玄冬時代

日常の中で思いつくことを気の向くままに書いてみました。

歴史の史料か、政治の道具か

2019-09-02 11:01:07 | 歴史

この圀は、条件さえ合えば、また繰り返される。改元があった、そして八月十五日を迎えた。この条件で、何かが出現する。今回はNHKからだった。通常は全マスコミとか、文芸春秋あたりからなのだが。

初代宮内庁長官の田島道治氏の「天皇拝謁録」なるものが御用放送のNHKから出てきた。歴史史料の新発見ではないだろう。多分前から在ったのだが、改元を機会に出してきた。

ただ気になるのは、「昭和天皇も憲法改正を望んでいた。特に軍備で、・・・」というフレーズだ。これだけが、御用放送として言いたかったことなのではないか。

今回は作為的な気がしている。前回の平成への改元の時には、『昭和天皇独白録』なるものが突然アメリカからもたらされた。長い間封じ込められていた史料が、天皇の崩御を機に、アメリカ人の物だったから世に出れた、というドラマ性があった。

今度の「拝謁記」は、ちょっときな臭い気がしている。最初から天皇の言葉を利用して、恰も改憲する方向という意図が丸見えである。今後、「天皇独白録」のように近現代史の珠玉の史料と成りえるのだろうか。それとも政治の道具にされるのか?

横浜、野毛の町から

コメント
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