うまがスラムダンクの続き

うまがスラムダンクを勝手にアレンジ。
スラムダンクの続きを書かせていただいています。

#379 【牧×藤真&赤木】

2010-10-30 | #12 大学 新人戦編
慶徳のオフェンスが失敗し、白金に先制点のチャンス。


慶徳も白金同様、マンツーマンで対応する。

マークマンは変わらない。



(「白金が勝つには、120%の牧さんが必要ですよ。前半からね。」)

仙道の言葉が、脳裏をよぎる。


(いくぞ!)



『キュ!!』


『ダム!!』



一気に駆け上がる牧。

あっという間に、ハーフライン。


だが、慶徳の戻りは速い。


相対する牧と藤真。



(牧。)


(藤真。)



『キュッ!!』


『ダムッ!!』



間髪入れない牧のドリブルに、藤真は完璧に対応した。




「おぉぉーーーー!!!」

「あれを止めたーーー!!」

「すげーーー!!!」




『キュッ!』



(次は、キラークロスオーバー!)


藤真の予測。



『ダム!ダム!』


『キュッ!!』



「!!!」


「!!」にっ。




「まただーー!!!」

「牧のキラークロスオーバーを止めたーー!!」

「藤真が凄いーーーー!!!」




「やるな。」

止められた牧は、なぜか嬉しそうであった。


「簡単にはやられるわけにはいかないからな。」

なおも、牧を攻めさせない藤真のディフェンス。




観客席で観戦している三井らも驚きの表情を浮かべている。

「藤真のやつ・・・。」

「凄いディフェンスです。」

「気合十分だ。」




攻められない牧。


だが、焦りの表情はない。



(これでお前を抜けるとは思っていない。だが、これでどうだ。)



『ダム!』


『ドン。』



「うっ。」


牧がパワードリブルで、藤真に接触。

藤真の体が、わずかに後方へ退いた。




「ファウル!」

慶徳ベンチが叫ぶ。




だが、審判は、笛を鳴らさない。




「牧が強引に攻めてきたーーー!!」

「パワー勝負だ!!」

「いけーーー!!牧ーーー!!」




「ファウルのラインを引きましたね。」

と中村。

「ったく、専門的なこというようになったのはいいけど、その勝ち誇った顔は余計よ。」

「はっはい。」




「牧め、パワー勝負に出たか。」

「深津にも、藤真にもない最高のアドバンテージ。」

「止められるPGは、そうはいない。」

と観客席の花形ら。




牧のパワードリブルが、藤真の体をわずかに退けた。




「抜いた!!」

「藤真のディフェンスを破ったーーー!!」

「牧のペネトレイトーーー!!」




(牧!!)


『ダムダム!!』


牧は、トップから果敢にリングを襲う。


並走する藤真。


神が、3Pライン外で構え、土屋が牧にあわせるような動きを見せる。


だが、牧は一人で突っ込んだ。


ゴール下の赤木を睨む牧。



(いくぞ!赤木!!)



(入れさせん!!)



『ダン!!』



フリースローライン、牧が跳んだ。


赤木は、牧のシュートを叩き落すべく、タイミングを計っている。


オーバーハンドレイアップの体勢。



『ダッ!』



牧と接触せぬように跳ぶ赤木。


牧のシュートコースに右腕を伸ばした。


完璧なブロックのタイミング。



(もらったぞ!!)



「!!」


「!!」



『グッ。』


牧は、再びボールを胸に持っていく。




「止められたーーー!!」

「赤木が止めたーー!!」



下降する牧は、跳んだ赤木の脇にわずかなスペースを見つけ、
無理な体勢からレイアップシュートを放った。



「なに!!」

(その体勢で打つか!!)


赤木は、牧のボディバランスに驚き、改めてその巧さを感じた。




「無謀だ。」

と宮城。


(いや、ぎりぎり。)

と仙道。




ボールは緩やかな回転をし、リングへ。




「打ちやがったーー!!!」

「すげーーー!!」

「さすが、牧!!!」




『コロ・・・。』


だが、ボールは、リングの根元を通り、逆サイドに流れた。




「おしい!!」

「外したーー!!!」




『バチン!!』


リバウンドは、野辺。


牧のシュートは、失敗に終わった。



『ダン。』


牧、赤木が同時に着地。


「そんなシュートは入らんぞ!」

「バスカンを狙ったつもりだったが、交わしてなおブロックにくるか。
かなり成長したようだな。赤木。」

「フン!昔の俺だと思うなよ。」


(その貪欲さ、変わらんな。牧。)


(ゴール下の威圧感は健在か。赤木。)



お互いに睨みをきかせる。


そのやりとりを後ろから見ていた藤真。



(牧のパワーとボディバランス。
やはり、この試合、あれをどこまで抑えられるかが、勝負の大きなポイントになる。
そして、準々決勝では見せなかった攻撃性。要注意だ。)



(今日は、随分と積極的やないか。)


(珍しいですね、スロースターターの牧さんが、試合早々飛ばしていくなんて。)


(「白金が勝つには、120%の牧さんが必要ですよ。前半からね。」 )

仙道の言葉を再び思い返す牧。


「土屋!神!ガンガン攻めるぞ!」

「おう!」

「はい。」



両校、最初のオフェンスで、得点をあげることはできなかった。


そして、ここから3分。


電光掲示板の0の数字は、変わることはなかった。








続く。