yoosanよしなしごとを綴る

つれづれなるままにパソコンに向かいて旅日記・斜読・よしなしごとを綴る

塩原を歩く

2022年02月27日 | 旅行

栃木を歩く>  2021.12 塩原を歩く /佐野ラーメン もみじ谷大吊橋 七つ岩吊橋 仙人岩吊橋  

佐野ラーメン
 「心」「身」の活性化は水分、食事、日光とともに健康な暮らしに不可欠である。2021年12月早々、コロナウイルス感染対策を熟慮して、マイカーでシーズンオフの塩原温泉、那須高原に出かけた。
 所用を済ませ、12:00ごろ出発し、東北自動車道・佐野SAで昼食にする。下り線SAは改修工事中で、売店を併設したレストランは仮設だった。
 佐野ラーメンはよく聞く。もともと佐野は繊維産業が盛んで、繊維産業の主役だった婦人が昼食の時間も惜しんですぐ食べられるラーメンの出前を利用したことから、ラーメン店が増えたそうだ。佐野ラーメンは醤油ベースの縮れ麺が特徴らしい。外食でラーメンを滅多に食べないので味の違いは分からなかったが、チケットを購入するとすぐにラーメンができあがり、するすると食べ終えられる。周りを見ても回転が速い。繊維産業を担っていたのだから昼食ぐらいのんびりしたい、などと思うと上司ににらまれる、そんな時代だったのであろう。こちらもさっと食べ終え、車に戻る。

箒川もみじ谷大吊橋
 東北自動車道・西那須野塩原ICから国道400号線=通称湯の香ラインを西に走る。片側1車線で途中何度か道路整備が行われていたが車は少なくスムーズに流れ、15:00過ぎに那珂川水系の箒川に架かる「もみじ谷大吊橋」に着く。
 大吊橋は1999年に完成した全長320m、幅員1.5mの吊り橋で、多くの吊橋は補剛桁で強度を高めるのだが、もみじ谷大吊橋は横にワイヤーロープを張って強度を高める無補剛桁の珍しい構造である(写真、手前に向かってカーブしながら水平のワイヤーロープが張られている)。

 もみじ谷の名前から想像できるように、紅葉の時期は大勢が訪れるそうだが、この日は先客の2人連れ、帰りしなの2人連れに会っただけだった。チケット売り場は閉まっていて、隣の「道の駅 湯の香しおばら」の店員が代わりに午後4時閉門ですよと言いながらチケット200円を販売してくれた。
 幅1.5mの大吊橋を歩いていると、箒川をせき止めた塩原ダム湖が目に入り吸い込まれそうな気分になる(写真)。無補剛桁だが橋の左右の横に張ったワイヤーロープが効いていて、ほとんど揺れを感じない。中ほどまで歩き、塩原ダム湖、背景の山並みを遠望する。箒川を吹き抜ける風は強く、冷え込んでいる。

 大吊橋を渡った先はダム湖公園が整備されているが、柵で囲われていてダムには近づけない。塩原ダムは1979年、「洪水を防ぐ、農業用水を確保する、水量を調節する」ことを目的につくられた重力式コンクリートダム、ダム高さ60m、堤頂長さ240mなどと書かれた説明板が立っていた。見晴台からダムを遠望する。・・10月に多摩川・鳩の巣渓谷の白丸ダムを訪ね魚道を見たばかりなので、塩原ダム湖の魚道が気になったが見晴台からは確認できなかった・・。
 「恋人の聖地」と彫られた木板があり、羽を広げた鷹と羽を閉じた鷹の彫刻が見つめあっていた。陽気がよければ恋人たちが訪れるのかもしれない。
 風が冷たくなってきたので大吊橋を戻り、道の駅の店員に声をかけ、大吊橋をあとにする。

七つ岩吊橋
 箒川に沿った国道400号線=湯の香ラインを西に走る。
 塩原温泉街便利地図には、見どころとして回顧の吊橋、七つ岩吊橋、山ゆりの吊橋、紅の吊橋、留春の滝、竜化の滝、天狗岩などが紹介されている。塩原温泉はずいぶん昔に泊まったことがあり、箒川沿いの主だった見どころを散策したが、七つ岩吊橋は記憶になかったので寄ってみた。
 駐車場には修復工事中?で重機が置かれていた。七つ岩吊橋の説明板は重機に隠れていたか、見落としたらしい。吊橋は全長87mと短く、構造はシンプルである(左写真)。
 吊橋の中ほどから箒川をのぞく(右写真)。川は白波を立てて流れている。川床がでこぼこしているようだ。七つ岩といわれるほどの大岩は見つからなかったが、大小の岩がごろごろしている。川幅が狭いから、大雨では激しい流れになりそうだ。
 対岸まで渡ると林のなかに階段が設けられていたが、かなり冷えてきたので車に戻る。

