yoosanよしなしごとを綴る

つれづれなるままにパソコンに向かいて旅日記・斜読・よしなしごとを綴る

1991簸川平野の同居家族の住み方調査=年長世代の保守性+若世代の革新性→住様式の遷移

2017年06月10日 | studywork

 金~日に長浜~竹生島~多賀大社~安土~近江八幡~三井寺~彦根を訪ねた。その間、ブログを休んだ。いつもブログはパソコンから発信している。旅のときはタブレットを持参し、フリーwifiでメイルの応答やニュースのチェックをしている。パソコンに慣れているのでタブレットではブログは書きにくい。タブレットはおよそ350g、パソコンは2.4kg、大きさも違う。どちらを持参するか悩ましいところ。

1991「簸川平野の住空間整備にみられる保守性と革新性」日本建築学会東北大会

1はじめに 

 昨年度、日本建築学会中国大会報告「通世代同居家族の住み方にみる家共同体その1・その2」で、同棟同居・同棟別居・別棟同居・別棟隠居を事例とした通世代家族の住み方を検討し、同居する通世代家族は寝室をそれぞれ独立させるが、家族空間・接客空間を共用する、家共同体の住様式を明らかとした。
 続いて、同関東支部研究報告会報告「通世代同居家族の住み方にみる私室確保と家族の共同性」で、島根県斐川町の住居を事例として、私室および寝室が1)主屋内、2)主屋とウシロ、3)主屋の1階と2階、4)主屋と別棟に確保される4タイプを示し、しかしいずれのタイプも家族室・接客室を主屋内に確保し、家族が共用する住様式を明らかとした。
 その後の考察で図1に示す、私室および寝室を主星・ウシロ・別棟のそれぞれに分散して確保し、家族室・接客室を主屋に確保して家族が共用する間取り例を捉えた。これらの住様式は、伝統的な住居形式に現代的な住み方要求である個室の独立分離が反映された結果であることを示唆する。

 そこで本稿では、住み方に反映される住志向を年代別にとらえ、住居更新の仕組みを事例的に明らかにする。
 なお、考察資料はその1と同様、16才以上を対象としたアンケートであり、年代を~24才をa1、25~44才をa2、45~64才をa3、65才以上をa4として考察した。
2 間取り・外観に対する年代別志向 
1)間取り:・・略・・、若い年代ほど新しい住み方志向をみせる。
2)新築・改築の時の意見の尊重:いずれの年代も「家族みんなの意見」を尊重・・略・・
3)外観:・・略・・ 外観は伝統的な形式の保守であるが、間取りは若い年代ほど新しい住み方志向を示す。
3 家族構成と住み方
1)家族構成:・・略・・いずれの年代も「同じ家の中で助け合いながら」が最も多く、・・略・・、若い年代に独立志向がやや多くみられる。
2)三・四世代家族が同居した場合の部屋利用:独立したい部屋は、いずれの年代も「寝室」、「勉強・仕事部屋」、「くつろぐ部屋」を、また共用したい部屋は「食事室」、「玄関」、「団らん室」を志向するが、若い年代ほど独立したい部屋を多くあげており、若い年代に個別化の傾向がみられる。
4 各部屋に対する年代別志向
1)私空間:・・略・・若い年代ほど小さい頃から専用の部屋を志向しており、プライバシー重視を示す。
2)共空間:・・略・・いずれの年代も団らんを重視する志向をみせるが、若い年代の方に機能分離志向がやや多くみられる。
3)公空間:・・略・・総じて若い年代ほど社会的な空間より、家族の空間を重視する傾向を示す・・略・・
 私空間では若い年代ほど個別化傾向を、共空間ではいずれも家族共用志向であるが、若い年代ほど機能分離を、公空間では社会性重視とともに、若い年代ほど家族重視志向傾向がみられる。

5 まとめ
 年長世代で特に顕著な伝統的な住様式の保守志向とともに、いずれの年代にも共通の個室の独立志向、家族室・接客室の共用志向、若い年代ほど顕著な小さいうちからの個室要求・部屋の機能性重視・家族室重視志向が抽出された。
 すなわち、年長世代を中心とする伝統的な居住様式の保守性に、若い世代を中心とする新しい住み方、とりわけ私室の独立志向・家族室重視の革新性が反映され、住居形式が遷移する。図1は、新しい住み方を吸収し、次の安定した住様式に向かう遷移の過程を示しているといえる。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 韓国・河回は丘の宗家を中心... | トップ | 秩父夜祭りの興奮を体感する... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

studywork」カテゴリの最新記事