世の中のうまい話

魚のウンチク、旬、漁師だけが食べている浜料理の紹介などなど・・・食べ歩きは八王子中心!都心も地方もたま~に

白魚(シラウオ)・素魚(シロウオ)

2024年03月24日 20時14分04秒 | Weblog


白魚(シラウオ)・シロウオ


        白魚の天ぷら


【語源】
シラウオの名前は見ての通り、生きている時は透明ですが、死んで
しまうと白くなることから付いたようです。

よく似た魚にシロウオ(素魚)があります。

こちらはスズキ目ハゼ科に属し、吸盤状腹ビレがあります。
(シロウオは腹ビレがないと言った方がわかりやすいかも?)
また、白魚より、やや小ぶりです。

全国的にシロウオをシラウオと呼ぶ事もかなりあるようです。
例えば、博多の室見川で生きたまま二杯酢で食べる「おどり食い」は
、シラウオと呼んでいますが、実際はシロウオなんですよ~。
ややこしいですね~!

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      白魚のにぎり寿司



          白魚とウニの和えもの

【旬】
旬は文句なく春(初春)です。
「月は朧(おぼろ)に白魚の篝(かがり)もかすむ春の宵」・・・・
歌舞伎「三人吉三」の名セリフとして有名です。
この「白魚のかがり火」とは、隅田川(当時は大川)に小舟を浮かべ
、魚を集めるためにかがり火をたいたシラウオ漁の情景です。

江戸時代、シラウオ漁は隅田川下流の佃島辺りが産地でした。
大川・かがり火・シラウオ漁は、江戸に早い春を告げる風物詩だった
のです。

また、ひな祭りにシラウオのすまし汁・・・と言うのが江戸の風習で
ありました~!ひな祭りも春ですよね!






【うんちく】
シラウオは北海道から九州まで、ほぼ全国各地に分布しています。
内湾や河口の汽水域が住みかで早春に産卵期の為、川をのぼります。
メスは河床に産卵し、この卵に雄が精子をかけます。
産卵後親魚は疲れ果てて短い生涯を閉じ、受精した卵は1週間から
10日で孵化します。
稚魚は、動物プランクトンをエサにして成長し、やがて川を下って
河口付近や内湾で暮らすようになります。
そして、1年で成熟して翌春には次の代の親魚として川をのぼり
ます。



      白魚のかき揚げ

 

             白魚昆布〆寿司


【家康と白魚】
シラウオは徳川家、江戸佃島と深い縁で結ばれています。

シラウオの頭部に見られる模様が徳川家の葵の紋に似ている為、徳川
家を象徴する魚として、家康に保護されたと言う説。

もう一説は、三河時代から家康の大好物だったシラウオを佃の漁師が
献上したところ、江戸でもシラウオが獲れることを知って大喜びし、
その後保護したという説があります。


     白魚のにこごり

いずれにしても家康はシラウオが好物で、権力を誇示する一つとして
シラウオを御止魚(おとめうお)、つまり「献上魚するもの以外は
獲っていけない」と命じたのです。



シラウオ漁を許されたのは佃と京橋の二人の漁師のみでした。
この漁師たちには様々な特権を与えられています。
両者の縄張りを決め、独占的な入漁権。舟の舳先(へさき)には
「御本丸」などと書いた提灯を掲げて、他の漁舟を蹴散らしたそうで
す。さらに、獲れたシラウオは葵の御紋の御膳白魚箱に納め、天下御
免と江戸城に駆け上がったのです。
この時、大名行列を横切ることさえ許されたといいます。
さらに、両者には屋敷が与えられ、当時干潟だった土地までいただき
、そこを埋め立ててできたのが佃島です。

佃煮は、このシラウオを始めとする小魚を佃で煮付けた物が始まりと
言われています。


【ブランド・産地】
ブランド化まではされてませんが、主な産地は青森県小川原湖(おが
わらこ)です。
シラウオにはワカサギの様に、海へ降下するものと、海に行かず越冬
するものとの2種いるようですが、ここ小川原湖では前者の方が多いと
言われています。
主産地のもう一つは、島根県の宍道湖です。
こちらは、海に出ない後者の方が多く、宍道湖七珍の貴重な一珍と
されています。



