陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

お父さんのための映画 その2

2010-06-20 | 映画──社会派・青春・恋愛
父の日記念ということで、父親が登場する映画、もしくは父親(に近い役割の男)との関係をあつかった映画をならべてみました。
去年もやった企画(お父さんのための映画(09年6月16日))のパート2です。
2009年下半期からこれまでに紹介した作品が中心です。



「生きる」
黒澤明の名作。余命いくばくもなく、息子夫婦にすら邪険に扱われる中年男。彼が人生の締めくくりに見出した生きがいとは…。日本のサラリーマンの悲哀を感じさせます。

「おくりびと」
アカデミー賞外国語映画賞受賞作。失業した音楽家が、死を扱う職務に生きがいを見出す物語。主人公が父との葛藤をのりこえるラスト。

「菊次郎の夏」
北野武監督作品。母親探しの旅に出た不良中年と少年との、ユーモラスな珍道中。
ちょい悪オヤジがお好きな方向け。

「ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌」
「オイ、鬼太郎」のあの目玉親父のアイボンシーンが忘れられなくて(笑)

「たそがれ清兵衛」
チャンバラだけが人生じゃない。育ち盛りの娘ふたりと痴呆症の老母を養うため、慎ましく生きる下級武士を描いた良作。

「花田少年史 幽霊と秘密のトンネル」
幽霊が父親…? しがないタクシー運転手の父親を毛嫌いした少年がたどった真夏のミステリー。

「晩春」
小津安二郎監督の名作ホームドラマ。父を慕うがゆえに嫁ぎそびれた娘に訪れた、遅すぎた春。

「アイ・アム・サム」
ショーン・ベンの熱演に注目。発達障害を持つ父親が、年頃を迎える娘と引き離されそうになるも、必死に繋ぎ止めようとする。その父親の娘に対する深い愛情に感化されて、周囲のあたたかい支援が彼らを包んでいく、不思議な魅力のある作品。

「赤い河」
ジョン・ウェイン主演の古典的西部劇。西部開拓時代、牧場主の男と青年との友情と憎悪を描いたドラマ。

「アポロ13」
パパは無事に宇宙から帰還したぞ。トム・ハンクス主演、1970年の月探査船アポロ13号の故障事件に絡む史実にもとづいたサイエンス・ノンフィクション。

「アラバマ物語」
法廷のパパはちょっと違う。グレゴリー・ペックが、根強い人種差別にたちむかう弁護士を演じた傑作社会派サスペンス。

「インデペンデンス・デイ」
宇宙人に襲われた地球を救うべく、パパは戦っています。ウィル・スミス主演ノメガヒットSF巨編。

「エデンの東」
パパはボクを分かってくれない。厳格な父親にうとまれながら、愛を欲して止まない若者がまねく悲劇。ジェームス・ディーン主演、エリア・カザン監督の名作青春映画。

「おしゃれ泥棒」
パリです、オードリーです、世界の恋人です。うっかり父さんのために、100万ドルをシックにおしゃれに盗みます!

「オール・アバウト・マイ・マザー」
基本的に訳ありな母親たちの物語なんですが、唯一登場する男性は、父親として最低最悪…。

「グッド・ウィル・ハンティング」
新しい旅立ちをする季節に。マッド・デイモン主演、心に傷を抱えた天才青年と、喪失感を抱えた精神科医がつむぐ友情劇。

「サイダーハウス・ルール」
孤児院で育った青年が、新しい世界へ飛び出すが…。育て親の老医師の愛情を知って大人になる感動作。

「サウンド・オブ・ミュージック」
問題児をかかえたトラップ一家の家長、風変わりな家庭教師に恋をする。「エーデルワイス」「ドレミの歌」など多くのナンバーを送り出したミュージカル映画の最高傑作。

「幸せのちから」
幼い息子をかかえて、どん底生活から這い上がろうとする父親。実話を基にしたらしいですが、資本主義に毒されすぎたアメリカンドリームという気がなきにしもあらず。

「少年の町」
身寄りのない少年たちが自治をする独立国家と、その育ての親との愛情を描いたホームドラマ。

「スパイダーマン」
冴えない青年が超人に変身して街を救う! 超人気有名アメリカンコミックの実写版シリーズ、その第一作。ウィレム・デフォー演ずる父親、憎めない悪役です。

「ディープ・インパクト」
彗星衝突で、人類存亡の危機に瀕した地球、父と娘は和解する。SFパニック映画に潜む、選民意識への批判。

「遠い空の向こうに」
ひたむきにロケット製作に挑戦する少年と、仕事一徹の頑固親父。すべての夢みるチャレンジャーに観てほしい、珠玉の青春ドラマ。

「トルネード 地球崩壊のサイン」
父と息子のあいだにも嵐が吹く。防災対策を怠った都市を襲った巨大竜巻を前に、気象学者親子の共闘と、家族関係の修復。

「ナイト ミュージアム」
夜の博物館のパパはちょっと違う?! 展示物と戦った冴えない警備員の痛快コメディ。

「ニュー・シネマ・パラダイス」
映画館こそ彼の父親でした。映画館で育った少年と老いた映画技師との交流をえがいた名作。

「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」
「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド」(前編)
「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド」(後編)
親子そろって、立派な海賊になれました。父親思いのウィルの行動が涙を誘いますね。ジョニー・デップ主演のメガヒット海賊アドベンチャーシリーズ。

「晩秋」
高齢の両親をもつ日本人にはぜひ観てほしい。老いゆく父を看取る息子、支える孫たちの深い愛情を描く感動作。

「ビッグ・フィッシュ」
夢想家すぎるパパなんて大嫌い? 現実主義の息子が父親の真実にきづくとき。

「僕の村は戦場だった」
アンドレイ・タルコフスキー監督の処女長編。家族の復讐のために屯田兵になった少年を見守る青年将校たちの愛情がいいですね。

「マイケル・コリンズ」
アイルランド共和国建国の父。民族自立のために命をかけた指導者の半生を追った伝記映画。

「息子の部屋」
愛息子をうしなった精神分析医一家の再生を、もの静かに描いた感動作。

「ライフ・イズ・ビューティフル」
命がけの嘘が幼い息子を救う! 絶望と死が迫る恐怖の檻で、ひたすら家族をまもりきった父親の物語。

「レオン」
家族を皆殺しにされた少女、殺し屋に拾われる。リュック・ベッソン監督作品、ジャン・レノ主演。ナタリー・ポートマンが愛くるしい。


欧米ですと、父の日は星条旗が掲げられるぐらい国民の祝日扱い。いっぽう、日本は母の日に比べたら寂しいですね…。


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