温泉ドラえもんのブログ

全国の秘湯巡り、昆虫、野鳥、植物、野菜づくり、小さな実験室などを中心に写真とともに掲載します。

全国の温泉を見つける謎の僧 空海 その3

2018年08月24日 | 秘湯巡り
 ① 7~8月にかけて東北秘湯巡りに行きましたが、宮城県の白石湯沢温泉「やくせん」に浸かりました。
 自噴泉・かけ流しの素晴らしい湯でしたが、由来に弘法大師の名前が出てきました。
 以前にも書きましたが、無名の僧である弘法大師が、遣唐使として20年間の私費留学費をどう工面したのか、大きな謎があります。


 ② 【水銀を含む(丹=硫化水銀)は、朱の塗料として高値になる】
 空海のバックには、水銀採掘集団【丹生(にゅう)一族】の存在が見え隠れします。
 水銀は、以前にも書きましたように、伊勢白粉の原料となりお金(マネー)になります。
 また、辰砂(HgS 硫化水銀)=丹(に)は、朱色の塗料としての利用価値もあります。
 朱色は、古来から生命(血)を表すとともに、災いを防ぐ色として神社の社殿や鳥居などに使われてきました。
 世界遺産になった「春日大社」は、2016年に20年に一度の塗り替えが行われました。
 春日大社を訪れると、他神社にはない鮮明な朱色に驚かされます。
 実は、安物の朱色は【鉛入りの鉛丹】や【鉄を含むベンガラ】がありますが、時間が経つとオレンジ色に近い黒ずんだ色になってしまいます。
 しかし、【硫化水銀 丹の粉末 本朱】は、鮮明な朱色を保持します。
 本朱は、とても高価で、100%本朱の神社は、春日大社だけです。
 古来も丹(硫化水銀)は、希少な存在でお金になったようです。




 ③ 【水銀は、金メッキの時に必要不可欠】
 また、水銀は金を溶かす(アマルガム)という特別な性質を持っています。
 小学校の社会科の教科書にも、「奈良の大仏づくりの材料 金、水銀、銅、すず、が全国からばく大な量が集められた」と書いてあります。
 平成3年に東大寺境内で「銅とすずを溶解し青銅を作る溶鉱炉跡」が発見されました。
 では、なぜ水銀が必要だったのでしょうか。
 まず、青銅で大仏を鋳造します。
 次に、「金が溶け込んだ水銀」を刷毛で大仏に塗ります。
 そして、周りから加熱して、水銀だけを蒸発すれば、金ぴかの大仏が出来上がります。
 大仏に限らず仏像や調度品の金具の金メッキには、水銀が必要不可欠です。
 大仏再建のおりには、空海ゆかりの三重県多気郡の「丹生鉱山」から水銀がすべて調達されました。
 水銀鉱脈を発見できれば、莫大な財を手に入れることができます。
 さて、空海が全国を行脚して温泉を発見したことと水銀(硫化水銀)を発見することとは、どのような関係があるでしょうか。
 (続く)


 

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