       素魚(シロウオ)の踊り食い





  踊り食い・・しかし、実はこれはシロウオです。

【産地ならではの漁師料理】
吸い物、卵とじ、酢の物、かき玉汁、刺身、フライなどの料理があり
ますが、なんと言っても、生きたものを二杯酢や、卵と醤油で、
食べる「おどり食い」は最高です。
少しかわいそうな気がしますが、あのコリコリした食感と天然の甘み
、そしてほのかな苦味のバランスが絶妙です。

しかし、踊り食いをうたっているものの、ほとんどは、シラウオでは
なく、シロウオだとか・・・・!

本物を賞味できるのは漁師さんの特権かもしれませんね~


      白魚の卵とじ


【栄養と効果・健康】
小さいですが栄養価の高い魚です。
頭、内臓もすべて食べる為、ビタミン・ミネラルを豊富に摂取でき
ます。
鉄分・リン・カルシウムが特に多く、お子さんや骨粗鬆症の方に
最適な食材です。

ビタミンでは視力低下を防ぐ、ビタミンAが多く、DHA、EPAも豊富。

注意が必要なのは、内臓も食す為、コレステロールが多いという事。
食べすぎ注意の食材ですね!












           白魚のかき揚げ













      




           白魚のにぎり寿司





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玉筋魚(イカナゴ)・小女子(コウナゴ)

2024年03月24日 05時11分21秒 | Weblog


イカナゴ(玉筋魚)・コウナゴ(小女子)



【語源】
何の子供(稚魚)であるか解らないので「いかなる魚の子なりや」
と言われたところからきたという説が有力です。
漢字では「玉筋魚(イカナゴ)」と書きます。
これは群れている様が「玉」で、姿が「筋」、群れをなす細い魚を
表しています。中国でも同じ表記。

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            イカナゴの一夜干し



別名、小女子(こうなご)、加末須古(かますご)などと呼ばれ、
『和漢三才図会』(江戸時代)には「背が青く、形がカマスに似て
いると説明され『玉筋魚』と書いて俗に「以加奈古」あるいは
「加末須古」(かますご)と呼んでいる」と記されています。
成魚では女郎人(めろうど)、古背(ふるせ)、大女子(おおなご)
などと呼ぶ地方もあります。
英名は「SandLance」~「砂槍」です。



【旬】
晩秋から冬にかけて生まれた3~4ヶ月の稚魚を新子(しんこ)と
呼び、瀬戸内海では2月末から5月頃までの、体長3cm前後が
最もうまいと言われています。
この頃獲れた鮮度のよい物を、瀬戸内の家々では「くぎ煮」と言う
佃煮にするのが、春の風物詩となっています。

北海道では3ヶ月遅れが旬ですが、イカナゴの旬は文句なく春と
いえるでしょう。
マグロ君の母も毎年、くぎ煮~作ってますよ~。


     干したイカナゴ
【うんちく】
イカナゴはスズキ目イカナゴ科に分類され、世界に約20種、日本
近海には2種が分布しています。
北海道から瀬戸内海にかけての内湾の砂泥底が住みかです。
特に多いのは播磨灘(兵庫県)、大阪湾、三陸、青森です。

体長が約3cmになるまでは、細くて透明なシラス型で浮遊生活を
送り、7~8cmになると、内湾や沿岸の砂底で底生生活に入ります。
塩分濃度や水温などの違う、二つの海水が接する潮目に群れを作り
ます。
寿命は瀬戸内海では2~3年、北海道では6年以上で、瀬戸内では
14㌢程度まで成長し、北海道では25㌢にまで成長します。

北海道の魚売場で、稀にこの大きくなったコウナゴの干物を目に
する事もありますよ~


【イカナゴ漁】
イカナゴ漁は資源保護のため、特有の規制があります。
成魚漁は産卵を終えたことを確認して1月下旬に解禁されます。
主役の当年生まれの新子(幼魚)漁は、成育状況や分布状況が調査
された上で3月頃から解禁されます。
もちろん漁獲量は厳しく制限されていますし漁期はきわめて短期間。

