風の谷通信

専業農家からの引退を画策する高齢者。ままならぬ世相を嘆きながらも、政治評論や文化・芸術・民俗などに関心を持っている。

正論:占領体制からの脱却

2008-04-29 19:15:40 | 世相あれこれ
風の谷通信 No.3-062

 サンケイ新聞に拠る論者達の偏りについて書いた
ことがある。なんだか変な偏りが気になるのだ。
 きょうの「正論」には口先で発声する人達に苦言
を呈している。まさに正論といえる。

 だけど昨日の「正論」には頷けない。

 昭和27年4月28日に講話条約発効により日本は
自主性を回復した。この日を以て「国家主権回復の
日」という国民祝日にしようではないか。
アベ首相は「戦後体制からの脱却」と言ったが本心は
占領体制からの脱却だったはずだ。それだと不適切な
ので戦後体制からの脱却と言ったのだろう。日本には
いまだに占領体制で得た「占領利得の既得権」に固
執する人達がいる・・・北方領土・竹島問題を放置
し・・・人権擁護法・外人参政権などと言う。この日
に国家主権回復を記念し、首相の靖国参拝を公然と行
い・・・・。
(正しくは、昨日の記事を参照。MSN産経で検索可能)

 まさにここに、正論の偏りが表れている。
占領体制を一番残しているのはまさにアメリカ兵の地位
である。アメリカ軍の地位である。度重なる婦女強姦、
基地外での粗暴犯罪や殺人、ヘリコプター墜落事故での
日本主権侵害・・・。
 これらについてこの論者は一言も言及していない。
沖縄の人々の苦衷に思いを致す気持ちのカケラも持たな
いのだろう。北方領土や竹島や東シナ海のガス田開発な
どへの言及には賛成するがアメリカ軍が日本の主権を踏
みにじっていることについては一言もないことには賛成
できない。これで「正論」と言えるのか。言うのなら
「自衛隊をイラクへ送るよりも竹島へ送れ」と言ってほ
しい。東京大学名誉教授だろうが。それでは、まさに
アメリカに遠慮して「占領体制」の代わりに「戦後体制」
と言い逃れたアベさんの姿そのままではないか。

 だけどもう一つの問題はアメリカに何一つ言えない彼ら
「正論派」の立場であろう。現在の国際情勢の中でアメ
リカに付くか離れるかは大問題だ。アメリカの核の傘に
入るのか、そこから離れて自主独立を目指すのか、その
時に北朝鮮の核に対処する覚悟があるのか・・・等々、
それが大問題なのだ、という。これは外務省にいた息子
から教わった話。
 
 あぁ、むずかしい。ワシャ知らん・・・。ならば黙れ!
・・・ということで、権力者とその取り巻きが既得権を
享受する傍らで庶民は黙るしかないのだ。この既得権は
占領既得権なんて生易しいものではないぞ。







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