ゆいツールブログ:NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)

人と人、人と自然、人と環境などを「結う(ゆう)」ということに関して、団体の活動やスタッフの思いなどを紹介していきます!

ごみ銀行に参加している小学校を見学しました in Sumatera

2014年07月28日 | 9. インドネシアでの活動
2014年6月に、ロンボク島での活動の参考にするために、スマトラ島リアウ州のプカンバルにあるごみ銀行(Dalang Collection)に、環境美化に熱心に取り組んでいる小学校(SDN88)を紹介してもらい、見学してきました。
 
全校生徒約300人の小さな学校でしたが、学校の中は緑でいっぱい。
 
まず目についたのは、プラスチック容器を再利用した植木鉢に植えられたサボテンなどの植物たち。
 
 
校長室にも、ジュースの容器のふちの部分を切り取って再利用した、水カップを入れる置物がありました。校長先生は女性でした。
学校の活動を見学しに、外国人が来たというのが誇らしいようで、熱心に説明してくださいました。この学校は2012年から、ごみ銀行の活動に参加しているそうです。
 
私たちはさっそく学校のごみ置き場へ。
きれいに分別されています。(この分別する、という行為が、まず第一歩です)
 
先生に、どのようにごみを集めているのか聞いてみると、曜日ごとに違う学年の生徒が家からごみを持ってくることになっている、とのこと。つまり、月曜日は1年生、火曜日は2年生というふうに。ごみを持ってきた生徒や先生(や、なんと親まで)の名前を確認して、担当の用務員のイワンさんが名前のリストの欄にチェックを入れていきます。
持ってきたごみの量に関係なく、回数を記録しているということでした。
 
ごみは、1週間に一度ごみ銀行が取りに来ます。
その際に、種類ごとに計って、学校が持っているごみ銀行の通帳に、記帳します。
紙ごみ○○kg、プラスチックボトルやグラス○○kg、その他のプラスチックのごみ○○kg、卵の容器○○kgというふうに。
そうして、1年間でだいたい2,000,000ルピア(約17,000円~18,000円)のお金が貯まるそうです。
 
そのお金で、みんなでごはんを食べるお祭りを開くそうです。
そして、たくさんごみを持ってきた生徒にプレゼント(色鉛筆などの学用品)が贈呈されます。
 
学校では、コンポスト作りも熱心に行っています。
このコンポストもごみ銀行が買い取っていくそうで、通帳に張り付けられた領収書を覗くと、「905,000ルピア(約8,000円)」と書いてありました。おそらく1年分でしょう。
(1kgあたり5,000ルピア。1か月で5-6kgできると言っていました)
 
コンポストは学校で育てている植物たちにも使われていました。
「家庭薬草園」というコーナーでは、今では街の子供たちがほとんど知らなくなってしまった、薬になる植物を育てて、教育に役立てている、という話でした。
 
学校には、環境美化を呼びかけるポスターや活動の写真がたくさん貼ってありました。
(たくさんの木は、たくさんの財産、と書かれたポスター)
 
(環境活動の写真がずらり)
 
見学が終わると、先生が子供たちを集めてくれていました。
ロンボクの活動で開発した、ごみについて学ぶプログラムを試してみることに。
あんまりたくさん生徒がいたので、数人前に出てきてもらって、その子たちに主に参加してもらいました。「オーガニックごみ(日本でいうところの主に燃えるごみ)」と「オーガニックではないごみ」に分けるワークのところでは、意外と間違う生徒がいて、環境に熱心に取り組んでいる学校でも、ひとつひとつのごみについてどちらに分類されるか、という学習は必要なのかもしれない、と感じました。
最後のほうは、後ろで見ていた子供たちの一部が前に乗り出してきて、大騒ぎの中終了しました。
このプログラムは、ロンボクで活用する際には、1セットの中に、ごみ捨て場の大きな絵とごみのカード(60枚)を4組入れる予定です。
そうすれば、子供たちの人数が20~25名くらいまでは対応できます。
 
プカンバルの小学校で得た手ごたえを持って、いよいよ8月ロンボクで、NGOスタッフや学校の先生向けの研修を行う予定です。
(山)
 

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スマトラで農業研修! in Sumatera

2014年07月09日 | 8. スマトラでの活動
2014年6月中旬に、スマトラで村の人を対象に農業研修を実施してきました。
(ゴムのタネについて説明する農業局の講師と、真剣に話を聞く受講生)
 
