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今日は帝劇 明日は日劇 はたまた国技館に後楽園ホール さらには落語家の追っ掛け 遊び回る日常を描きます。

加藤忍の好演が光った 加藤健一事務所「夢一夜」

2017-12-16 11:17:19 | 日記
紀伊国屋サザンシアターで上演中の加藤健一事務所「夢一夜」です。今作が ちょうど100本目と1つの区切りを迎えた加藤健一事務所の作品。本邦初演となる作品で楽しませてもらいました。
異性装に心の安らぎを覚える男(クロスドレッサーというのだそうです)と アーミッシュの父娘のお話。ニューヨークのモーテルで 猛吹雪のなか たまたま出くわしてしまった男と父娘。彼らの間には なにがあったのでしょうか? そして彼らを取り巻く周囲の人々の行く末は・・・というお話。
なかなかお芝居に取り上げられない人たちを登場人物にして、見事なエンターテインメントに仕立て上げたカトリーヌ・フィユーという作家の腕前に、まず敬服します。
加藤さん演じるジャッキーという男は、仕事はやり手。ただ、心のバランスを取るために「女装」という手段が必要だった。彼は、実はアーミッシュの出身。モーテルで出会った父娘は、彼の兄と姪。兄のエイモス(新井康弘)は、アーミッシュとしての生き方に誇りを持っている。だが、生来の口下手で、娘のレベッカ(吉田芽吹)に想いを上手く伝えられない。レベッカは、自分の生まれ育ったところが大好きだが、やはり若い娘としては、当然 新しい世界へ飛び出したい気持ちもある。そんな彼女の後押しをするのが、同じアーミッシュの出身で、ボーイフレンドのピーター(清水映人)一方、ジャッキーと同室のクロスドレッサーの親友バービー(横堀悦夫)は、ジャッキーの気持ちを人一倍慮りながらも、少しは自分の悩みも分かってほしいと思っている。さらに、このモーテルの管理人で八面六臂の活躍をみせるジョアン(加藤忍)彼女は、クロスドレッサーでもアーミッシュでもないが、人々が抱える家庭の問題がある。そんな彼らの事情が「一夜」に解決していく。まさしく「夢一夜」のお話。
100本目ということでいえば、この事務所の公演でデビューした加藤忍が、いつのまにか成長して キーポイントとなる役を見事にこなすようになったところに、古くからのファンとしては、時の流れを感じます。