 宿から遠くなるが国道400号線=湯の香ラインをさらに西に走ると、温泉街を外れた左に以前来たときに見学した鍾乳洞源三窟があった。この先は町並みが途切れるので、Uターンする。
 今日の宿であるかんぽの宿塩原をナビに入れると、国道400号線の信号で右折を案内され、県道56号線に入るとすぐに宿に着いた。
 今日はあまり歩いていない。歩数計は9000弱で足の疲れはないが、体が冷えたので温泉でたっぷり暖まる。
 和食会席で栃木県南の利き酒セット(惣誉、門外不出、四季桜、)、県北の利き酒セット(南仁沢、旭興、男の友情)をいただいた。県南、県北の大きな違いは分からなかったが、総じてさわやかな口当たりだった。

仙人岩吊橋 
 翌朝、目が覚めると窓ガラスの向こうでちらちらしている。なんと雪が降っていて、木々は雪化粧(写真)、駐車場はうっすらと積もっている。・・今シーズン2度目の雪だそうだ・・。
 チェーンは用意していない。降り続くようなら予定をキャンセルして戻ろうと思っていたら、朝食ごろには雪は止み、薄日が射し始めた。一安心する。

 宿の隣は塩原温泉ビジターセンターである(写真)。春夏秋にガイド付きのネイチャーウオークを企画しているそうで、ちょうど20名ほどのガイド研修が行われていた。
 散策プランのコーディネートもしてくれるので、1時間ほどの散策を聞いたら、前山八方ケ原線歩道が整備されているので、鹿股川に架かる仙人岩吊橋あたりまで歩いて戻るコースを勧めてくれた。
 塩原温泉ビジターセンターを出た先に「前山八方ケ原線歩道」の案内板が立っている。鹿股川は箒川の支流で上流は南の八方ヶ原になり、塩原温泉ビジターセンターを起点に鹿股川に沿って八方ヶ原・学校平まで、直線で8kmほど≒260分の遊歩道が整備されているようだ。
 ・・2020年6月、八方ヶ原を歩こうと「山の駅たかはら」を訪ねたが濃霧でウオーキングをあきらめたのを思い出した(「2020.6 栃木 八方ヶ原・黒羽・大谷寺を歩く1 八方ヶ原」参照)・・。

 林のあいだの遊歩道に雪は積もっていない。風はなく、鳥も啼いていない。ほかに人はいない。静かな遊歩道の落ち葉を踏みながら歩く(写真)。
 「下塩原矢板線」という案内板があり、仙人岩吊橋まで0.17+0.13+0.73kmと記されている。緩い起伏の林を歩いていくと、林が途切れ、足下にうっすらと雪が残り、ほどなく鹿股川が見え、仙人岩吊橋に着く(左写真)。全長60mの吊橋なので、構造は七つ岩吊橋よりもさらにシンプルである。
 2cmほど積もった雪に刻印を押すように吊橋を渡る。鹿股川も白波が立ち、大小の岩がごろごろしていて、大雨のときの流れの激しさを想像させる(右写真)。
 少し汚れているが仙人岩のいわれが説明されていた・・如葛仙人が空を飛んでいるとき山深い谷間に赤サビ色の沢を見つけ、降りてみると温泉が湧いていたので気に入り、少し離れた鹿股川の大岩をねぐらにして暮らした、その後、その大岩が仙人岩と呼ばれたが、崖崩れで仙人岩は埋まってしまった・・そうだ。
 川沿いを見渡すが仙人岩とおぼしき大岩は見当たらない。温泉の湧いている赤さび色の沢も見えない。かんぽの宿塩原の温泉は赤サビ色ではなかったから、大岩も赤サビ色の温泉も崖崩れで埋まってしまったのかもしれない。
 遊歩道を戻る。結局誰とも出会わなかった。 (2022.2)

