G20が近付いて、準備通貨の変更、バスケット制、などという言葉が久しぶりに飛び交っている。国連筋、ロシアに続いて、中国銀行の当局者もドルに代わる基軸通貨が必要で、それはSDRを拡張すべきだという発言をしているようだ。中国は、米国債を買い支えると言ったり、はっきりしないが、これが中国流のやり方なのだろう。あちこちで観測気球を打ち上げているものと見られる。中国銀行のサイトにSDR拡張案の原文(英文・ここではGoogle翻訳による日本語訳)があるので参照されたい。
さて、その中国銀行当局者が触れているのが、IMFのSDR(特別引出権)だ。これは一種のバスケット制通貨のようなものだが、通貨そのものではなく、資金をIMFから引き出すことのできる権利として定義されている。実際にはあまり使われておらずいわばお蔵入りの状態だ。しかし、これを拡張すれば、バスケット通貨に成りうるものであり、現在、ひとつの議論の焦点になっている。
現在のSDRは、ドル・ユーロ・ポンド・円のバスケットで値が決められており、その値は、現在1米ドル=0.66SDR、1SDR=1.51米ドルだ。値はいつも、このIMFのサイトで見られる。計算方法は、このサイトの表にあるそれぞれの通貨の基準値をドルに換算し、その合計額が1SDRの値となるということで、バスケットとなっている。したがって、現時点ではきわめてドルの影響力が大きい値となっているので、このままでは使えないだろう。
しかし、バスケットによるバーチャルな通貨というものがどういうものであるかをかいま見る材料にはなる。今後注意してみてゆきたいものである。
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原油や金価格は大幅に下がるでしょうか?
いらっしゃい。資源株売買制限ですか。それはまだつかんでいませんでした。インフレ対策でしょうね。どの程度の実効性があるかによって大きく違ってくると思います。詳しく調査してみたいと思います。ご教示ありがとうございます。
次の記事がそれに当たるんじゃないでしょうか。
あまり大きく扱われていませんが、重要なものかもしれません。さらに続報を見てみます。
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090325AT2M2501825032009.html