為替の予測はちょっといろいろ考える必要がありそうなので、明日に回して、数日前の鳩山外交問題についての続きである。
オバマの来日、その前の岡田・ヒラリー会談を前に、朝日新聞がヒートアップしてきた。今日の朝刊の「会談目前 きしむ日米関係」という2面大見出しの記事からちょっと抜き出してみよう。記事の署名は、伊藤宏=ワシントン、村松真次、内田晃とある。曰く、
「米側は「鳩山政権の誰と話せばまとまるのか分からない。彼ら自身も、分かっていない」と、困惑するばかりだ。」
「米側は忍耐を失いつつある。「同盟にとって、非常に危険な兆候」(元米政府高官)と見る向きさえある。」
「外務省幹部も言う。「ここ1,2ヶ月が勝負。失敗すれば、「民主党政権とはなにをやってもだめ」という米側の評価が定着する。」」
「(首相が)戦略の全体像を示さないまま「本音」が折々にのぞくことで、日米関係に影が差しているのが実情だ。」
そして、最後に記事はこう結ばれている。
「首相は「オバマ氏は分かってくれる」と個人的な信頼関係で当面の日米関係を乗り切ることができるとの自信も持っているようだ。(中略)ただ、米政府当局者には、こんな突き放した見方もある。「信頼関係は、鳩山首相の片思いではないか。」」
記事の様子はまるでアメリカの新聞であるが、全体に「米側」の見方を伝えようとしていることは明らかだ。首相の対米独立的姿勢を評価する部分のかけらも見られないのはまったく極端なことである。どちらかと言えば左翼的とも見られる朝日新聞だが、中枢部は対米従属で貫かれているというのが私の解釈であるが、したがってこれらは米国からの「警告」であると見ているのである。それはともかく、このような米国側からの間接的なメッセージに対し、鳩山氏にいっさいのブレはないようだ。かれの「友愛」の信念は祖父の一郎氏以来のもので、一朝一夕にできたものではない。また、ついでに言えば、対米従属からの独立は小沢一郎氏の年来の主張でもある。おそらくオバマ訪日時にも普天間問題は片付かず、今後さらに大きな問題になると予測している。
こんな調子で、このまま民主党政権が続くと、いろいろな点で、対米関係は今までのようにはいかないことが予測される。為替についていえば、近年の日本の為替政策は一言でいって、隠れドルペッグであった。ドル円を110円前後のレンジに押さえることで輸出を安定させ、そのお金で米国債を買って米国に還流させるという方針が日米共同で定められてきていたと思う。たぶん、鳩山政権では、このやり方にも変更が加えられるはずだ。郵政民営化中止はもちろんそのための布石である。こうなると、今後、自然に、数年の間の円高期に移行していく可能性がますます高くなったと考えられるのである。
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いつも参考にしています。
NYダウですが壮絶に下げると思いきや何とプラスで引けるとは。
バブルとはこのような事を言うのですかね。
あれになってからリベラル色から転向した感じです。
株価の方が米国金融の本音です。まだ行けるということです。
とりごんさん、
おっしゃるとおりですね。船橋氏はアメリカのエージェントでしょう。この記事の著者の伊藤宏記者もネットで検索してみると、米国での情報入手元として、外交問題評議会(CFR)のメンバーと極めて密接な関係を持っていることがわかります。だから、船橋氏の傘下の人だと推測できます。
この記事(作文?)、一笑に伏せないのが現実なんですよね。^^
FXをなさってる皆さんでも、そうでは無いかと疑ってる方もおられるのでは?
わかり易くて本当にタメになるblogをありがとうございます。
副島隆彦さんの本を読んだ限りでは、船橋氏はとりごんさんの書かれているとおりで、フジサンケイは当然ポチ、ナベツネもキッシンジャー系エージェント、とかみたいですね。
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/2737526.html
台湾、沖縄、そして日本を中国の属国にしてチベット、ウイグルのように支配する。それが平和ボケ鳩の言うアジア共同体の真の姿。
ここのリンクにある新世紀ビッグブラザーの三橋貴明の論が日本を守ると考えます。
この意見にはどうも同感できません。というのは、最近の米国のマネタリーベース増加のための「紙幣」はほとんどが銀行に対してオンラインで発行されているらしいからです。つまり、実際に印刷している紙幣はあまり多くないらしい。
PRACさん
副島氏の意見には誇張された部分もあるように思いますが、朝日の現在の状況については当たっていると思います。
takkunさん、
これはおもしろいサイトですね。なかなか参考になります。どうもありがとうございます。
キアーフさん、
結果的にそうなりはしないかとちょっと心配になります。私も三橋氏の意見には同感することがあります。上手にバランスをとって欲しいものです。
しかし、テレビ番組などでは、米軍出て行けのような過激な主張が同感を得ているという記事もあります。(下記)
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/65c5ea3e6e30081973a85d969cbeb1e8
従来の与党・野党の枠組みが崩れた今となっては、今後、マスコミも入り乱れて、従来より複雑な意見形成がされていくでしょう。
朝日新聞は、米国系。
読売新聞は、腐れきった自民系なんですね。。。
明日から、新聞は止めることにします。
私は、朝日新聞のファンでしたが・・・
まあ社内にはいろんな立場もあるようですので、じっくりとお考えください。ただ、私も、近いうちに紙の新聞購読は止めるつもりです。新聞の古紙回収などいろいろ面倒に思うので。日経が電子新聞をはじめるそうなのでそれに期待しています。