景)

2020年度、ロンボクでの活動がストップしているゆいツールです。

インドネシア全体では、COVID-19の累計感染者数は15万人を超えています。(8月25日現在)

ロンボク島のある西ヌサトゥンガラ(NTB)州は、約2,600人。(死者150人)

お隣のバリ島は、約4,600人。(死者54人)

そんな中、ゆいツールは予算もつかず、国と国の人の行き来もストップ、インドネシア国内では学校が再開されず、人が集まることもやりにくい状況が続いています。

何もできないね~、とぼんやりと状況を眺めていたら半年が過ぎようとしていました。

そんなとき、NGO仲間から「海外にいる仲間とコミュニケーションをとり続けること、モチベーションを保ち続けることが大事。フェイスブックやZoomとかを使って何か出来るんじゃない?」と言われました。

私も、4月頃にZOOMを使ってのミーティングを検討してはいたのですが、ロンボクの村の若者は通信状況が悪いから、無理だろうな、とあきらめていました。そうしたら、「ネパールもバングラデシュもミャンマーも普通にできたよ」と言うではありませんか。

日本国内では、3月以降すっかりリモート会議が定着して、おしゃべりや飲み会までもがリモートで行われる日々。

とりあえず、ゆいツールも若者たち(ドゥルカディ・チーム)との繋がりを維持し、こんな状況だけど何かできないかな、と意見交換するために実験的に8月から週一回くらいでミーティングを実施することにしました。(初回は8月5日に実施)

毎回オブザーバーとして、過去にロンボクエコツアーに参加してくれて、普段もゆいツールと密に連絡をとっている日本の若者をひとりづつ招待して、一緒にコミュニケーションをとってもらっています。

(8/12) (8/25)

ドゥルカディ・チームの方は、街に住んでいる現地アシスタント(ドゥルカディ・チームキャプテン)以外は、電波状況や農作業などの忙しさにより参加したりしなかったりですが、それでも、話しているうちに、やりたいことが思い浮かんだり、現地の状況がわかったり、少しづつミーティングが定着してきたところです。

現地の状況としては、子供たちの教育がどうなっているのか心配でしたが、学校が再開されないため家庭では親が教師に代わり与えられた課題を子供にやらせている、という実情がわかりました。

後で、子供を持つ現地の知り合いの女性に聞いてみると、「そうなのよ。うちの子なんて、昼前頃起きてくるから、そこから夕方まで宿題をやらせてるの」「・・・・」

学校がなくなり、子供たちは寝坊が当たり前になったり、ゲーム三昧になったり、どう考えても問題がありそうです。

また、ロンボクでは「闘鶏(とうけい)」と言って、にわとりを戦わせてお金を賭ける遊びがありますが、そういう賭け事の場所にいる人たちはたとえマスクをしていても、食べ物を食べるときに手を洗わなかったり、人に食べ物を分けるときに素手で渡したり、コロナについて何も気にしていないような振る舞いをしている、と言うことです。おそらく、賭け事の場所に限らず、主に村の人たちの集まりではだいたいそんな様子ではないか、と私は感じています。

一方、街に住んでいる人は、人との接触を意識して減らすようにしている人が多い、と言うことです。

また、つい最近のミーティングで知ったのは、妊娠した女性が産気づいて病院に運ばれたのですが、コロナの検査を受けていなかったため、受け入れてもらえず、結局赤ちゃんは死産になった、という話です。

こういう話はすべて、現地アシスタントがただニュースで読んだ話ではなく、自分の友達から聞いた話だったり、直接見たことだったりするため、情報としてとても貴重です。

4月頃からずっと現地の情報をレポートして欲しい、と伝えていたのですが、なかなかその気になってくれなかったところを、ミーティングをするようになり、少ない人数でもフォーマルで話をしていると、自分の見聞きしたニュースが価値を持っていると気づいてくれたようでした。

以前、ロンボク島で大きな地震があったときには、たくさんの知り合いが我も我もと近況や現地の様子をSNSを通して発信してくれていたのですが、コロナ禍では逆にこちらが知りたい情報はほとんど上がってきません。

今、ミーティングの中で話しているのは、動画配信をしたいね、ということです。

まずは、ビデオを撮る練習をしよう。対象者は、ひとまずロンボクの地元の人たちで。

テーマも、「コロナの問題」がよければ、それでやってみよう。

大事なことは、アクションをすること(アイデアを具体化させること)。それに対して「反応」(失敗だったり、もっとこうしたいと思うことだったり)があり、「改善」をして「発展」させていく。そのプロセスが学びです。

人は、どんな状況にあっても学べるし、学びは人を成長させます。

この後世界がどんな風に変わっていくのかわかりませんが、どんな風になっても生きていける人間を育てること。

それが、ESDであり、持続可能な社会を作っていくための教育です。

(山)

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