大阪フィルハーモニー交響楽団第471回定期演奏会
2013年9月21日(土)
指揮者井上道義のエンターテイナーぶりには、期待以上に楽しませてもらいました。
当日の曲目、メシアンのトゥランガリラ交響曲の演奏も素晴らしかったのですが、それより指揮者らしからぬ数々のエンターテインメントで、この人の人気が分かりました。
カーテンコールが何回か続いた後、楽器のオンド・マルトノに感謝の頭を垂れてみたり、顎を指でさすって「幸せ」と手話で言ってみたり、最後にはこれから一杯飲むよというコップを傾けるポーズをとったりと、funサービス満載でした。妻が井上が好きなんだそうで、何時か演奏会へ行ってみたいと言っていたのですが、それが、このような楽しさを伴って叶いました。
さて、トゥランガリラ交響曲ですが、この珍しい大曲を聴くのは、昨年の9月14日広島市交響楽団に次いで2回目です。
メシアン特有のリズムをとるのは決して易しい曲ではありませんが、私の身体は第1楽章の最初から自然と動いていました。メシアンのこの曲には根源的に生命の息吹・躍動感というものがあるように感じました。その躍動感に合わせたように、井上が指揮台の上で踊り出したのには、ビックリしました。それも「ひょっとこ踊り!」ですよ。踊りながらそれが指揮になっているなんて、本当にオドリキ(「驚き」がなまりました。)!
10楽章からなる80分の大曲なのですが、全く飽きさせません。最終楽章は調性も明るくなり、圧倒的なスケールでダイナミックにエンディングを迎えます。これで、ブラヴォーと言わずして、何時言うのでしょうか。ホールの熱狂の渦に私が巻き込まれたのは言うに及びません。ブラヴォーは心の中で言いましたけど・・。(^_^;)
珍しい楽器「オンド・マルトノ」ですが、一番近い楽器といえば、エレクトーンでしょうか。エレクトーンも様々な音を出しますが、オンド・マルトノの方が上手かもしれません。私が感じただけで、絃の音、木管楽器の音、チェレスタのような音も出します。更には、「フュー フュー」といった風の擬音のような音も出すのです。微妙な音の変化を出すのも特徴の一つです。クラリネットの後にそのビブラートのような音も出します。
ピアノとオンド・マルトノのための協奏曲と言ってもよい音楽です。この曲においてはピアノは激しい打鍵で男性的役割を演じているように思いますが、オンド・マルトノはそれに呼応して女性の喜悦の声のようでもありました。また、何やら悲しい恨み節を奏でているような部分もありましたけど・・。
・2013年9月19日、大阪市北区「ザ・シンフォニーホール」
・メシアン トィランガリラ交響曲
・指揮 井上 道義
・独奏 児玉 桃(ピアノ)
原田 節(オンド・マルトノ)
・演奏 大阪フィルハーモニー交響楽団
この演奏会を、シニア券で1,000円也で聴くことができるとは! 実は、このことに一番感動しました。
次回、11月15日、下野竜也指揮で、ブリテンの戦争レクイエムを聴きに行く予定にしました。(券があることを祈っています。)
電子楽器です。多様な音色と微妙な音をだすことができます。
音量をもっと出せると良いと思います。
見ただけでは、どのような構造で音が出るのか分かりません。
演奏は難しそうです。
独奏者の原田節氏は、慶応大学を卒業後、パリ国立高等音楽院オンド・マルトノ科を主席で卒業したということです。トゥランガリラ交響曲は、20か国、200回以上演奏したということです。
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