風の谷通信

専業農家からの引退を画策する高齢者。ままならぬ世相を嘆きながらも、政治評論や文化・芸術・民俗などに関心を持っている。

席を譲られて

2008-03-29 20:41:43 | 文化・文芸
風の谷通信 No.3-048

 先日、神戸からの帰りに電車の中で優先座席を譲られた。

 沿線火災の影響で電車が遅れて込み合っていた。三宮から
乗るときにすぐ後ろに高齢の夫婦がいた。優先座席にいた
婦人が「こちらへどうぞ」と声を掛けたがドアの反対側に
いた若い女性が「代わりましょう」と言って子供二人を立た
せた。先ほどの婦人が今度は私の方を向いて「代わりま
しょう」と声を掛けてきた。イヤー・・・とためらったが
本人はさっさと席を立ってドアの方へ行ってしまった。

 止むを得ず・・・座った・・・けど全く落ち着かなかった。
なぜかと言えば、どう見ても相手の婦人の方が年上に思えた。
女性の年齢は判り辛いので、まともに言い当てたことがない。
それにしても、いまだかつて年寄り扱いで席を譲られた経験
がないので面食らったのだ。

 電車を降りて帰り途にいつもの散髪屋さんへ寄った。
先ほどの経験を話すと「その格好だからですよ。」と言う。
椅子に掛けて鏡を見てそうかもなぁ、と思う。黒い帽子を
着てめがねをかけて花粉除けのマスクを着けている。その
下から真っ白な顎鬚が伸びている・・・。
 このひげのおかげで、帽子に隠れた頭の毛も真っ白で、
マスクの下の顔はしわだらけの年寄りに見えたんでしょう
・・・、と散髪屋さんが言う。ひげはともかくとして、
頭髪は30代のように黒いと散髪屋さんが言うのに。
 アハハハハハ・・・。でも、哀しいよ。だって、他の
優先座席にいた若い人達は誰もそんな声を掛けては来な
かったんだから。


 

読書の冬

2008-03-27 21:21:20 | 季節の便り
風の谷通信 No.3-047

 過ぎ去ったこの冬はうんと本を読んだ。と言っても
軽い時代小説が大部分だけど。寒さと雪や雨で農作業
のできない日が多かったからだ。

 時代小説のほとんどが用心棒稼業の浪人もの。中味が
軽いから300ページくらいだと一日で読み終わる。
 この分野ではやはり藤沢周平作「用心棒日月抄」の上
を行く作品にはまだ巡り合えない。魔剣・妖剣の類はい
わゆるゲテモノであるから読む気もしないが、主人公が
常識はずれの剣豪であるのも嫌味が強くてシリーズを
何冊も読み続ける気がしない。架空の世界とは言え、あ
る程度はリアリティーが必要。

 あまりにも時代小説に浸りきると頭の切り替えが必要で
ひとまず「ワープする宇宙」に取り付いたがこれは難物。
自分にとっての課題の一つ[生命の源]を探る旅。いつま
でも読みきれない大冊で中味も読みきれない。そりゃ
無理だ。現代物理学の最先端が理解できるはずがない。

 方向転換して高村薫の「神の火」にとりついた。これは
かなりの硬派で特に詳細な現場描写が延々と続く。彼の作
品はこれで3作目だが、いずれもフレデリック・フォーサ
イスに通じるような詳細かつ正確な描写に頭が疲れる。高
村さんは女性のはずだが、フォーサイスは間違いなく男性。
「戦争の犬」の中で主人公が昔の傭兵仲間や武器商人を訪
ねて(多分)たった1日でヨーロッパを巡った描写は圧巻
であった。英語は30%程しか判らないのに、それでも
面白かった。
 高村作品は勿論日本語だが、軽い軽い時代小説を読み流
してきた頭にはよい刺激になる。それでも高村さんの場合
小説よりも評論に鋭いものが多いので、彼の評論集があれ
ば読みたい。

 ふと視線を変えていて村山由佳を見つけた。この田舎町
で彼女の作品を見つけるのは珍しいので本当に久しぶり
に村山ワールドに浸った。自分が小さい頃に憧れたよう
な、屋敷畑があるような山間の農業人を描いている。
玉村豊男が実践している現実の世界に近い。何よりも希望
のある世界を描いているのがうれしい。

 ついでに見つけた宮本輝を1冊読む。一転して神戸山
の手を舞台にした都会派小説。かつて三宮で遊びまわっ
ていた場所に近い街。残念ながらもう自分の手の届かな
い世界になってしまった。

 手の届かない世界であれ、かつて夢見た世界であれ、
それでも作者の目と筆を通して、新たな体験ができる。
そして、書棚には文庫本ばかりが積み上がってゆく。

 
 もう1点。小林恵子(よしこ)の作品を見つけた。倭王
権を巡る史観には賛同する点が多い。これから何ヶ月も
彼の作品を読んで過ごすことができる。本は有難い。

HP更新

2008-03-25 21:47:23 | 案内板
風の谷通信 No.3-046

 別稿「風の谷の詩」を更新し、その5「田舎暮らし」
の項に春の花の写真4点を掲示しました。

 写真はケイタイでの撮影なので粗雑ですが雰囲気だけ
の簡単なお知らせです。

沖縄の・・・

2008-03-24 22:38:50 | 世相あれこれ
風の谷通信 No.3-045

 横須賀でタクシー運転手が刺殺されて車内から米兵
名義のカードが見つかった。この米兵の身柄を米軍が
先に確保したために日本の警察は手出しできず、米軍
の「協力」を待つしかない。

 一方、沖縄では奴らの一連の蛮行に抗議する集会が
あり、六千人が集まった。読売新聞はこれを報じてい
るがサンケイ新聞は報じてはいない。
(両紙ホームページの掲載内容)

 以前の沖縄集会で参加者11万人という記事に
サンケイはイチャモンをつけて、そんな人数がいた
はずはない・・・とあたかも人数が過大表示だから、
それだけ集会の価値が低いかのように評価し直そうと
した。集会の内容そのものから集会の人数に焦点を
すり替えてしまった。卑怯だ。
 そして、きょうは読売が報じているのにサンケイは
無視している。この辺がサンケイを信用できない所だ。
いい記事も結構あって読み応えがある新聞なのにこれ
では残念だ。

 国際大学の敷地に米軍ヘリが墜落しても、米兵が
ピケを張って銃を構えて、日本の警察が手出しできな
い事をサンケイはどう報じたのだろう。少女の強姦被害
事件をどう報じたのだろう。日本人運転手の刺殺被害
事件の重要参考人である米兵に日本の警察が手出しでき
なくても平気なんだろうか。

 毎日克明に読んでいるわけではないのでこちら側にも
読み漏れがあるとは思うが、情報は新聞頼みなので、
サンケイのみならず各紙は米軍の蛮行や沖縄の心を真剣
に取り上げてほしいと思う。

ムラの老人会

2008-03-23 20:46:07 | 世相あれこれ
風の谷通信 No.3-044

 きょうはムラの老人会。
 
 約40軒の小ムラに会員が60名。しかも若者が少ない
ので、ムラの総会とほぼ同じ顔ぶれが並ぶ。いかにも高齢
過疎のムラの姿が浮き上がる。 

 中には一軒に夫婦二組で4人、全員が老人会員というのも
あって、長生きが芽出度いのやら過疎が哀しいのやら・・・。

 会合のあとは懇親会。酒と弁当とおしゃべりの会・・・で、
ここでもやはり女性達は元気です。外は雨、田んぼ仕事も
ないし、まぁのんびりとおしゃべりの会・・・でした。