ゆいツールブログ:NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)

人と人、人と自然、人と環境などを「結う(ゆう)」ということに関して、団体の活動やスタッフの思いなどを紹介していきます!

三度目のロンボク島で「自分自身から他者へ目を向ける」~学生さんの感想~

2019年03月26日 | 6. エコツアー参加者の声

(ランタン村で。筆者中央)

「自分自身から他者へ目を向ける」が今回の私のテーマでした。

【今回私がツアーに参加した経緯】(私は今回、2月下旬から14日間ロンボク島に滞在しました)

私は4年間の大学生活を自分の可能性を発掘することに力を入れすぎたため、活動の中で様々な人と出会えていたのにも関わらず、その人たちへの理解がうわべだけになっていたことに気付きました。それは、2016年12月と2017年12月に参加したロンボク島エコツアーの時も同じでした。

「見ず知らずの外国人を受け入れる力のあるインドネシアの人」

「村全体が家族のように強いつながりのあるインドネシア」

というところだけを見て、それがすべてだと考えていました。

彼らの寛容さや陽気さ、まじめさ、貪欲に前に進もうとする努力がどこから生まれてくるものなのかをしっかり見つめ直し、もっと彼らのことを知りたいと思い、今回は「他者へ目を向ける」ということをテーマとし、異文化交流を通して以下の3つを彼らから学ぼうと思いました。

Ⅰ「彼らの気持ちや考えを心で理解する」

Ⅱ「彼らの生きる知恵を学ばせていただく」

Ⅲ「インドネシア独自の家族やコミュニティのスタイルを学ばせていただく」

【今回のツアーを振り返って】

Ⅰ:「あなたが楽しくて嬉しいのなら私も楽しいし嬉しい」これは、よく彼らが私に言ってくれていた言葉です。どんな場面でも、現状を受け入れ、他者を助ける、みんなで分け合う、という教えが彼らの中には常にあるように感じました。また、「自分がやりたかったことは形を変えたけどそれでも十分幸せだし、ここにいることこそが幸せなんだ」と語る彼らが持つ教えは、彼らが生きる全ての瞬間にあり、それがあることで、彼らは寛容になれるのかなと思いました。

Ⅱ: 彼らは自然と共に生きることで、生きる知恵を獲得していました。彼らは、自分の力で何でも作ってしまいます。特に食事と遊びと家づくりには彼らの生きる知恵が詰まっていたように感じます。まず、食事では、周辺の自然に生えている草や果物などの中から食べられるものを見つけ出し、料理に使います。魚を釣るのも自分で作った竿で器用に取って見せてくれます。高い位置になるフルーツは、木を登ってとり、一人でたくさん持ち運べるように、皮を紐代わりにして結んで運んでいました。次に遊びでは、周辺にある木や竹で濡らした紙を詰めて飛ばして遊ぶガンを作ったり、また、次の家づくりでは、砂に水を加えレンガのようなものを作り、自分たちで骨組みから仕上げまで行っていました。彼らがこのように生きる知恵を持つのは、「親や近所の大人に教えてもらったから」と語っていました。それはⅢのつながりの強さと深く関係していると感じました。

Ⅲ:家族や村全体のつながりの強さは計り知れないものでした。彼らの暮らしは、1世帯だけでの暮らしではなく、親戚も周辺に家を建て、家族みんなで協力し合って暮らしを送っていました。畑仕事や家事、家畜の世話、子どもたちの子守、そして村を訪問する外国人のお世話など全てを家族や周辺に住む人たちと協力して行ってくれていました。洋服やサンダル、食事など、1つの物を一人で使うではなく、他者と分け合うことができる人々、文化だったように感じます。また、たとえ知らない人でも誰かの友人や、家族であったりするため、すぐにつながるということに驚きました。

【彼らと共に生きるために】今後

私は彼らと以前より長く時間を共にしたことで、この先もずっと彼らと関わっていきたいと考えるようになりました。たった一瞬の出会いで私を180度変えてくれた彼らと一緒にやっていける活動を模索していこうと思います。そのためにも、4月からは社会に出て「他者へ目を向ける」ことを忘れずに、仕事をし経験値を積んでいきたいです。

そしていつか、また、彼らのそばで生きたいと思います。

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ESDスタディーツアーを終えて(3月のツアー参加者の感想)

2019年03月24日 | 6. エコツアー参加者の声

「いろいろな国に行ける日本の学生にとても嫉妬していた」

そう話したロンボク島ランタン村のホストシスター(上の写真手前、右と中央の姉妹)は、自分の村に誇りを持ち、より良くしようと奮闘する強く素敵な女性だった。

本ツアーに参加することになったとき、私は環境問題を学ぶことに意気込んでいた。インドネシアのゴミ問題について、日本のゴミ問題について、排気ガスの環境汚染について…。

