ゆいツールブログ:NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)

人と人、人と自然、人と環境などを「結う(ゆう)」ということに関して、団体の活動やスタッフの思いなどを紹介していきます!

ストップおんだん館から生まれたゆいツール

2019年11月07日 | 13. ストップおんだん館のこと(ゆいツール以前)

最近、ストップおんだん館のことをこのブログに書いておきたい、と思う気持ちが強くなりました。

ストップおんだん館とは、2004年7月にオープンし、2010 年3 月に環境省による廃止の決断により活動を終えた、地球温暖化問題専門の環境学習施設です。

ストップおんだん館は、東京タワーの近くのオフィスビルの1Fにありました。

開館していた6年半の間に、修学旅行で東京を訪れる全国の中学生や、都内の小中学生、関東近辺の子どもやその養育者、主婦のグループ、韓国からの視察グループなど、実にさまざまな人たちが訪れました。

このストップおんだん館でインタープリターをしていたメンバーが中心になって、2010年10月にゆいツールを立ち上げました。

今年(2019年)、ニューヨークで開催された国連気候行動サミットで、スウェーデンの環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんのスピーチが注目されました。

グレタさんは、ストップおんだん館がオープンした2004年の一年前に生まれています。

その頃、日本の環境省に石油特別会計からまわってきた大きな予算がつき、地球温暖化防止を国民に呼びかけるために「ストップおんだん館」が開設されました。

ストップおんだん館は、ただの情報館ではありませんでした。

地球温暖化について、自分事として考えられるプログラムや展示物をオリジナルで作成し、来館者にはインタープリターが対応して双方向のやりとりの中から気づきを引き出しました。

展示物は作り付けではなく、自由自在に変えられる仕組みになっていました。

グレタさんの怒りのスピーチを見て、私はストップおんだん館での日々を思い出していました。

地球温暖化を食い止めるために、私たちひとりひとりが、あるいは企業が、あるいは政府が、あるいはNGO団体が何ができるのか、来館者と一緒に考えていた日々でした。

その頃、私たちインタープリターは、温暖化が進むと「西日本で豪雨が多発するようになること」「台風が大型化して日本を襲うようになること」「氷河や永久凍土が溶けていくこと」「海面が上昇し、世界中で高波や高潮の被害が広がること」などを、来館者に伝えていました。

今起こっていることは、予測された出来事でした。

ストップおんだん館が閉館し、京都議定書からパリ協定へ、世界の約束も変わっていきました。

温室効果ガス(二酸化炭素やオゾンやメタンなど)を多く排出している国が、地球温暖化の問題により大きな責任を持つことは当然でしょう。

そう言えば、現在、聖心女子大学のグローバル共生研究所(渋谷区広尾)の展示室で、「女性と社会的弱者にとっての気候変動」という展示が行われています。

私はそこで、ツバルに関する映像展示を目にしました。

ツバルは、温暖化で真っ先に海に沈む国として知られています。ストップおんだん館でも、展示で紹介したり、ツバルオーバービューの遠藤さんを招いてイベントを実施したりしました。

現在ツバルでは、いくつかある島のひとつを盛り土をして迫りつつある海面上昇に対応しよう、とか、別の島に引っ越しをしようという対策が考えられているようです。

ストップおんだん館がなくなっても、京都議定書がパリ協定に変わっても、アメリカが「温暖化などでっちあげだ」と言ってパリ協定から離脱を表明しても、温暖化問題は消えてなくならず、ツバルは着々と沈みつつあるのだ、と思いました。

そして、グレタさんのような若い世代が、未来を憂えているのだ、と。

ストップおんだん館から生まれたゆいツールは、来年10年の節目を迎えます。いつの間にか、ストップおんだん館で働いていた年数を超えていました。

地球温暖化の問題も、プラスチックごみの問題も、森林破壊の問題も、大きすぎて太刀打ちできなさそうです。

それでも、ゆいツールはESDと環境教育に希望を託して、まだもう少しがんばってみようと思っています。

(山)

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