ゆいツールブログ:NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)

人と人、人と自然、人と環境などを「結う(ゆう)」ということに関して、団体の活動やスタッフの思いなどを紹介していきます!

コロナ禍での模索「今やれること、やりたいこと~ロンボクの若者たちと考える」

2020年08月27日 | ★2020年度(ロンボク)

(中部ロンボク、ランタン村の田園風景)

2020年度、ロンボクでの活動がストップしているゆいツールです。

インドネシア全体では、COVID-19の累計感染者数は15万人を超えています。(8月25日現在)

ロンボク島のある西ヌサトゥンガラ(NTB)州は、約2,600人。(死者150人)

お隣のバリ島は、約4,600人。(死者54人)

そんな中、ゆいツールは予算もつかず、国と国の人の行き来もストップ、インドネシア国内では学校が再開されず、人が集まることもやりにくい状況が続いています。

何もできないね~、とぼんやりと状況を眺めていたら半年が過ぎようとしていました。

そんなとき、NGO仲間から「海外にいる仲間とコミュニケーションをとり続けること、モチベーションを保ち続けることが大事。フェイスブックやZoomとかを使って何か出来るんじゃない?」と言われました。

私も、4月頃にZOOMを使ってのミーティングを検討してはいたのですが、ロンボクの村の若者は通信状況が悪いから、無理だろうな、とあきらめていました。そうしたら、「ネパールもバングラデシュもミャンマーも普通にできたよ」と言うではありませんか。

日本国内では、3月以降すっかりリモート会議が定着して、おしゃべりや飲み会までもがリモートで行われる日々。

とりあえず、ゆいツールも若者たち(ドゥルカディ・チーム)との繋がりを維持し、こんな状況だけど何かできないかな、と意見交換するために実験的に8月から週一回くらいでミーティングを実施することにしました。(初回は8月5日に実施)

毎回オブザーバーとして、過去にロンボクエコツアーに参加してくれて、普段もゆいツールと密に連絡をとっている日本の若者をひとりづつ招待して、一緒にコミュニケーションをとってもらっています。

(8/12) (8/25)

ドゥルカディ・チームの方は、街に住んでいる現地アシスタント(ドゥルカディ・チームキャプテン)以外は、電波状況や農作業などの忙しさにより参加したりしなかったりですが、それでも、話しているうちに、やりたいことが思い浮かんだり、現地の状況がわかったり、少しづつミーティングが定着してきたところです。

現地の状況としては、子供たちの教育がどうなっているのか心配でしたが、学校が再開されないため家庭では親が教師に代わり与えられた課題を子供にやらせている、という実情がわかりました。

後で、子供を持つ現地の知り合いの女性に聞いてみると、「そうなのよ。うちの子なんて、昼前頃起きてくるから、そこから夕方まで宿題をやらせてるの」「・・・・」

学校がなくなり、子供たちは寝坊が当たり前になったり、ゲーム三昧になったり、どう考えても問題がありそうです。

また、ロンボクでは「闘鶏(とうけい)」と言って、にわとりを戦わせてお金を賭ける遊びがありますが、そういう賭け事の場所にいる人たちはたとえマスクをしていても、食べ物を食べるときに手を洗わなかったり、人に食べ物を分けるときに素手で渡したり、コロナについて何も気にしていないような振る舞いをしている、と言うことです。おそらく、賭け事の場所に限らず、主に村の人たちの集まりではだいたいそんな様子ではないか、と私は感じています。

一方、街に住んでいる人は、人との接触を意識して減らすようにしている人が多い、と言うことです。

また、つい最近のミーティングで知ったのは、妊娠した女性が産気づいて病院に運ばれたのですが、コロナの検査を受けていなかったため、受け入れてもらえず、結局赤ちゃんは死産になった、という話です。

こういう話はすべて、現地アシスタントがただニュースで読んだ話ではなく、自分の友達から聞いた話だったり、直接見たことだったりするため、情報としてとても貴重です。

4月頃からずっと現地の情報をレポートして欲しい、と伝えていたのですが、なかなかその気になってくれなかったところを、ミーティングをするようになり、少ない人数でもフォーマルで話をしていると、自分の見聞きしたニュースが価値を持っていると気づいてくれたようでした。

以前、ロンボク島で大きな地震があったときには、たくさんの知り合いが我も我もと近況や現地の様子をSNSを通して発信してくれていたのですが、コロナ禍では逆にこちらが知りたい情報はほとんど上がってきません。

今、ミーティングの中で話しているのは、動画配信をしたいね、ということです。

まずは、ビデオを撮る練習をしよう。対象者は、ひとまずロンボクの地元の人たちで。

テーマも、「コロナの問題」がよければ、それでやってみよう。

大事なことは、アクションをすること(アイデアを具体化させること)。それに対して「反応」(失敗だったり、もっとこうしたいと思うことだったり)があり、「改善」をして「発展」させていく。そのプロセスが学びです。

人は、どんな状況にあっても学べるし、学びは人を成長させます。

この後世界がどんな風に変わっていくのかわかりませんが、どんな風になっても生きていける人間を育てること。

それが、ESDであり、持続可能な社会を作っていくための教育です。

(山)

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かみしばい「スーパーしろくま物語」との再会~10年の時を経て~

2020年08月07日 | 11. ≪スタッフコラム≫

◎ ◎ ◎ スタッフコラム ◎ ◎ ◎

先日学童で、とある環境プログラムを行うにあたって、JCCCA(全国地球温暖化防止活動推進センター)の貸し出し教材を借りました。

それは、「スーパーしろくま物語」という紙芝居と、「地球が病気!?」というプログラムです。

Materi pendidikan lingkungan hidup yang pernah dikembangkan sendiri 10 tahun lalu lebih..

