Blogout

音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

BOB JAMES Trio / Straight Up

2005年06月30日 22時27分55秒 | JAZZ-Piano Trio
 70年代前半からフュージョンの第一線で活躍するボブ・ジェームスが96年に出した作品。タイトルからも分かるとおり、ピアノ・トリオのフォーマットで演奏していることからけっこうな話題になったと記憶しているんだけど、ボブ・ジェームスといえば、90年の「Grand Piano Canyon」あたりから、フュージョンといってもかなりアコピをメインした音楽を指向してきた訳で、こういう作品が出てくるであろうとは思っていたんだけど、さすがにクリスチャン・マクブライドとブライアン・ブレードという豪華なメンツでトリオを組んだのは驚いた。

 ただ、出来上がったアルバムは良くも悪しくもホブ・ジェームスそのものといった感じで、冒頭の「ナイトクロウラー」の再演からして、細部に渡ってきっちりと編曲され、いつものスタイルをピアノ・トリオに移し替えただけみたいな、ピアノ・トリオというからには自由でフレキシブルなフォーマットで伸び伸びした演奏になるのかとの期待はちょっと裏切られることとなった。
 大体、ボブ・ジェームスという人は新しいもの好きなクセして、その導入に関しては妙に慎重になるところがあって、ビアノ・トリオは彼にとって決して新しいものではなかったにせよ、どうも慎重になりすぎて、結局はいつものスタイルから自分を解放することができず、妙に堅苦しい「律儀なボブ・ジェースらしさ」ばかりが表に出た作品になったしまったように思う。

 そんな訳で、さっき、なんとなくこのアルバムのこと思い出して、ひょっとしたらイメージ違ってるかなと淡い期待を抱いて、久しぶりに聴いてみたんだけど、やっぱりちょっと窮屈な印象だった。このアルバムで一番素直に聴ける作品は、やっぱオーラスの「クワイエット・ナウ」というデニー・ザイトリンの曲かな。一種の思索的バラードといったムードの曲なんだけど、かつて「フォクシー」に入っていた、ピアノ・トリオ的な作品「ミランダ」を思わせるロマンティック・ムードが良くて、どことなくすっきりしないこのアルバムの曲の中でも、例外的にしっとり楽しめる曲になっている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする