うまがスラムダンクの続き

うまがスラムダンクを勝手にアレンジ。
スラムダンクの続きを書かせていただいています。

#378 【白金×慶徳】

2010-10-28 | #12 大学 新人戦編
準決勝

第2試合 白金学院大学対慶徳義塾大学の試合が、開始されようとしていた。


8人の選手がセンターサークルを囲むように、ポジションを取っている。

サークル内には、白金の荻野と慶徳の赤木。


放たれたボールに向かって、2つの巨体が舞い上がる。




「わぁぁーーーー!!!」

「おぉぉぉーー!!」

「始まったぞーー!!!!」




『バッチーン!!』


勢い良くボールを叩き落したのは、身長で優位に立つ赤木。


ボールは、SF真下から、藤真に渡る。



「さぁ、1本いくぞ!!」

「おう!!」



藤真は、ドリブルをする前に、一言叫んだ。



(藤真のやつ、気合はいってんな。)

と諸星。



その想いは、慶徳の選手、全てに届いていた。



準々決勝同様、慶徳のスタメンに変更はない。


最強のSGと呼ばれた諸星。

キングコングC赤木。

リバウンドマシーン野辺。

サポートに徹するSF真下。

そして、その選手たちを統率するPG藤真。

導かれた選手たちが、白金越えを目指す。




【慶徳義塾大学】

PG…#14 藤真 健司 179cm/2年/翔陽
SG…#15 諸星 大 186cm/2年/愛和学院
SF…#22 真下 裕也 186cm/2年/浦安工業
PF…#17 野辺 将広 198cm/2年/山王工業
 C…#20 赤木 剛憲 199cm/2年/湘北




かたや、ディフェンスから始まった白金。

C赤木には、C村松。

PF野辺には、PF荻野。

ともに、自分よりも身長の高い選手を抑えることとなる。

厳しい戦いになるのは、誰から見ても明らかであった。


SF土屋は、諸星をマークした。

「わいが相手や。」

「ふっ。土屋か。悪くねぇな。真下!予定変更だ。俺が土屋を抑える!」


『コク。』

神は、真下をマークした。

(この人は、目立たないけど、巧い選手。好きに動かせてはならない。)



藤真の目の前には、もちろんこの男。


普段より腰を低く構え、藤真を睨む牧の姿。




「牧君のあんな低いディフェンス初めて見ましたよ!!!」

開始早々、興奮もピークに達してしまった中村。

「マンツーマンか。果たして、それで慶徳のインサイドを抑えられるかしら。」




【白金学院大学】

PG…#13 牧 紳一 184cm/2年/海南大附属
SG…#36 神 宗一郎 189cm/1年/海南大附属
SF…#19 土屋 淳 191cm/2年/大栄学園
PF…#24 荻野 武士 193cm/2年/愛和学院
 C…#26 村松 忠文 195cm/2年/浜ノ森




(牧!!いくぞ!)


(来い!藤真!!)



魅せれるか藤真。


止められるか牧。



『ダム!』


藤真は、最初のドリブルをついた。


牧の威圧的なディフェンスを前に、ボールを隠すように、低くドリブルをつく。




「始まったばかりなのに、1点を争っているゲーム展開でのドリブルみたいですね。」

と観客席の織田。

「それだけ、この先制点が重要なことを両者ともに、よく理解しているということだろう。」

と花形は答えた。




先制点を獲ると獲られるでは、大きく心の持ちようが変わる。

両校、先制点は最高の形で獲りたいのである。



『ダムダム・・・。』


横学大戦では、見せなかった白金の攻めるようなディフェンス。

藤真でさえ、パスの供給先を見つけるのが難しい。



『キュッ!!』


『キュッキュキュ!』




「俺らとやったときよりも巧くなってないか?」

「技術うんぬんよりも、意識の問題のようだ。ほれ。」

三井に答えた新庄が、コートを見るように促す。




「しっかり守れ!藤真からのパスを簡単に通すんやないで!!」


『パン!パン!』


そこには、仲間を鼓舞する土屋の姿があった。

横学大では、見せることのなかった土屋の姿だった。




「珍しいな。」

と大和。

「プレーで引っ張るタイプだと思っていたが、わりと熱いやつだな。」

品川は答えた。




「白金の凄いディフェンスだ!!」

「時間がない!!!」

「慶徳!攻めろーーー!!!」




24秒残り5秒。


『バッ!!』


野辺が、ハイポで面を獲った。

背中には、荻野を背負う。

ボールは、真下を経由し、野辺に入った。



『キュ!』



その瞬間、ローポで赤木が構える。


野辺から赤木へ。

ハイ&ロー。



残り2秒。


赤木のゴール下。



『バン!!』



「!!!!」



ボールは、赤木の手から弾かれた。


村松のスティールであった。




「絶妙なスティールだ!!」

「巧いぞ!!あのセンター!!」




「いいぞ!村松!!」

「ナイスカット!!」



(「ゴール下で赤木に勝つのは、至難の業だ。下を狙え。」)

牧から村松への指示であった。



「赤木!緊張してんのか!かてーぞ!」

と諸星。

「うるさい!ディフェンスだ!!」

(あのセンター、さすが白金のスタメンを張ることだけのことはある・・・。)


「気にするな。白金相手に、簡単に点が入るとは思っていない。」

と声をかける藤真。

「フン、いうようになったな。」

「頼むぞ、赤木!」

「任せておけ。」



ボールは、村松から牧へ。

先制点のチャンスを逃した慶徳。



『ダムダム。』


(いくぞ!!慶徳!!)


牧の力強いドリブル。



白金のオフェンスが始まる。








続く。