これらの教材は、かつて「ストップおんだん館」で開発し貸し出しをしていたもので、今でもJCCCA(ジャッカ)で貸し出しを行っています。

ゆいツールを立ち上げたメンバーがJCCCAを離れた後も、残ったスタッフによってメンテナンス/データの更新等がされています。

私は、特にこの紙芝居に思い入れがあります。

なぜなら、自分で開発したからです。絵を描けるスタッフと一緒に作りました。

ストーリーや会話をシンプルにして、現実に起こっている出来事を、子供たちにわかるように表現する工夫をしました。

先日、この紙芝居を、1年生から4年生の子供たちに実施してみて、久しぶりに子供たちの反応を見ることができました。

どうして北極の氷が溶けたり、海の水が増えて島が沈みそうになったり、珊瑚礁が死んでしまったりするのかなぁと聞くと、3-4年の男子が、「地球温暖化!」「二酸化炭素!」などと叫ぶのも、1-2年生が「太陽が熱くなったから」「夏が暑いから」などと答えるのも、10年前と変わらない光景でした。二酸化炭素がどうしたの?と聞けば、実は詳しいことはわからない、というところも。

今回は、地球温暖化の原因について詳しく伝えられませんでしたが、環境の問題について知る手始めとして「世界のあちこちで変なことが起こっていて、それはもしかしたら人間のせいかもしれないよ」という入り口の話しをしました。

「地球が病気!?」のプログラムの、写真パネルも何枚か合わせて使いました。

「集中豪雨」や「巨大台風」が増えているのも、人間の(活動の)せいかもしれない、と話しながら、このプログラムを作った時は、何年かに一回だった豪雨災害が、最近は毎年、そして年に数回起こるようになっているなぁ、と思いました。

これは、貸し出し物が入っているパッケージ(特別仕様)です。

何度も配達できるように、しっかりした造りになっています。

「ストップおんだん館」を運営していたスタッフが立ち上げた「ゆいツール」は、今年の10月で10周年を迎えます。

10周年を迎えるというのに、今年は活動がほぼ休止状態で、おやおや困ったな、という状況です。

思い返すと、ゆいツールを立ち上げた翌年、NPO法人の認証を受けた2011年は東日本大震災がありました。

あの時も、福島第一原子力発電所事故による放射能汚染の問題があって、環境教育の現場は影響を受けました。

今年は、新型コロナウイルスの蔓延。

「予期せぬこと」は、人生につきものだ、と思いながら、この先の展開を注視していきます。

ひとつ、「スーパーしろくま物語」の紙芝居を読んでいて気づいたこと。

小学2年生の「ひろ」が、「テレビゲームとチョコレートアイスクリームが大好きな」と自己紹介をする部分。

多分、今は「オンラインゲームが大好きな」とか「ユーチューバーになりたい」小学2年生とか言った方が、時代にマッチするかも、と思いました。10年経って、子供たちを取り巻く環境も変わったのかもしれません。

(山)

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生き物クイズ第7弾!せみせみクイズ

2020年08月05日 | ⇒生き物クイズ

生き物クイズです!今回は、「セミ」。

今まで作った生き物クイズ:ゾウさんイノシシにわとりかたつむりおさるさんうしさん

生き物クイズは、東京都内の学童保育で、小学校低学年から中学年くらいの子たちに、生き物や生き物が暮らしている環境に興味を持ってもらいたいと思い作っています。

東京では、7月下旬からやっと鳴き始めたセミたち。

鳴き始めたな、と思った矢先に、力尽きて地面に横たわるアブラゼミを2匹、同じ日に見かけました。翌日には、日中なのに羽化しかけたセミを見かけました。

なんだか変だぞ?と思うこの頃。

変だったのは、そもそもお天気。今年の7月は一回も台風が発生しなかったそうです。その割に、豪雨災害が多発。どういうことでしょう。

線状降水帯という聞き慣れない言葉も登場しました。

東京では、太陽が一日輝いていた日は7月は皆無だった印象です。

そんな変なお天気の中、地中から出てこなければいけなかったセミたち。

今年も命を繋いでくれるのか、心配です。

さて、せみせみクイズ。

(仙台市科学館のセミ図鑑より画像を借用)

第一問!アブラゼミの鳴き声はどれ?

Yui-Tool membuat quiz mengenai Cicada untuk anak-anak SD kelas 1-4 di Tokyo.

答えは「赤」。ジリジリジリジリとも聞こえます。

油で揚げているときの音に似ているから、アブラゼミだそうです。

子供たちは、さすがに青色は選びませんでした。

うっかり、「鳴いているのはオス?メス?」と問いかけるのを忘れました。

帰り道に、3年の女子に聞いたら「オス!プロポーズしているから」と言っていたので、多少の知識はある様子。

第2問!このセミは何ゼミ?

他のセミに比べて体が小さく、背中のMの字が特徴です。

こちらは、「黄色」。

子供たちは、ミンミンゼミとアブラゼミは知っていても、ニイニイゼミは知らず。

でも、逆によく知っているセミとは違う、ということで黄色を選んでいました。

ところで、ニイニイゼミの抜け殻は、他のセミのと比べて特徴があります。

よく見かけるミンミンゼミやアブラゼミのそれはツルツルしているのに対して、ニイニイゼミの抜け殻は土がついているのです。

第3問!セミはどうして大きな声(音)で鳴けるの?

誰も、「赤」を選ばず・・・。子供だましだったか。

「青」と「黄色」は迷いがありました。

夏休み中に、ぜひセミを捕まえて欲しいな、と思います。

捕まえて、手の中で鳴くセミを感じて欲しい。お腹が震えているのがわかるから。

子供たちには生き物の命を実感して欲しい、と切に思います。(山)

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