玄冬時代

日常の中で思いつくことを気の向くままに書いてみました。

一冊の薄い本

2024-01-21 12:01:26 | 

先日、僅か63ページの本を買って、読み終えた。途中から妙にかしこまってしまった。

理由は私が生まれる前に出版されていたからである。戦後の紙の無いなかで、紙質も悪いだろうが、よくここまで残っていたものである。

終戦後ほぼ一年後の8月1日発行されている。定価三円五十銭、ただ、出遭えたことに感謝する。本の外形からして「終戦の表情」であった。

終戦後、鈴木貫太郎の家は放火によって燃やされたと聞いている。親類縁者を転々と逃げて、やっと一年経って、この本を出版したのであろう。そう思うと、この薄い本は、重いものに思えてくる。

 

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