試合は第3Qが終了していた。
藤真が電光掲示板に眼をやる。
「そろそろ、下にいくか。」
「あぁ。」
(土屋・・・。あの仙道を抑えるか。恐ろしい男だ。)
横学 57
白金 73
点差は、第2Q終了時よりも開いていた。
仙道が決めたバスカンプレーのあと、土屋が動いた。
-----------------------------------------------------------------------
<<回想>>
第3Q 2分経過後。
土屋が牧に話しかけた。
「仙道は、お前がいう以上の男やな。」
「半年前よりもかなり成長している。本当に恐ろしい男だ。」
「神!黒木のマークを頼むで。」
「!!」
「マークマン交代や。牧は三井をそのまま頼むで。」
「!!」
「!!!」
驚く牧と神。
「わいが、また仙道についたる。」
(うずいたか。)
悟った牧。
「手強いぞ。」にこり。
「わかってるで。残っている体力、全て仙道を封じるために使ったる!!」
-----------------------------------------------------------------------
見せ場なく、粕谷は交代した。
(まだ、速かったか。)
と苦笑う牧。
-----------------------------------------------
PF…#43 粕谷 力 192cm/1年/梅沢
→
C…#26 村松 忠文 195cm/2年/浜ノ森
-----------------------------------------------
以降、白金のマークマンが変更。
三井に牧、仙道に土屋、黒木に神、秋田に荻野、品川に村松。
あわせて、横学大も変更した。
牧は、圧倒的なパワーで三井のディフェンスを粉砕。
三井は、飛び道具で応戦するも、パワー勝負での体力の低下は著しく、成功率があがらない。
対して、白金の飛び道具、神の外角は、試合が進行するにしたがって、精度が増していった。
横学大の隠し玉、ディフェンスの黒木は、土屋、神というスーパープレーヤーたちを
抑えられるほどの実力は、まだ持ち合わせていなかったといえる。
注目の対決。
仙道対土屋。
ディフェンスのチームとして、全国に名を馳せた大栄学園のキャプテンであり、オールラウンダー土屋淳。
そのディフェンス能力はやはり世代トップレベルであった。
ギアチェンジした仙道を第1Qのように完璧に抑えることはできなかったものの、
リズムを狂わせることには成功した。
仙道もまた土屋からのオフェンスを封じることに成功したが、試合の流れを奪うことはできない。
結果、牧、神の海南コンビを中心にトータルで勝る白金が、徐々に得点を重ねていった。
「横学もよくやったが、試合はきまったな。」
「うん。10分で縮まる得点差でもない。」
「白金と横学の差は、まだまだ深いケロ。」
「横学にもうワンオプションあれば、試合は変わったかもしれんな。」
「来年、いい新人でも加入すれば、怖いチームになりそうだな。」
深体大徳永の言葉は、現実のものとなる。
来年、横学大には、あの男が加入する。
そして、1年後、悲願の1部昇格を果たすと、大学バスケ界の勢力図を大きく狂わす出来事が起こるのであった。
2分間のインターバル。
観客席では、白金勝利の言葉が飛び交っている。
「白金相手に16点差だろ。もう勝てねぇよ。」
「横学もよくやったが、ここまでだな。」
「牧と土屋は、やっぱりすげーよ。」
「神は仕事人だね。」
「さぁ、俺たちも次の慶徳、法光の試合にあわせなきゃな。」
「1部と2部の差は、さすがに大きいようだ。」
「仙道もすげーが、所詮1年生だ。」
などなど。
観客席では、横学大を応援する声は聞こえない。
だが。
「おっしゃーーー!!!!残り10分!!逆転だーー!!!」
横学大ベンチから発せられる大きな声。
三井の声であった。
「諦めたらそこで試合終了だ!!諦めるな!!最後まで走りぬけ!!いくぞ!!」
『パン!パン!!』
「おう!!!」
そこには、湘北魂があった。
「仙道。このまま終わらせるわけにはいかねぇぞ!」
「もちろん。打倒牧さん、願ってもないチャンスですからね。」にこり。
「あぁ。横学の魂ってもんをみせてやろうぜ。」
「えぇ。」
(湘北魂をでしょ。)
仙道は小さく微笑んだ。
時は経過。
コート脇の通路に移動した慶徳義塾大学の選手たち。
先頭には、背番号14の小柄の男、藤真健司。
「まもなく試合も終了だ。他の大学を圧倒する力を見せ付けるぞ!」
傍らに、#15の諸星大。
「俺のビッグスターシュートセブンの威力をみせてやるぜ!」
その後ろに、200m近い2人の男。
赤木剛憲と野辺将広。
「フン。くだらん。」
「ファイブとシックスは、すでに赤木が攻略済だからな。」
「うっうるさいぞ。野辺っち!」
『ビィーーーー!!!』
第3試合終了を告げるブザーが聞こえた。
