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今日の筆洗

2024年03月13日 | Weblog
森繁久弥さん主演の喜劇映画「社長シリーズ」で欠かせぬのは三木のり平さんの演じる「宴会部長」だろう。仕事の方はからきしだが、宴会や接待となると大張り切りで口癖は「ぱーっといきましょう。ぱーっと」▼のり平さんによるとこんな人物として演じていたそうだ。子だくさんな上にこわいおかみさんがいる。おこづかいに不自由しているので会社のお金を使って酒を飲みたい、芸者さんと遊びたい。情けない人物だが、当時ならまだ理解できるところもあったか▼この時代に品のない懇親会を「ぱーっと」やっていたと聞けば、あの「宴会部長」も腹を立てるかもしれない。しかも開いていたのは政権を担う自民党。同党和歌山県連が主催した会合にあられもない姿の女性ダンサーを招いていた問題である▼党青年局の国会議員や近畿ブロックの地方議員が参加し、中にはダンサーさんに触り、口移しでチップをあげる人物もいたという▼女性を性的にモノ扱いするような時代錯誤な宴会を政治家が喜々として開いていれば、世間が許すはずもない。時代を読むべき政治家が時代に目をつぶっている。その無神経さに腹が立つ▼「宴会部長」役だったらしい和歌山県議は責任を取って、離党した。ダンサーを招いたのは多様性について問題提起するためと説明していた。苦しい言い訳にまず噴き出し、その後で泣きたくなる。