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国営昭和記念公園を歩く

2022年02月21日 | 旅行

日本の旅・東京を歩く>  2021.10 国営昭和記念公園を歩く

 国営昭和記念公園はよくテレビで取り上げられるがまだ訪ねたことはない。
 もともとは立川市と昭島市にまたがるアメリカ軍立川基地で、跡地のうち180haが「緑の回復と人間性の向上」をテーマとした記念公園として整備されたそうだ。
 L字形の敷地は、南北2000m、東西1400mに及び、広大である(図web転載、L字形の一部省略、青点線がウオーキング足跡)。
 園内には原っぱ、丘、池、プール、広場、日本庭園が配置され、四季折々の花が栽培されている。これだけ広ければコロナ感染のリスクも少ない。人出が少なそうな紅葉、黄葉には少し早いころ、ウオーキングに出かけた。

 入口は5カ所あるが、圏央道青梅ICからのアクセスのいい砂川口駐車場を目指した(図右上)。
430台ほど駐車できる砂川口駐車場は予想通り空いていた。
 シルバー入園料は210円で、都立庭園のシルバー入園料の70円、150円に比べ少し高い。駐車料金も840円で少し高めである。料金は満足度に比例するから、少々割高でも楽しめれば不満にならない、と思う。・・一回りして、雰囲気のいいカフェ、レストランがなかったことが惜しまれた・・。

 砂川駐車場も砂川ゲートにも近くに人はいなかったが、マスクを着用し、手指を消毒する。
 砂川ゲートのすぐ南の「こもれびの池」を見ながら南に歩くと、「花の丘」に着く(砂川ゲートから500mぐらい)。訪ねた時期はコスモスが見ごろで、コスモスMAPがつくられている。
 花の丘北に「あかつき」「日の丸」という名前のコスモス50万本、花の丘に「レモンブライト」400万本が咲いている(写真)。コスモスの花びらは小さく、丘は広々としているので、一面が色づいているが風景としては穏やかである。
 「レモンブライト」のなかを抜け、「こもれびの里」に下る。「里の農家」が建っていたが、閉まっているようだ。

 そのまま南に歩く。右=西は見通せないほど広い「みんなの原っぱ」になる(写真)。家族連れ、グループが走り回ったり、ゲームをしたり、楽しんでいるが、原っぱが広いので閑散に見える。
 少し先の「はらっぱ東花畑」には「センセーション」20万本が咲いている(写真、砂川ゲートから900mぐらい)。花の丘のレモンブライトと同じようにコスモスの花が小さいので、風景としては静かである。

 13:00ごろなので、「はらっぱ東花畑」南外れの「原っぱ中央売店」をのぞいた。唐揚げ、焼きそば、うどん、ラーメンなどの屋台風の店が並んでいた。
 「みんなの原っぱ」を南西に横断し「原っぱ南売店」をのぞいたが、原っぱ中央売店同じような店だったので、焼きそばと唐揚げを購入し、アルミ製のイステーブルで食べた(写真、砂川ゲートから1300mぐらい)。
 雰囲気のいいレストランかカフェで、広々とした風景を眺めながら、腕によりをかけた料理を食べたかった。「緑の回復と人間性の向上」をテーマにした国営の公園なのだから、食事、休憩も楽しめるような工夫を期待したい。

 「みんなの原っぱ」の南に「水鳥の池」がつくられている(写真は眺めのテラスから、砂川ゲートから1700mぐらい)。水鳥の池は東西、南北350mほどもあり、ボート遊びもできる。
 水鳥の池の南に西立川ゲートがあり、すぐ先がJR西立川駅のようだ。駅に近いためか、人出が多い。
 このあたりが公園の南端になるので、水鳥の池をぐるりと回り、北に向かう。夏期のみ営業のレインボープールに続いて、バーベキューガーデンがあるが、コロナ渦のためかバーベキューを楽しんでいる人はいなかった。

 みんなの原っぱの西側の遊歩道を北に歩いて行くと、左=西は「こどもの森」になる(写真、砂川ゲートから3000mぐらい)。近くに木工房、森の家、霧の家、空のすべり台、ドラゴンの砂山といった子どもが楽しめる施設,遊具が設けられている。コロナ渦の平日なので、子どもは少なかった。

 「こどもの森」を過ぎて間もなく、右=東に「日本庭園」がある。池泉回遊式の庭園で(写真、砂川ゲートから3300mぐらい)、入ってすぐに歓楓亭と名づけられた茶室が建っているが、貸し切りのようだ。
 池を巡り、四阿に腰掛けて一休みする。

