北千住の喫茶店や世田谷区内のかわいいカフェ、仕事先で入ったカフェなどなど、記事が相当下書きに控えておりますが、先日念願かなって入店出来た喫茶店を先にアップしたいと思います。
概ね、訪問日順にアップするようにしているので(訪問からなるべく1ヶ月以内)これはわりとイレギュラーなこと。
それだけ感銘を受け、はやくここに残したいと思いました。
私の画像では伝わらないかもしれませんが、
素敵な、とか、素晴らしい、とか、一般的な言葉では形容しきれないくらい。
熱海では有名なその老舗喫茶店は、
熱海銀座の路地裏にあり、熱海駅からは大分歩きます。
バスもありますが、私は伊東の母宅からの帰り道だったので、隣り駅の来宮駅から歩きました。
BONNET(ボンネット)
日本にまだハンバーガーチェーン店もなかった1952年(昭和27年)、熱海の中心地・熱海銀座に、熱海で初めてハンバーガーを出すお店としてオープンしました。
戦後まもなく、米軍キャンプで食事を提供する仕事をしていたオーナーが、ハンバーガーの味に感動し、日本人向けにアレンジして提供したい、と思ったのが始まりだそう。
それ以来60年以上、変わらない味を守って熱海の歴史を見続けているんですね、、、マクドナルドもロッテリアもなかった時代から。
「ボンネット」は、車のボンネットではなく、当時の洋画「イースターパレード」に登場する女性たちが被っていたツバの広い帽子にちなんだものだそう。
ツートンの革張りの椅子、レトロゴージャスな照明、通路に設置されたショーケース、カウンターの後ろの板チョコのような壁、、、
何もかもが秀逸でした。
もちろんマダムも。
昭和レトロの一言ではくくれない。
懐かしい雰囲気と、どこか異国に来たような感覚が同居する、ほかに類を見ない喫茶店。
ここはやはり伝説のハンバーガーを。
(でもチキンバスケットと迷った)
お肉は注文を受けてから焼くようで、ジュージューと焼く音が聞こえました。
野菜を挟んで食べてください、と言われたのですべて挟んで食べてみる。
美味しい!旨味があるのに優しい味。
お肉はジューシーだけど、食べていて肉汁がしたたる感じではなく、食べやすい。
現代の化学調味料的な味のハンバーガーではなく、本来のお肉の味です。
珈琲は先に来て、目の前でサイフォンから注いでくれます。
カップの絵がかすれているのにも歴史を感じます。
喫茶店はその街を映す鏡だと、何かで読んだことがあります。
今は観光客や地元の常連さん、カップルなどがほとんどでしょうけれど、かつて熱海全盛期には
芸者さんがお座敷前にコーヒータイムを楽しみ、作家の三島由紀夫や谷崎潤一郎など多くの著名人が通ったということです。
熱海最後の映画館だったロマンス座(現在は洋品店)のお隣にあるので、映画を見た帰りなどにお茶や食事で利用する人も多かったことでしょう。
時代が変わっても味は守られ、愛され続ける、そんな珠玉の喫茶店。
ここへ来るために、また熱海へ行こうと思いました。
※マスターが入院中の為、現在は10:00~14:30までの営業だそうです。
※お店の歴史などの情報は熱海の情報サイトより。
※撮影は閉店間際に許可をいただき、行いました。
BONNET(ボンネット)
静岡県熱海市銀座町8‐14
0557‐81‐4960
定休日・日曜日と、たまに木曜日(マダムより)