先日、奈良の佐藤直子さんの歌集「春燈」の記事(2/2) を著者に送り、ささやかな記念のものを添えたお礼にと、また歌集が贈られてきました。「春燈」の前に発刊された「朝の鏡」です。達筆な文字のお手紙も添えられてありました。随所にアララギ歌人の名前が登場し、往時を懐かしんでいます。昭和の終わりころに、土屋文明氏の逝去の後にアララギは分解。私は誘われるままに「高嶺」に投稿していました。その「高嶺」も平成の終わりに終刊。今は自身の発刊している「月見草」と、岐阜県歌人クラブに出詠しています。佐藤さんは、アララギ分解の後、「青南」で活躍されています。アララギの精神が投影されている部分もあります。
前登志夫氏以外の歌人は、アララギ誌でよく拝見したお名前で、とても懐かしく思いました。( )内は私の注。下段の写真は雪の日に撮影したもの。
共感を覚えた作品を紹介します。
新年の光は卓に及びきてわが胸裡に何を問ひかく
熱き湯に青菜を放つ一瞬に何の迷ひか泡立つ心
青柿の続けて落ちし夜半の闇一首の助詞のいまだ決まらず
文明が上村翁を悼む歌携へ友らと疋田に集ふ (土屋文明氏と上村孫作氏のこと)
朴の花詠む文字白く浮きて見ゆ大樹の葉かげに登志夫の歌碑が (前登志夫氏のこと)
胸うちに水仙の葉をつめたしと若さまばゆき佐美雄の一首 (前川佐美雄氏のこと)
もう少し頑張れるはず息かけて朝の鏡のわたしを磨く
現し世に会ひの叶はば小市先生と離れゐし月日の何を語らむ (小市巳代司氏のこと)
「青柿の続けて落ちし夜半の闇一首の助詞のいまだ決まらず」↑
素晴らしい発想のお歌にビックリしております。
色々と学ばせて頂きました。
雪の中に咲くピンクが美しいです。
作品化されていると思いました。
他にも紹介したいうたがありましたが、
紙面の都合でここまでとしました。
この時期は咲く花が少なくていつも山茶花に
なってしまいます。