風の谷通信No.14-008
きょうの午後は強風が吹く。
大きな空気の塊がゴーゴーを地を掃いて行く。大きな飛行船のような塊が空を賭けて行く。遥か遠くの空をヒューヒューと風が駆ける。
こんな風の日は決まって『嵐が丘』を思い出す。あの南ヨークシャーの荒れ地一面に赤いヒースが咲いていた。古い教会の荒れ果てた墓地に多分ブロンテ一家の墓もあっただろう。それにしても・・・あんな遠いところまでよくもまあ独り旅したものだ。鉄道もホテルも判らずに。おまけに目的地では雨が降っていた。雨の中へホテルを捜して踏み出して行った。あれが若さだったのだろうか。
さて、こちらは春一番だろうか。春一番には明確な定義があるはずだが、広辞苑にも大辞林にもそうした解説はない。まぁいいか。それにしてもひどい風だ。家がガタガタを震えて鳴っている。これじゃ庭と畑のチューリップが吹き飛んでしまいそうだ。
戸外は晴れて霞がかかって、いかにも花粉症が発生しそうな気配だ。ヤレヤレ。