新宿インシデント

2009年05月25日 | 映画（さ行）

（原題：新宿事件／SHINJUKU INCIDENT）
【2009年・香港】試写で鑑賞（★★★☆☆）

ハリウッド映画に対抗するために、ジャッキー・チェン自身がプロデューサーとなり、アジア人のためのアジア映画を製作していく"アジアン・プロジェクト"の第１回作品。
日本に密入国した男がヤクザの組長や刑事らと運命的に出会い、厳しい現実に直面しながら裏社会で生き抜いていく様を描いたバイオレンス・ドラマ。

中国東北部の寒村でトラック整備士として働いていた鉄頭（ジャッキー・チェン）。鉄頭にはシュシュ（シュー・ジンレイ）という幼馴染みの恋人がいたが、10年以上前に叔母のいる日本へ留学し、そのまま音信不通になってしまった。そこで鉄頭はシュシュを探し出すため、密航船で日本へ不法入国する。その後、新宿の歌舞伎町へ辿り着いた鉄頭は、同郷の密入国社である阿傑（ダニエル・ウー）らと大久保のアパートで暮らしながら、シュシュの捜索を始める。しかし、生活するにはお金を稼がなくてはいけない。鉄頭は日雇いの最底辺の仕事を余儀なくされる。ある日、地下下水の清掃業務を行っている最中に、警察の手入れで行われる。密入国者である鉄頭はその場から逃走するが、それを刑事・北野（竹中直人）が執拗に追いかける。足を滑らせ下水で溺れかけた北野を、鉄頭は放っておけずに助けることに。北野は『借りがひとつできたな』といい、鉄頭を見逃してくれた。それから程なくして、鉄頭は偶然にシュシュを発見することになる。喜びも束の間、シュシュは新宿を取り仕切るヤクザ三和会の幹部・江口利成（加藤雅也）の女房となりっていた。鉄頭は絶望感に打ちひしがれるが、『人生の３割は運命と思い諦めるにしても、残りの７割は戦って勝ち取るしかない』と思い、日本に残って仲間と共に新宿で生き抜いてゆく決意を固める。やがて、危ない仕事にも手を広げるようになり、仲間たちの生活の向上を目指していくが…。

わわわ。
これ感想上げたつもりだったけど、忘れてた～！

"こんなジャッキー、見たことない！"というコピーに偽り無く、まさにこんなジャッキー映画を観るのは初めてだった。
ノーカンフーのジャッキー映画…あれ、「奇跡-ミラクル-」はカンフーあったっけ？
あんまり覚えてないなぁ。

ジャッキー・チェンはもちろん大好きで、（たぶん）日本に入ってきてる作品は全部観てるけど、…こんなジャッキー、見たくなかったよ…。
"ジャッキーが初の悪役に"とは言うけれど、今まで「ファイナルドラゴン」や「ツインズ・エフェクトII 花都大戦」などで敵役を演じたことはあったよね。
そして笑いの一切無いドシリアスな「香港国際警察／NEW POLICE STORY」なんかもあったけど、それらはなんだかんだ言ってもジャッキー映画だったからね。

そしてこれは本当に初めてなんだろうけど、ジャッキー映画で初のR-15指定。
ジャッキーが人をかなりリアルに殺すし、ベッドシーンがあったりするし…。

俳優として常に新しい役柄に挑んでいきたい…というのは分かるんだけどね～。

『こんなジャッキー…』とは言いながら、物語が面白くなかったのかと言えば、それはまた別の話。
密入国でやってきた同郷の仲間たちの生活を、もっとちゃんとしたモノにしたいと思いながら、裏の仕事に手を染めていく鉄頭。
しかし、ちゃんとした会社を作り、仲間たちの生活を向上させていくが、権力を持つと人は驕りを見せるようになってくる。
香港映画というよりは、かなりバイオレンスな日本のＶシネマのような任侠映画です。

それにしても、この作品の中の、竹中直人がめちゃ格好良い♪
ともやはしびれまくりました♪
今度公開される「山形スクリーム」が楽しみですね。
（えっ、絶対路線が違うって？笑）

ちなみに冒頭で描かれる密入国のシーン。
座礁した貨物船ってCGかと思っていたら、あれ本物なんだってね。
クランクインした直後に、宮城県で貨物船が座礁し、１週間後に撤去されるのをニュースで知ったイー・トンシンが急遽、現地へ赴き撮影したとか。
臨機応変度、高っ！

監督・脚本はイー・トンシン。
アクション監督はチン・ガーロウ。

2009年５月１日公開
公式ＨＰ：新宿インシデント