ESD」「ゴミ銀行」という名前に捉われて、その小さい枠から何かを得ようと考えを巡らせていた。しかしランタン村でのホームステイを通して、日々の生活の中に学びが溢れていることを実感した。

ホストシスターは村で小中学校の先生をしていた。英語が堪能で、何よりも日本が大好きだった。いつか日本に行きたいとずっと思っていると聞いたとき、私は「ぜひ来て!」と当たり前のように答えたが、実際日本に行くのに、どれだけの資金や周りの協力が必要になるのだろうか。私は冒頭の言葉を聞いて初めて、彼女の本心を知った。

「本当は留学したかったのに」「自分だって時間をかければできるのに」。私も、日本での生活の中で自分にできないことをする人を見ると、そう感じることが多かった。しかしランタン村の若者たちは、自分たちの村の素晴らしさ、自分が今この状況にいることの素晴らしさを知っていた。それは、過去にこの村を訪れた日本の若者たちとの交流の中で、気づいたものだそうだ。だから彼女の日本人への嫉妬心は過去形だった。そのことを知ったとき、自分はなんて恵まれていたのだろうと感じるのと同時に、感謝すべきことをいくつ見落としてきたのだろうと、今までの自分の愚かさを感じた。

ロンボク島で関わった現地の人々は「今」を非常に大切に生きていた。未来の予定は、「今」の状況によって自由に変化する。普段、日本の時間に追われて生活していた私は「今すべきこと」をこなしながらも未来の予定に振り回されていたように感じる。そして、自分一人だけで生きているように錯覚してしまう。しかし「今」を大切していると、今関わっている人や現状のありがたさにしっかり目を向けることができ、自分はたくさんの人々とともに生きていると感じることができるのかもしれない。

ロンボク島での学びは環境問題、食や生活の文化、言語、教育と、多岐にわたった。特に、サスティナブルな教育をはじめたばかりのスンギギ第一小学校の授業カリキュラムには感銘を受けた。これらのたくさんの学びがある中で、「今を大切にすること、今に感謝すること」を学んでからの本ツアーは、私に小さくも数多くの経験を与えてくれた。初めは戸惑った水でのマンディや右手を使っての食事、滝への飛び込みも、今しかできないことだと意識することで挑戦することができた。

4月からは長い学生生活を卒業し、社会に出る。自分にとって節目となるこの時期に、現地の同世代から学んだことはこれからの自分の糧になると確信している。この学びに出会えたこと、今の自分があることに感謝して、社会人を精一杯駆け抜けたいと思う。

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彼女が参加したツアーの様子はこちらから。

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村でマウンテンバイク!ココナッツの葉っぱで帽子づくり!滝でジャンプ!伝統音楽に触れる! in Lombok

2019年03月11日 | ⇒【名古屋市立大(2019年3月)】

3月初旬に、ロンボク島でエコツアーを実施しました。

Bulan Maret 2019, Yui-Tool telah membuat ekowisata di Lombok untuk dosen&Mahasiswi dari Jepang.

(ブウン・スジャティ村の滝の入り口で。ガイドのマデくんと)

参加したのは、名古屋市立大学の先生や学生さんやそのお友達など(なんと日本在住のインドネシアの女の子も一緒です)。ESDの研究をされている先生が、昨年からESDスタディツアーとして、ツアーコーディネートをゆいツールに依頼してくださっています。(昨年のツアーの様子はこちら

ごみ銀行訪問や恒例のランタン村滞在もしましたが、今回は西ロンボクのブウン・スジャティ村でのツアーの様子をご紹介します。

昨年の7月に初めて訪れてから、もう何度もローカルの子や日本人のお客さんを案内している村です。

ロンボクでは珍しく、バリ人(ヒンドゥー教徒)とササック人(ロンボクの先住民:イスラム教徒)が混じって暮らしている村です。

(お互いに結婚することもよくある、という意味で珍しい)

村に着いて、最初に対面したのはなんと・・・。

アヒルの赤ちゃんでした。

ガイドのマデくんが、飼っているアヒルを紹介してくれたのです。

インドネシア人は、アヒルのお肉や卵をよく食べます。

それから、村の伝統のお菓子(葉っぱで作ったゼリーに、ココナッツミルクとヤシ砂糖を水で溶いたものをかけていただきます)を味わいました。

次に、ココナッツの葉っぱで帽子づくりが始まりました。(上の写真でマデくんがかぶっている帽子です)

