黒田日銀の追加緩和には誰もが驚いたはずだ。実質的に年に10兆から20兆の資金を投入することになると言われているが、そのタイミングも絶妙だった。単純に年に12兆とすると、月に1兆円。つまり100億ドルだ。米国のQEはテーパリングによって最後の月には月間150億ドルになっていたため、それとほぼ似た規模での緩和が継続するという計算だ。中央銀行同士で相談しているかのような動きだった。
QEの停止の報で明らかに市場は動揺していたのであって、ずっと書いてきたようにこのままでは更なる株式市場のおおきな下落もあったと考えている。だが、この意表をついた「QEの継続」によって、持ちこたえて、従来のQEの新規継続の場合と似た効果を発揮するものと思う。つまり、株式市場の上昇と、ドル円の上昇である。
また、今回は円による供給であるため、これが米国に作用するためには、ドル転が必要だ。ドル高、そして、円安という効果が加わるはずで、景気上昇に伴うドル円上昇に加えてそれが起こるため、ドル円の上昇は予想外に大きくなるのではないか。年末115円は確実なところだが、それを越える可能性が高くなってきたと思う。クロス円も上昇になると思うが、ドル高(ユーロ安)によって、特にユーロ円の伸びは弱いと思う。
今回は、市場に絶対はない、ということを改めて認識させられた。
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下々の努力など関係なく、権力を持つわずかな人間の裁量で経済を動かされ、その恩恵にあずかるわずかな人々を横目に見ながら、物価上昇の波に付いていけずに苦しむ人たちも、た~くさんいるはずなので。
個人的には、どんなに経済が良くなったとしても、我が家の子供達の将来を明るく考える事は難しいです~。
まず、今が苦しいですからね~。
やまはさんは、クロス円にも参入しますか?
お久しぶりです。お元気ですか。たしかにこの政策は、米国が示したように、貧富の差を激しくする可能性が高いです。権力を持たない我々としては、FXというささやかな抵抗手段で価格の変動から利益をあげていくしかないと思っています。
たけるさん
ドル高となるとクロス円は複雑な動きになりそうなので、当面はやめておきます。^^
Unknownさん、Unknownさん
日本がFRBから引き継いだ格好ですが、次はどうするか、とにかくこのQEというのは、経済学の教科書にもない、一種の実験なので、この後のことはわかりません。とにかく、今をしのごうという政策です。
Unknownさん
GSRは上がっていますが、GPRは下降しています。一般に、GPRのほうが感度がいいと思ってますので、GPRを見る限り景気回復方向が見えてきたかと思います。
Unknownさん
はい。その通りです。このエントリーに書いたように、QE停止が世界的に大きな影響を及ぼして株価の下落、クロス円の下落を引き起こす、という予想をしていましたが、状況が一変したので、予測を変更しました。おそらくクロス円もドル円に引かれて、ドル高にもかかわらず上昇すると思います。ただ、ドル高が強くなると、一時期のようにドル円上昇、クロス円下落もあるかもしれません。ただ、急激な下落は当面ないというふうに考えます。
変な感じの答えになっているかどうか分かりませんが
(私が日銀の緩和は無いと判断した理由のひとつですが)
■Fed Emergency - Fabricated Recovery Is Stalling
https://www.youtube.com/watch?v=T5JcmpN2mrA&list=UUThv5tYUVaG4ZPA3p6EXZbQ
■NYSE Investor Credit and the Maket
http://www.advisorperspectives.com/dshort/updates/NYSE-Margin-Debt-and-the-SPX.php
日銀はこの動画のグラフの後始末をさせられたのかなと思ってます。
アメリカが高値に放り上げた株の後買いという形で。
あくまで私の推測ですので興味なければアホとでも言ってスルーして下さい。
もしも本当ならとても怖いことです。
そうならないためにたーくさん勉強するわけですね。なぜそうしようとしないのか、しなかったのか不思議でしょうがない。
もう経済はグローバルで動いてるんだから、ちょっとやれば誰でも出来る仕事しか出来ないなら誰でももらえる給料になるのは当たり前。
何とか元気にしております。
やまはさんは、このブログや様々なネット上でのやり取りを通して、多くの方と交流されていると思うのですが、本当にまれにしかコメントを書かない私の事まで記憶に留めて下さっていると言うのは、本当に素晴らしいです。ありがとうございます!
