つきみそう

平成元年に出版した処女歌集の名

食の世界

2021-05-30 | 

 旧知の岐阜大学名誉教授・前岐阜女子短大学長・前東海学院大学学長の杉山道雄先生から翻訳書「食の世界」―食料システムにおける産地、力及び由来ーがこのほど贈られて来ました。コロナ禍で先生を中心とした燦餐の会(食に関する学習会) が開かれなくなり、お目にかかれなくなってしまいました。著者はケヴィン・モーガン他2人。翻訳者は杉山先生他6人。亡き父の古い教え子の杉山先生から専門書を頂くのは面はゆいです。

 最初の方に、「農業食品流通チェーンには厳密な規制が敷かれている中で、一番劇的な変化が起きた国が英国で、牛海綿状脳症や口蹄疫・・・」という記事があり、このニュースを英国旅行中に聞きました。帰国したら狂牛病のニュースが流布していました。確か、mad cow diseaseと向こうでは言っていました。平成6年のことでした。(今ではBSE 日本での発生は平成13年)

 中ほどに読み進めると、トスカーナ料理のことが書いてあり、15年前、二度目のイタリア旅行の時、フィレンツェに行ったことを思い出しました。l料理にはオリーブオイルと豚肉が使用されます。オリーブオイルは、トスカーナ地方の伝統的産物より典型的な産物になっているということなど・・・

 豚肉の保存には地下貯蔵室の冷たい大理石が用いられるとは意外でした。豚の脂肪は、岩塩とピンク色のニンニクやコショウ、ローズマリー、ネズの実などさまざまなハーブの層で覆われますます。最高級の食材である「ラルド」はこうして作られます。塩漬けを始めるために小さな厚切りベーコンを上に載せ6-9カ月後に食べられます。大理石の中で熟成されるのです。

 半透明で白くピンクで冷たく縞模様のある柔らかな感触の最終製品は、最高級品質の大理石に似ているそうです。(ラルドはネットで日本でも取り寄せられるようです)。残念ながら旅行した時は、ラルドの存在は知りませんでした。本全体に多く見られた言葉は、オルタナティブでした。287頁、筑摩書房。

 


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