 「日本庭園」を出て北に歩き、「こもれびの丘」を抜けると先ほど歩いた「花の丘」である。「花の丘」の西側の遊歩道を北に歩いて砂川ゲートに戻った。砂川ゲートを出発しておよそ4200mを歩いたようだ。
 ウオーキング・ランニングコースMAPによれば、おおむね「広場のコース3900m」を歩いたようだ。比較的平坦+緩やかな傾斜の遊歩道だった。ほかにアップダウンが組み込まれた「森のコース5600m」や、初心者向けの「水のコース2500m」のモデルコースが図解されていた。
 ウオーキングが目的だから緑のなかを4200mを歩いて目的を達成したが、余録として雰囲気のいいレストランで一工夫した料理を味わい、眺めのいいカフェでコーヒータイムを楽しみたかった。付加価値が高ければ入園料、駐車料金が少々高くても満足し、リピートしたくなるのではないだろうか。  (2022.2)

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2022.2 e-Tax送信

2022年02月19日 | よしなしごと

2022.2 e-Tax順調に送信

 今年も例年通り1月中旬、国税庁からe-Taxによる国税電子申告のメイルが届いた。1年に1回だけの作業だから細かなところは思い出せないが、もう10年以上e-Taxで確定申告を済ませているので手順に不安はない。

① 事前準備 確定申告受付が始まった2月中旬、2021年分の公的年金や雑所得などの源泉徴収票、社会保険料や生命保険料の控除通知、医療費控除用の領収書類を整理
(日ごろ、医療費領収書や年末に届く源泉徴収書などを種類別に分類し、保管しておく)

② マイナンバーカードとICカードリーダライタをノートパソコン横に用意する

③ Microsoft Edgeで国税庁 確定申告書等作成コーナーを開き、「作成開始」をクリック
→「マイナンバーカード(ICカードリーダライタ)」をクリック
→「事前準備セットアップ」をクリック
 
④ 利用環境確認で「chroma拡張機能インストール」が要求された→昨年もchroma拡張機能をが要求され「chromaに追加」操作をしたが、今春、ノートパソコンを買い換えたため、あらたにchromaに追加が必要のようだ
→「拡張機能インストール」をクリック
→「e-TaxAP」画面で右上の「chromaに追加」をクリック

⑤ すべて正常を確認し、閉じるをクリックすると、事前セットアップ画面に移る
→「事前準備セットアップファイルのダウンロード」をクリック→「jizen_setup」がインストールされる

⑥ 「利用規約に同意して次へ」をクリック
→「検索完了画面」で「OK」を選び、「申告書等を作成する」をクリックする

⑦ Sony・PaSoRiの「ICカードリーダライター」をパソコンに接続し、「マイナンバーカードの読み取りへ」をクリック
→マイナンバカードの「利用者証明用電子証明書のパスワード」を入力
続いてe-Tax用「利用者識別番号」と「パスワード」を入力し、ログインをクリック

⑧ 「作成開始」をクリック→「新規作成」をクリック
→ 「令和3年分の申告書等の作成」をクリック
→「所得税」をクリック
→次の画面で「マイナポータルと連携しない」をクリック

⑨ 「収入金額・所得金額入力」画面で、公的年金、雑を選び、源泉徴収書などを見ながら入力し、「入力終了(次へ)」をクリック

⑩ 「所得控除入力」画面で、社会保険料控除、生命保険料控除を記入

⑪ 医療費控除をクリックし→次の画面で「医療費控除を適用する」をクリック→次の画面で「医療費集計フォームを読み込んで、明細書を作成する」を選ぶ
→前年度の医療費集計フォームを利用して金額等を修正し、医療費控除の記入を終え→「入力終了(次へ)」をクリック

⑫ 次の画面の「税額控除・その他の項目」は該当しないので「入力終了(次へ)」をクリック
→「計算結果」の画面になり、「納付する(還付される)金額」が表示される
→これで2021年分の申告票作成は終了

⑬ 納付・還付金額を確認し、「次へ」をクリック
→住民税等入力画面に移り、そのまま「入力終了(次へ)」をクリック
→次の画面で銀行口座、氏名・住所等、税務署を確認し「次へ進む」をクリック
→次の画面でマイナンバーを入力し「次へ進む」をクリック
→申告内容確認画面で「帳票表示・印刷」をクリックして、送信前の申告内容確認票を印刷し、確認する