今でも、過去に的確なアドバイスを頂いたご恩は、忘れずにおります。
専門的な話にはまだまだ付いていけていませんが、こちらのブログ、いつも拝見していますので、これからも色々教えて下さい(^^)。
バーバーラ(榊原)のカバン持ちから財務官に昇進したものの介入スタイルはバーバーラ同様の一発花火で結局売り浴びせのワンパターン。トレーダーには組し易い官僚だったのですが・・・退官後も一橋に学士入学する変わり者でしたし、なめてました。
決定会合が長引いていたので、よもやに備え109.55に逆指しロングを潜めてたのが結果幸いでした。
ただスリッページで109.80を高値掴みさせられましたからチョイ慌てました。。。
日銀のQE2により消費再増税確定
国策には刃向かえば皆殺し
値幅からすれば 100-125が浮上するでしょう
いろいろとありがとうございます。私の下手な文と予測で皆様を迷わせているのではないかと恐れます。どうか、くれぐれも話半分ということで御覧ください。
黒田氏は、バーナンキ氏を尊敬しているだけでなく、個人的にも深い親交があるそうです。黒田版QEは、バーナンキ直伝なのだろうなと思います。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/35118?page=3
この実験がどのような結末を得るかわかりませんが、FXトレーダーはそれによる為替の動きをうまく利用していきたいものです。
でもやまはさま、経済学上のかたちとしては違いますが、第一次世界大戦後のドイツの賠償金の支払いのためのドイツマルクの莫大な増刷やベトナム戦争後のアメリカのドル紙幣の増刷とは今回は違うと思うのですが、紙幣の莫大な供給には変わりはないと思うのですが、そういった影響はないのでしょうか?
下の米国マネタリーベースの長期チャートを御覧いただければ、今のQEが実験だということがよくわかります。この未来は誰にも予測ができないでしょう。
http://b-i.forbesimg.com/jamesgruber/files/2014/01/US_monetary_base_since_1918-1.gif
こんばんは、
10月31日、18時半に発信された、ノーベル賞受賞者、クルーグマン氏の発言はお読みになりましたか?
「欧米は日本に謝りたい、と同時に、阿部ノミクスの今回の10パーセント増税は、絶対してはならないことだ、というようなことを言っています。財政健全化、安定化に向かう方向としては、増税より、まず経済成長に必要な構造改革だ。国債の長期債務は、深刻。
日本にはまだ海外に輸出できる技術が残っている、これが最後の機会。」旨。
具体的な構造改革の方法には触れていませんが、関心があれば、感想を聞かせ下さい。ネットのニュースで詳細はすぐ出てくると思います。
既に増税決定確実と言われる、黒田氏の発言の後に出たものですが。
中間選挙年の上昇も伴って早くとも来年節分ぐらいまで行けそうです。
これですね(米国の元記事はまだ見てませんが)。
http://news.livedoor.com/article/detail/9415279/
もっとも至極の話だと思います。だけど、実際は消費税増税しそうですね。
CAPさん
前から適切な見通しありがとうございます。どうやら今年も10月末買い、4月売り(時期は適宜調節)で良さそうな気配ですね。QEのことはとりあえず当面解決と思います。
outoさん
中間選挙のあとは上がる傾向らしいので、やはり次のイベントは春先ですかね。
第3波入りしているという理解でいいのでしょうか?
とっくに短いサイクルと値幅でA-B-Cは終わってたか
ランニングコレクションでC波フェイラーしたかは別にして
第3波入りしているならもう110.10は割れない解釈になると思いますが
エリオット分析はなかなかむずかしくて、しばらく言及していませんでしたが、今のうごきからして、むしろおおきな第1波の5波の延長という形でとらえるのがいいと思います。宮田レポートで言うと、9月のマンスリーレポートの16ページの代替シナリオ(図表29)
http://www.sc.mufg.jp/report/mt_report/pdf/mtt140917.pdf
のように5波がなんらかの形で延長してるという読みです。また、この29表よりもさらに上に伸びる可能性もあるとすると、来年初頭くらいまでは上があるという感じでしょうか。お考えがあればお聞かせ下さい。
11月中に110円以下まで戻さないと、恐らく160円までかなりのスピードで到達してしまいそうな気がします。
また、今回の日経平均の上げ幅が大きくなったのは、ボラが大きい時に緩和発表したからだと思います。
振れの大きい時に、更に振り子を大きく振らした。
共振した結果がどうなるかを考えると、予想だにしない変動を招く恐れがあります。
たしかに上下にゆれてる時で、かつそれが戻ったところでの緩和でしたから、ブランコの揺れをさらに押したような感じでしたね。市場が暴走する可能性もあり得ます。