本来は、ブキッ・ティガプル国立公園(以下、TNBT)の中のサダン村及びアイル・ボンバン村の農業グループのおじさんたちを連れて行く予定だったのですが、諸事情により、国立公園のすぐ外のレマン村のおじさん5名を研修に連れ出しました。
 
今回の研修は、ゴム園の効率的な管理方法を学ぶもので、研修に参加した村人は全員ゴム園を所有しており、研修を受けることで、今後新しいやり方を村に広めてくれる可能性があると見込んで実施しました。
 
村人にとって、ゴム園を所有することは、銀行にお金を預けるようなもので、貴重な現金収入の元となります。ただ、きちんと管理されたゴム園に比べて、1ヘクタールあたりのゴムの木の本数も少なく、きちんと管理をしないので、収量も多くありません。
 
今回の研修の目的は、新しいやり方を学んで村に持って帰り、ゴム園から収穫をあげ、生活向上のきっかけにすることです。
 
研修は4日間で、リアウ州プカンバルにある農業研修センターのAmrizal(アムリザル)さんを中心とした、地方農業局のスタッフ等の協力により実施することができました。
 
まず1日目は、品種改良されたゴムの木の苗木の作り方を学びました。
 
土台となるゴムの木を種から育てる方法、その苗木の幹の部分に、ゴムの液をたくさん出すように品種改良された別の品種のゴムの木の芽を移植する方法を、実践により学びました。
1本の親木を元にして、たくさんの子供たち(苗木)がクローンとして育っていきます。
(これが、移植する“芽”)
 
(“芽”を取る練習中)
 
現在村人が所有しているゴム園は、森の中にあるゴムの木を親木としていて、品種改良されていないため、病気などには強くても収穫できるゴムの液は、品種改良されたものに比べて少ないのが現状です。
 
2日目は、アムリザルさんによる講義(農業グループの必要性やマネージメントについて)と、実際に苗木を生産している農家の見学を行いました。
(立っているのがアムリザルさん)
 
 
(苗を生産している農家の見学)
 
生産現場では、木の芽を移植する専門のスタッフが働いていて、実際に芽が出て順調に育ったものの数を確認して、出来高制で給料が支払われているようでした。
実際、移植した芽がすべて順調に育つことはなく、素人がやっても多くは失敗するそうです。
(幹の途中から生えている緑の部分が移植した“芽”から生えた部分)
 
ゆいツールとともに活動している地元のNGOのRiki(リキ)さんは、村で親木から芽を移植する専門のスタッフを育成して、村で苗が生産できるようになったら、農業局が買ってくれるだろうし、売り上げは農業グループの収入として活用することができる、ということを話していました。
実際にそうなるまではまだ長い時間がかかるとしても、そこを目標にがんばってみてはどうだろうか、と私も思いました。
 
3日目は、プカンバルからほど近いバンキナンという地域の農業グループを訪ねました。彼らが所有するゴム園を見学し、自分たちが所有してるゴム園との違いを認識することができました。ゴムの本数、植えられているゴムの木の種類、1日の収量、管理方法、なにもかもが村とは違い、村人は小さいエリアで十分な収量をあげられることを学びました。
また、肥料をつくるために牛を飼っている牛舎も見学しました。
(ゴム園で記念撮影。ゴムの木が整然と並んでいます。)
 
4日目は、朝、アムリザルさんから、活動計画を作ることの大切さについて話があり、今後SERAIがサポートして、レマン村で農業グループを立ち上げること、そのあと苗木などの支援を行うことなどを確認しました。
その後、プカンバルから車で小1時間のところにあるルンビオの森(たびたびゆいツールの活動で訪れている場所)で、住民が守っている森を散策したり、魚の養殖を見学したりしました。
夜は、住民グループと、森林の管理の歴史や管理方法などについて意見交換を行いました。
(魚の養殖場見学。川の中に専用の船を浮かべて、その中で養殖しています。)
 
研修に参加した村人は、村で今回学んだことを生かすことを約束してくれました。
 
ゆいツールは、9月に現地を訪れ、活動の進捗を確認する予定です。
果たして、村人のやる気が持続しているかどうか、そこが重要なポイントだと思っています。
(山)
 
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