玄冬時代

日常の中で思いつくことを気の向くままに書いてみました。

近現代史の裏側⑸ ―皇族の二人の総長―

2023-11-06 09:33:04 | 近現代史

閑院宮は陸軍の政治的軍人ら操られていたのではないか。

畑陸相に辞任をさせるのに与して、米内内閣を潰しに利用されたのではないか。

「畑俊六日記」によれば、閑院宮戴仁総長の捺印のある「陸軍大臣への要望」の文書をつきつけられた。「総長宮殿下の捺印あるものなり。…当然進退を明かにせざるべからざることとなれり」とのことである。【大江志乃夫『御前会議』中公新書ヨリ】

『昭和天皇独白録』では、皇族の両総長の交迭は、一つは「ロボット」になった傾向という理由は、閑院宮を指しているのであろう。そして、伏見宮は病気になられたので、その機会に替わっていただいた。―と記されている。

随分と気の廻された表現である。どうも昭和天皇にとって伏見宮は扱いづらいに人物なのだろう。

「海軍の要求を容れて、伏見宮に軍令部総長―――」と切れてしまっている。

海軍の要求とは、加藤寛治大将と東郷平八郎元帥が熱心に主張し実現したそうである。【野村実『天皇・伏見宮と日本海軍』文芸春秋ヨリ】(次回へ)

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