小さな東屋(ロンボクではブルガと言います)で、5人のお客さんが長い葉っぱで帽子を編むので、ツクツクとお互いを刺しながらの作業でした。

これは村の伝統手工芸なのかな、と思ったら、ツアーの最後でマデくんとディスカッションして判明したのですが、なんとバリの伝統のものをインターネットで探して自分で習得したというもの。(ちなみにマデくんはバリ人)

自然のものを使って、自分の手で、何でも作れるインドネシア人はすごいなぁと、参加者は感心していました。

それから、マウンテンバイクに乗ってじゃらんじゃらん(お散歩)です。

自転車が苦手な参加者は、バイクの後ろに乗って。

向かったのは滝です。

前日に大雨が降って増水していましたが、泳ぎたくなった参加者。

とうとう、滝の上から飛び降りる決心をしました。(この後飛び降りました。下ではゆいツールのガイドが安全を確保)

びしょ濡れのままお昼ご飯を食べて、着替えてから次の場所へ。

ブルガでココナツを飲んだり、養殖している魚に餌をやったり、焼き魚を堪能したりして休憩。

それから、自転車で移動して、バリとロンボクの伝統音楽ガムランの体験をしました。

ツアーの最後は、マデくんとディスカッションをしました。

インドネシア人の参加者からは、インドネシア人も十分楽しめる内容で、もっとプロモーションをしてたくさんのインドネシア人にも知ってもらったらいいね、という意見がありました。

マデくんは一生懸命、ツアーを準備してくれました。これからブウン・スジャティ村でのツアーが、もっともっと発展するように、ゆいツールもフィードバックをしてマデくんや村の若者たちをサポートしていきたいと考えています。

ツアーに参加してくれたみなさん、ありがとうございました。みなさんの体験が、未来のエコツアーへつながります。

(参加者に書いてもらった体験ブログへのリンクは、この写真の下に。)

(最後の夜に)

ESDスタディーツアーを終えて(3月のツアー参加者の感想)

三度目のロンボク島で「自分自身から他者へ目を向ける」~学生さんの感想~

インドネシア人にとっても、楽しかったロンボク島エコツアー♪

(山)

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ランタン村の村ツーリズムを紹介するパンフレットができあがりました! in Lombok

2019年03月07日 | ★2018年度(ロンボク)

ロンボク島で活動中のゆいツールです。

3年間、地球環境日本基金の助成金をいただいて、ロンボク島で村ツーリズム開発を行ってきました。

その集大成として、ランタン村の村ツーリズムを紹介するパンフレット(英語版)を作成しました。

これを、ホテルとか旅行代理店とかに置かせてもらえれば、と思っています。観光客が集中している、ギリ・トラワンガン島、ギリ・メノ島、ギリ・アイル島のホテル、レストランもねらい目です。

でもまずは、お客さんを案内するガイドに知ってもらいたいな、とも思います。

村の若者たちが、自分たちの村をプロモーションしながら、上手にパンフレットを配ってくれることを期待します。

しかし問題は、昨年の夏の地震以降激減してしまった観光客がいつになったら戻ってくるのか、です。

ゆいツールは、昨年度こんなパンフレットも作成しました。

こちらは、「村ツーリズムってなに?」というのを、ロンボクの住民に紹介するためにインドネシア語で作成しました。

昨年度のパンフレットは、ゆいツールが主体で内容を考えて、ロンボク島の知り合いがデザインしました。

今回出来上がったものは、内容からランタン村の若者が考えました。

ゆいツールは途中段階で、アドバイスをしたり、英語を修正したりしたくらいです。

ランタン村は、今のところ、ゆいツールがコーディネートしたエコツアーのお客さんが一番たくさん訪れていますが、英語のパンフレットを作ったことで、英語圏のツーリストも訪れるようになってくれるとうれしいな、と思います。

また、このパンフレットを見て、別の村でも自分の村をプロモーションする動きが広がってくれるとさらにうれしいです。

ゆいツールはそもそも、村ツーリズム開発を「ロンボク島のごみを減らすために」行ってきました。

その目標は、まだまだ達成されていません。

それでも少しづつ、「わが村をきれいにしよう」という機運が生まれ、動き出す若者たちが増えていくことを目指し、外からお客さんが村にやって来てほしいです。

ゆいツールは来年度以降、テーマを少し変えながらも、引き続きロンボク島のごみを減らすための活動を続けていきます。

今年度うれしかったことは、地震の前も地震の後も、ロンボク島を訪れてエコな活動を見てみたい、村に滞在したい、という日本の若者が変わらずいたことです。そんな日本の若者と村の若者との交流、日本の若者の学びについては、このブログの左側の「カテゴリー」の中の「エコツアー参加者の声」をクリックしてご覧ください。

(山)

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