「いくぞ!!」
「おう!!!」
続く。
藤真が電光掲示板に眼をやる。
「そろそろ、下にいくか。」
「あぁ。」
(土屋・・・。あの仙道を抑えるか。恐ろしい男だ。)
横学 57
白金 73
点差は、第2Q終了時よりも開いていた。
仙道が決めたバスカンプレーのあと、土屋が動いた。
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<<回想>>
第3Q 2分経過後。
土屋が牧に話しかけた。
「仙道は、お前がいう以上の男やな。」
「半年前よりもかなり成長している。本当に恐ろしい男だ。」
「神!黒木のマークを頼むで。」
「!!」
「マークマン交代や。牧は三井をそのまま頼むで。」
「!!」
「!!!」
驚く牧と神。
「わいが、また仙道についたる。」
(うずいたか。)
悟った牧。
「手強いぞ。」にこり。
「わかってるで。残っている体力、全て仙道を封じるために使ったる!!」
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見せ場なく、粕谷は交代した。
(まだ、速かったか。)
と苦笑う牧。
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PF…#43 粕谷 力 192cm/1年/梅沢
→
C…#26 村松 忠文 195cm/2年/浜ノ森
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以降、白金のマークマンが変更。
三井に牧、仙道に土屋、黒木に神、秋田に荻野、品川に村松。
あわせて、横学大も変更した。
牧は、圧倒的なパワーで三井のディフェンスを粉砕。
三井は、飛び道具で応戦するも、パワー勝負での体力の低下は著しく、成功率があがらない。
対して、白金の飛び道具、神の外角は、試合が進行するにしたがって、精度が増していった。
横学大の隠し玉、ディフェンスの黒木は、土屋、神というスーパープレーヤーたちを
抑えられるほどの実力は、まだ持ち合わせていなかったといえる。
注目の対決。
仙道対土屋。
ディフェンスのチームとして、全国に名を馳せた大栄学園のキャプテンであり、オールラウンダー土屋淳。
そのディフェンス能力はやはり世代トップレベルであった。
ギアチェンジした仙道を第1Qのように完璧に抑えることはできなかったものの、
リズムを狂わせることには成功した。
仙道もまた土屋からのオフェンスを封じることに成功したが、試合の流れを奪うことはできない。
結果、牧、神の海南コンビを中心にトータルで勝る白金が、徐々に得点を重ねていった。
「横学もよくやったが、試合はきまったな。」
「うん。10分で縮まる得点差でもない。」
「白金と横学の差は、まだまだ深いケロ。」
「横学にもうワンオプションあれば、試合は変わったかもしれんな。」
「来年、いい新人でも加入すれば、怖いチームになりそうだな。」
深体大徳永の言葉は、現実のものとなる。
来年、横学大には、あの男が加入する。
そして、1年後、悲願の1部昇格を果たすと、大学バスケ界の勢力図を大きく狂わす出来事が起こるのであった。
2分間のインターバル。
観客席では、白金勝利の言葉が飛び交っている。
「白金相手に16点差だろ。もう勝てねぇよ。」
「横学もよくやったが、ここまでだな。」
「牧と土屋は、やっぱりすげーよ。」
「神は仕事人だね。」
「さぁ、俺たちも次の慶徳、法光の試合にあわせなきゃな。」
「1部と2部の差は、さすがに大きいようだ。」
「仙道もすげーが、所詮1年生だ。」
などなど。
観客席では、横学大を応援する声は聞こえない。
だが。
「おっしゃーーー!!!!残り10分!!逆転だーー!!!」
横学大ベンチから発せられる大きな声。
三井の声であった。
「諦めたらそこで試合終了だ!!諦めるな!!最後まで走りぬけ!!いくぞ!!」
『パン!パン!!』
「おう!!!」
そこには、湘北魂があった。
「仙道。このまま終わらせるわけにはいかねぇぞ!」
「もちろん。打倒牧さん、願ってもないチャンスですからね。」にこり。
「あぁ。横学の魂ってもんをみせてやろうぜ。」
「えぇ。」
(湘北魂をでしょ。)
仙道は小さく微笑んだ。
時は経過。
コート脇の通路に移動した慶徳義塾大学の選手たち。
先頭には、背番号14の小柄の男、藤真健司。
「まもなく試合も終了だ。他の大学を圧倒する力を見せ付けるぞ!」
傍らに、#15の諸星大。
「俺のビッグスターシュートセブンの威力をみせてやるぜ!」
その後ろに、200m近い2人の男。
赤木剛憲と野辺将広。
「フン。くだらん。」
「ファイブとシックスは、すでに赤木が攻略済だからな。」
「うっうるさいぞ。野辺っち!」
『ビィーーーー!!!』
第3試合終了を告げるブザーが聞こえた。
「いくぞ!!」
「おう!!!」
続く。