また、魚獲されたイカナゴを全速力で港まで運搬します。
イカナゴ漁は、時間との勝負なのです。

新子はまだ体力が備わっていないため、鮮度落ちが非常に速い魚。

釘煮を美味しく炊くための必須条件は鮮度なのです。
それも死後3時間以内に釜に入れなければ、特上の釘煮ができないと
言われるので、目の色を変えて時間と戦うのです。


     干し小女子(コウナゴ)
【ブランド・産地】
ブランド化はされていません。しかし、地域限定で春の風物詩と
されているこの魚は、ある意味ブランドと言っても良いのかも?

全国で約10万㌧の水揚があり、マグロ君の故郷、兵庫がその3割を
占めダントツの日本一です。ついで、香川、大阪、岡山と続きます。

これら、瀬戸内地域で水揚されたイカナゴの大半は「くぎ煮」で
食されます。

一方、三陸地方では、瀬戸内海の1ヶ月遅れに漁が始まり、
「女郎人(めろうど)」と呼ばれる成魚が、すくい網漁という独特の
漁法で漁獲され、刺身や干物としても食されます。
次いで4~5月にはコウナゴと呼ばれる幼魚漁が行われます。
イカナゴは、三陸に置いても春告げ魚なのですよ~。




       いかなごの吸い物
【産地ならではの漁師料理】
イカナゴの代表的料理はなんと言っても「くぎ煮」です。
瀬戸内では、各家庭特有の味付けがあり、春先、大量に作り、
親類縁者におすそ分けする風習があります。
生姜や山椒などを使い、砂糖、醤油、味醂、ザラメ等で甘辛く
煮ていきます。

もう一つは釜揚げ。獲れたてのイカナゴをたっぷりのお湯で煮上げ、
食します。ご飯にもピッタリ~。しかし、足が速いため、流通時は
これを乾燥させ、ちりめんにします。この商品はイカナゴではなく、
「小女子(コウナゴ)」の名のほうが通っているようですね。
釜揚げは、まさに産地の特権なのです。

かき揚げ、吸い物などでも美味しいですよ~


  イカナゴの釘煮(くぎに)
【くぎ煮の歴史】
昭和25年頃、兵庫県明石市の県立水産試験場で佃煮を作っていま
した。
砂糖と醤油だけの従来の製法に水飴を加え、甘味のある独自の味を
開発し、その色艶から「紅梅煮」と呼んでいました。
噂を聞きつけた近所の主婦達がそれを買いにきましたが、役所は融通
が利かず、たとえ少量でも分けるとなると、住所氏名を明らかにして
、受領の認印が必要だったそうで、苦情が殺到したそうです。


それなら、調理法を伝授して各家庭で作ってもらえば文句は出ない
だろうということになり、早速講習会を開いたそうです。

その時の指導で「手順を間違えると折れ曲がって『くぎ煮』になり
ますよ」と注意を与えたのが『くぎ煮』という名の由来です。

役所生まれの『くぎ煮』は家庭の味として広まり、現在では瀬戸内の
家々の秘伝の味となり、早春にはなくてはならない風物詩となって
います。


      イカナゴの釜茹で
【栄養と効果・健康】
極めて栄養化の高い魚です。
たんぱく質の量は豚肉に等しいですが、脂肪は少ないと言う優れ
もの。

ビタミン・ミネラルも豊富で、カルシウム・リン・鉄分を多く
含んでいます。
また、ビタミンではDが豊富。
骨を強くするカルシウム・リン・ビタミンDを兼ね備えていますので
骨粗鬆症の方、育ち盛りのお子様には最適な食材です。

その他、目に良いビタミンA、DHAやEPAも豊富に含んでいます。

但し、ナトリウムも多いので高血圧の方は注意が必要。
内臓もすべて食すので、ややコレステロールも多目です。
痛風の方は注意が必要でしょう。








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