陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「ビッグ・フィッシュ」

2010-06-19 | 映画──ファンタジー・コメディ
「シザーハンズ」にせよ、「チャーリーとチョコレート工場」にせよ、ティム・バートンの監督作品は独特のファンタジー色があるものですが、2003年の映画「ビッグ・フィッシュ」(原題 : Big Fish)もそのひとつ。最後に嘘っぽいお伽噺が事実にすり替わっていってしまうあたりで、観る者はふしぎな感覚に取り残されてしまいます。

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自分の過去をあたかもお伽噺のように脚色して語って聞かせる父のエドワード・ブルームに、息子で現実主義者のウィルは反感を抱いていました。しかし、父が倒れたと聞いて、身重の妻とともに駆けつける。
病床の父はあいかわらず、自分の人生を奇想天外に語っている。未来を予想する魔女に最期を占ってもらったこと。森に住む巨人のこと。靴を履かない緑の芝生が美しい街のこと。ある美しい女性との出逢いと、サーカスでの修業時代。

すべてを語り終えたとき、エドワードは息を引き取ってしまうのですが、ウィルは父の語りが虚言ではなかったという証拠を見つけます。そして、父の物語を引き継いでいくウィルの姿が。
冒頭と最後にでてくる、エドワードの化身とされる大きな黒ナマズが跳ねるシーンはなかなか幻想的ですね。

主演は、若き日のエドワードにユアン・マクレガー。

原作は、ダニエル・ウォレスのベストセラー小説。
脚本は「チャーリーズ・エンジェル」シリーズのジョン・オーガスト。
タイトルの「ビッグ・フィッシュ」は、誰も信じないホラ話という意味あいだそうですが、自分の結婚式で大ボラを吹いて喝采をさらったため、ウィルが父を憎むもとになった話題。夢を信じないと川底に潜む大きな真実も釣ることができない、といった教えだったのでしょうか。最終的に、息子は魚となった父を釣るというメタファーによって、父の真実を掴みとったということなのでしょう。

製作の前年に父を亡くしたばかりのティム・バートン監督の自伝的物語ともいえる作品。父の日に観ておきたいリストに含めておきましょう。

(10年1月3日)

ビッグ・フィッシュ(2003) - goo 映画

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2 Comments

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ビックフィッシュ (ETCマンツーマン英会話)
2013-01-07 21:15:56
映画『ビックフィッシュ』見ました。「父の日に観ておきたいリスト」こういう括りも面白いですね。「母の日に見ておきたいリスト」もありですね。父より母のほうが多いような気がしますが、リストアップしてみます。面白いヒントをいただきました。
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映画の特集 (万葉樹)
2013-01-19 22:27:28
お返事がたいへん遅れてすみません(汗)。

書店や図書館では、敬老の日なんかに特集をやっていたりしますが、あれをレンタルビデオ店(すくなくともうちの地域では)では見かけたことがありません。ですので、自分のブログでやってみました。

以前は映画記事をふりかえる特集を組んでいたのですが、最近は時間がとれないのでさぼっています。

父の日に観たい映画としておすすめなのが「オーロラの彼方へ」「晩春」「遠い空の向こうに」あたりでしょうか。

手前味噌で恐縮ですが、「特選映画レヴュー」としてまとめていますので、詳しくはブログサイド左の「映画レヴュー目録」をご覧になってみてください。

コメントありがとうございました。
すてきな映画に出会えるといいですね。




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