さてLEAP/E2020の41号を見終わったのでだいたいのところの要約を書いておきたい。今回は超力作であって、シンクタンクのリーダーのフランク・ビアンチェリが近く出版する本の一部を使ったということで、内容は近年に無く濃い。急激な世界経済崩壊の予測があたらなかったため、このところ若干精彩を欠いていたが今回は盛り返したかのようだ。内容は大きく三つに分かれる。ひとつは2010年から2020年にかけての十年間の世界経済予測を年ごとに述べる。次は、2010年のおおよその傾向、そして最後に、金がドルにKO勝ちするということについて述べる。全体として、以前の世界経済崩壊予測を10年バージョンにしてさらに過激にしたような形で、「悲劇的黄昏」と命名するだけあってきわめてペシミスティックな予測となっている。長いので、まずは、このエントリーでは、十年予測の部分について紹介したい。
1 今後十年の予測(多岐に渡るので、目についたほんの一部の記事タイトルのみを摘記する。詳しくは有料版を購読していただきたい。)
2010年…世界経済全体の停滞、中国・日本等の米国債購入の低減、世界的失業率の増加、英国のIMFよりの借入
2011年…世界的なさらなるGDPの低下、米国の失業率20パーセント越え、英国で公的年金の5割カット、ドルが他通貨より20パーセント減価
2012年…保護貿易と貿易のブロック化進行、米国金融機関の破産を救うため新たな救済資金投入、GMが再度倒産、米ドルがさらに15パーセント減価、英ポンドが50パーセント減価、
2013年…南米諸国の経済協力共通通貨へ、米国のインフレが年20パーセントに、ユーロが元・ブラジルレアル・豪ドルに対して20パーセント減価、各国が米国に預けてある金地金の返還を申し出るが拒絶される、金が1オンス3000ドルに
2014年…米国のGDPが2008年比で30パーセントダウン、元・円統合通貨発表、ドルのさらなる減価
2015年…中国の元の貿易通貨としての機能増加、米ドルの10分の1への切り下げ発表、英国のユーロ圏への参加希望、原油価格の金による表示開始、金価格のユーロおよびアジア共通通貨での表示開始
2016年…アフリカからの飢餓難民の欧州への大量流入、世界貿易の2008年レベルからの半減、中国の内部民族闘争の増加による非常事態宣言
2017年…中東における国境紛争の増大、原油価格がさらに2倍に、アジア共同体の正式発足
2018年…アメリカの太平洋岸における元の利用の増加、ユーロとルーブルの1体1交換協定、メキシコの国家崩壊状態、米国の治安悪化、
2019年…世界経済の悪化により世界の5割の航空会社が破産、アメリカの私立大学の国有化、米国の平均余命の2009年レベルより5年減少
2020年…次の十年の開始、1930年代以来最悪の時代の到来。
以上が十年予測である。読んでいて頭痛がしてくる悲観的予想であるが、この予測の基調は、最初に書いたように、昨年3月の5年分予測とほぼ同じである。あたって欲しくない予想ではあるが、最悪を予測すればこういう見方もあるということで理解していただきたい。全体についてはいろいろ異論もあるだろうが、個別の要素ごとに考えていきたいと思っている。
なお、有料版の購読申し込みはここである。また、無料版のURLはここである。無料版では、金価格の動向の部分だけが摘記してある。
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遅くなりましたが、今年もよろしくお願いします。
年末から今までは多忙により、なかなか追いつかず、
昨日あたりからやっと頭が回転する?ようになりました。(相場観は未だ戻っておりません。。。)
さて、LEAP/E2020の41号の翻訳有難うございます。
また昨年の3/17の記事、よく覚えております。
そのころから、このシンクタンクの記事はファイルするようになりました。
40号では2009年の予測評価は総合評価で72%と言っているのが面白いですね。(72%ってどうやってはじき出すのか?)
まあ、7割方は当たってますからね。
では、では。
翻訳開示有難うございます。
>2014年…元・円統合通貨発表、ドルのさらなる減価
正直笑ってしまいました。
ドル・円統合ならあるかなと思っていたのですが、
人民元と統合ですか・・・
民主政権が続くということでしょうかね。
というか、ドル下落を米経済的危機の表れと見做す辺り、昨今のウォン暴落時に韓国経済終末論を唱えていた人と同じレベルの阿呆臭がします。実際にはウォン安はかなり韓国経済を下支えしているのですが…
その他も変なものが幾つか含まれているように見えます。
そうですね。前回の悲観予想からもう1年経とうとしています。案外たいしたことはなかったというのが実感ですが、このあとも注意してみていきたいと思います。
UAさん、
欧州の人から見ると、日本と中国と韓国はあまり区別がつかないみたいなので、その感覚かもしれませんね。ただ民主党政権が続くと東アジア共同体が。。^^
Unknownさん、
おっしゃるようにどうかと思われる予想もありますね。実はあまりにどうかと思われるものはここにはあえて掲載してありません。ひじょうに判断しにくいのですが、ひとつの材料として載せてみました。ドル下落については、別途、金の話がありますので、合わせてご覧ください。
千葉ハムスターさん、
このまま世界経済回復という大方の見解と真逆なのですが、私も、とても回復はムリという点ではこのシンクタンクと同意見です。実際の現象についてはいろいろ考えはあると思います。
別コメにも書きましたが、外為どっとこむの口座を持っていると毎日若林レポートが読めます。このところかなり迷いが見られますが、転換されたようですね。このレポートはかなり詳細なので、口座を持っていても損はないと思います。
全体を通した内容はほんと頭痛がしてきますね。
細かい内容については「ん?」と思うようなのもありましたがww
まあそれは営業先での小ネタやお茶飲み話に使わせていただきます^^
たけしさんも書かれてますが、若林氏、予想に修正が入った模様ですね。
http://amet.livedoor.biz/archives/50957476.html
LEAPはこれだけ見るとどうもねえ?と思えますが、2008年初めの段階で、「米国主要投資銀行の半分が倒産する」という彼らの予測はあり得ないと私も思っていました。
個々の問題はさておき、「非常に悪化する」という予測に対して、「そうでなない」と言い切ることもまた難しいです。慎重に考えていきたいと思っています。
18日のレポートでは、まだドル円についても迷いがある段階です。外為ドットではユーロドルや金の話は直接は出てきませんが、書いてあることから類推する限りでは、それらに及ぶ問題ではないですね。
若林さんは、毎日はレポート出してないですから、
ご注意ありがとうございます。若林レポートとあるので、氏が直接書いているのかも思っていましたが、川合美智子氏が執筆しているのですね。川合氏執筆、若林FXアソシエイツ社発行ということと訂正します。(>たけしさん)
なかなか興味深い内容です。
アメリカが潰れれば、自由経済は死ぬんですね。
日本はどうなるか?
大日本帝国にもどって、資源国とバーター
貿易をするんじゃないかと思います。
今、この問題で悩んだ人間は次の世代の勝ち組ですね。