⑭ 申告内容確認画面の「次へ進む」をクリック
→送信準備画面で「次へ進む」をクリック
→「マイナンバーカード読み取り」をクリック→「署名用電子証明書パスワード」を入力し、クリック

⑮ 「利用者証明用電子証明書パスワード」を入力→「送信する」をクリックして、無事送信が完了した

 今年は事前準備を含めて作成開始から送信まで1時間ほどで終えた・・実際には送信前の申告内容確認票を印刷したあとコーヒータイムを取ったので、1時間半ほどで送信を終えた。
 「確定申告書等作成コーナー」のトップ画面に戻り、右の「メッセージボックスの確認」蘭の「確認する」をクリックし、「ログイン」して、送信した申告票が着信されていることを確認する。
 納税義務を果たし、晩酌にはキリンホームタップをいただいた。 (2022.2)

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鳩の巣渓谷を歩く

2022年02月15日 | 旅行

日本の旅・東京を歩く>  鳩の巣渓谷を歩く 2021.10 白丸ダム・魚道 鳩の巣渓谷

 2020年11月にかんぽの宿青梅に泊まり、多摩川上流の小河内貯水池=奥多摩湖、武蔵御嶽神社、御岳渓谷を歩いた。そのとき参考にした観光案内、観光マップに白丸ダム・魚道、鳩の巣渓谷が紹介されていた。
 白丸ダムに設けられた魚が遡上するための魚道は日本最大級で、土日や夏休みなどに公開されるそうだ。2022年10月の土曜、白丸ダムを目指した(図web転載加工)。

白丸ダム・魚道
 ナビに白丸ダムを入れ、多摩川に沿った国道411号線=青梅街道を上る。青梅線鳩の巣駅を過ぎて間もなく、青梅街道はトンネルを抜ける。このトンネルの南が白丸ダムで、トンネルの両端の出入り口から脇道に曲がれば白丸ダム魚道管理棟に着く(写真)。
 駐車場は20台ほど止められるが魚道見学は人気のようで、すでに満車に近かった。子ども連れの家族や若者のグループが多い。
 魚道管理棟が魚道の入り口になる。笑顔で迎えてくれたスタッフは、魚道見学、渓谷散策、グルメなど、見学者の質問に丁寧に答えていた。管理棟の横に立てられた魚道の解説板を読む。子どもでもわかりやすいように描かれている。管理棟に置かれたパンフレットも読む。
 多摩川にはヤマメ、アユ、ニジマス、ウグイ、ヨシノボリ、イワナなど100種類以上の回遊魚が、川を上り下りしながら生育している・・川で産卵し海で育つ種類が遡河回遊魚、海で産卵し川で育つ種類が降下回遊魚、川で産卵し海で育ち、川に戻って成長して産卵する種類が両側回遊魚に分けられるらしい・・。
 川に堰=ダムをつくるときは、回遊魚が上り下りできるよう魚道を設ける。多摩川の白丸ダムは東京湾河口から79kmあり、途中の堰や川床整備などにも魚道が設けられている。
 1963年完成の白丸ダムは高さが30.3mである。白丸ダム魚道の完成は2002年だから、そのあいだ回遊魚は遡上・降下ができず生息数が大きく減少したのではないだろうか。魚道は、高さ27m、幅2m、長さ331.8m、勾配1/10でつくられ、ヤマメ、サクラマス、アユなどの遡上・降下が確認されているそうだ。

 魚道見学は無料なのでスタッフに挨拶し、らせん階段を降りる(左写真)。下をのぞくとかなり深い。多摩川渓谷の岩盤に掘られたようだ。ぐるりぐるりと階段を降りていくと少しずつ冷気が増していく気がする。
 らせん階段を降りきって見上げると、装飾のない機能優先の構築物ながら造形美を感じる(前頁右写真)。らせんの造形は人を引きつける力を秘めているようだ。
 らせん階段を降りた先はトンネルになっていて、魚道を水が流れている(写真)。見学者は、魚道の横の幅が一人分ていどの通路を歩きながら魚道をのぞく。たぶん管理用に設置された通路を見学者に公開しているのであろう。
 魚道は幅2mで、真ん中にコンクリートの凹形衝立が並び、衝立の両側を水が流れている。衝立が魚の休み場、溜まり場、隠れ場のようだ。通路からのぞき込むが水の流れが勢いよく、凹み形衝立の水面も渦巻いていて、魚らしきものは見えない。
 魚道を下った先の突き当たりの開口から外をのぞくと外部に続く魚道が見えるが、外には出られない。下流側の魚道見学はここまでになる。

 突き当たりからUターンして戻り、上流側のトンネルを歩く。こちらの魚道はコンクリートの仕切り板で区分されていて(写真web転載)、水は仕切り板下の左右に開けられた穴を流れていく。底面を水が流れているため水面は波立たないので、小さな魚を見つけやすい。
 魚道の魚を横から観察できるように側面にガラスがはめ込まれているが、汚れ?で真っ黒になっていて何も見えなかった。

 上流側のトンネルの先が出口になり、魚道見学が終わる。
 出口の右手は白丸ダム調整池=白丸湖である。エメラルドグリーン=青緑色の湖面を見ながら外階段を上り、展望台から白丸ダムを見下ろす(写真web転載)
 白丸ダムは1963年に完成した重力式コンクリートダムで、高さ30.3m、堤頂長さ61m、流域面積134㎢、総貯水容量892,900㎥である。小河内ダム(高さ158m、堤頂長さ353m、流域面積425㎢、総貯水容量189,100,000㎥)に比べはるかに小さいが、発電は16,400kwで小河内ダムの19,000kwに引けをとらない。

 白丸ダム堤頂から多摩川を見下ろすと、明かり水路部と呼ばれる崖斜面に設けられた魚道が見える(写真)。水+魚は、先ほど見学した凹形衝立の魚道から外に流れ、斜面を下って写真上部の魚道に続き、崖に設けられた魚道を手前に向かって流れ、多摩川に流入する。遡上する魚は、多摩川から明かり水路の魚道を上り、写真上部の魚道を左に上り、凹型衝立の魚道、続いて仕切り板の魚道を上って白丸ダム調整池に入り、さらに多摩川を上ることになる。
 魚道の仕組みは理解できたが、東京湾から、その間にもいくつもの堰、川床整備で設けられた魚道を上り、79kmも泳いで白丸ダムにたどり着き、さらに高さ27m、長さ331.8m、勾配1/10の魚道を遡上して多摩川上流に向かう魚の生命力のすさまじさは理解の限界を超えてしまう。
 魚を食べるとき、遡上降下して成長する魚の生命に感謝しなければならないと改めて思った。

鳩の巣渓谷
 白丸ダムの堤頂を渡って多摩川の南側に向かい、階段を上ると多摩川上流の数馬峡に向かう遊歩道と下流の鳩の巣渓谷を歩く遊歩道が整備されている・・数馬峡遊歩道は通行止めだった・・。
 鳩の巣渓谷を歩き出す。しばらくは林が続く(写真)。鳩の巣散策まっぷには森林セラピーロードと書かれている。森林浴をしながら歩いていると、四阿、ベンチのある展望広場に出る。鳩の巣渓谷の紅葉は見応えがあり、ウオーキング、トレッキングの人が多く訪れるそうだが、いまはシーズンではないのでほかに人はいない。まだ息は切れないが、渓谷を眺めながら一息する。

 遊歩道は粗い石を積んだ石段に変わり、下ると多摩川がぐっと近づく。渓谷は岩盤がむき出していて、川には大きな岩がごろごろしている(写真)。谷の深さ、むき出した岩盤、大きな岩から、大雨による流れの激しさを想像させる。川辺に降りられなくはないが、岩だらけで足場は悪い。
 荒々しい渓谷を眺めながら歩いて行くと鳩の巣小橋と名づけられた吊り橋が見えた(写真)。白丸ダム堤頂から30分ほどの道のりだった。

 鳩の巣小橋から多摩川を眺める(次頁写真)。深い渓谷に多摩川が白波を立てて流れている。魚の生態に疎いが、小魚が流れに逆らって泳ぎ、疲れたら岩の陰で休む、と想像すると、中島みゆきの「・・ファイト! 闘う君の唄を 闘わない奴等が笑うだろう ファイト!  冷たい水の中を ふるえながらのぼってゆけ 暗い水の流れに打たれながら 魚たちのぼってゆく・・」が思い出された。小魚にファイトと声をかけたくなる。

 鳩の巣小橋を渡った先に、鳩ノ巣散策まっぷや奥多摩グルメマップにも紹介されている木造2階建てのカフェ「ぽっぽ」がある。窓側の席が空いていたので、一休みにした。まだ11:30なのでコーヒーだけにしたが、奥のグループはおいしそうに手作りケーキを食べていた。
 一休み後、同じ遊歩道を戻る。およそ30分で白丸ダム管理棟に着く。往復60分のウオーキング+コーヒー休憩なので疲れは感じない。昼時なので、国道411号線=青梅街道を下り、多摩川に面したそば屋で鴨せいろそばを食べ、帰路についた。
 帰宅後の歩数計は11,200、ウオーキングとしては物足りないが、魚道を学んだ。食事では、食べる小魚は毎朝、チリメンは朝夕欠かさない。魚道を上る小さな魚にファイトのエールを送りながら、夕食のチリメン料理を食べ、ビールを傾けた。 (2022.2)

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2015.8 ツヴィリングの包丁

2022年02月10日 | 旅行

ドイツの旅>  木屋の包丁からツヴィリングの包丁へ  (再録) 

 2015年5月に北ドイツツアーに参加した。旅の終盤、ドレスデンで半日の自由行動があったので、デパートでツヴィリングの包丁を買った。

 これまで我が家では木屋の包丁を使ってきた(写真上)。もう20年以上、30年近く使っている。昔は砥石があったので自己流で研いでいたが、引っ越しのとき見失った。
 砥石を買おうと調べていたら、ロールシャプナーというのがけっこう使い勝手がいいと紹介されていた。さほど高くないのでK社の日本製ロールシャープナーを購入した。確かに切れ味が良くなった。まだまだ木屋の包丁が使える、と思っていたが、さすが長年使い込んだせいか、包丁の根本の木柄が少し欠けてきた。
 25年使ったとして、その当時の値段は覚えていないが、仮に1万円とすると、1万円÷25年÷365日=1日1円程度にしかならない。いずれ買い換えるなら善は急げ、ならぬ新は急げ。

 木屋で新しい包丁を探すか、燕三条もよさそうだと思案していたときにドイツ旅行となった。ドイツにはツヴィリング・ヘンケルスがある。ということで、ドレスデンのデパートに出かけた。
 会社はツヴィリング・J.A.・ヘンケルスと呼ばれ、ゾーリンゲンの町が発祥である。ゾーリンゲンは、中世のころには刃物の町として知られていたそうだ。
 ツヴィリングはドイツ語で双子の意味である。包丁には大きく分けて2種類あり、双子マークの付いたツヴィリングと1人マークのヘンケルスに分かれる。双子マークの方がプレミアム性を高め、ヘンケルスの方は比べてリーズナブルだそうだ。

 売り場にはツヴィリング・ヘンケルス以外の刃物メーカもたくさん商品を並べていたが、包丁は使ってみないと良さが分からないから、よく名前の知っているツヴィリング・ヘンケルスのコーナーを見て回った。
 店員はドイツ語で一生懸命説明してくれる。ドイツ語は挨拶ていどしか分からないから、身振り手振りとなった。いくつかの包丁を出してくれたので、まな板風の下敷きの上で切るまねごとをした。

 ずっしりと重い。柔らかいものなら包丁をのせるだけで切れそうである。木屋の包丁が18cmぐらいだったので、ほぼ同じ長さのツヴィリングを選んだ。木柄のデザインがいい。にぎった手の形にデザインされている。
 いまやツヴィリング・ヘンケルスは世界各地で生産されていて、made in Japanもあるそうだから、made in Germanyを確認して購入した(写真下)。値はちょっと張った。といっても、毎日朝昼晩に使うだろうから、少々値が張っても旅の思い出になり、切れ味を楽しめれば割安であろう。
 ついでながら、25年使うとすると・・こちらの身が持ちそうにない・・、1日2-3円である。
 以来、ツヴィリングをメインに使い、ときおり木屋も使って、食事を楽しんでいる。
 木屋の包丁、長いあいだご苦労様でした。

追記)木屋の包丁はその後、柄の部分の腐食が進み、ついにはずれてしまった。銀座に出かけたとき木屋に寄って柄の部分だけ取り替えられるか聞いたら、できなくないが新品の方が安いとのことだった。木屋の包丁に長年のご苦労を感謝し、処分した。    (2015.8+2022.2)

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