Oceangreenの思索

主に、古神道、チベット仏教、心理学等に基づく日本精神文化の分析…だったはずなんだけど!

イザナギの命

2010-02-21 | 思索のかけら
インダス遺跡から出土したこの神像。
パッと見たときに、イザナギの命かと思ったのだけど、
よく見れば胸が付いているのである。

これだと、女神さまかなぁ、と
保留になっていた。

***

でも、よく考えると、
泰澄上人が感得した白山妙理権現は、
イザナギの命を名乗る女神でもあったような…

男性の祖のようなイザナギの命だけれど、そもそもは
両性具有的な神さまだったのかな?

鳥頭の神像は、初期のメソポタミアの土偶にもよく見られるもので、
古代エジプトの神々も、しばしば鳥の頭をしている。

インダスの女神像や、ウガリットのエール神像に見られる、
食パンみたいな三つの山のある冠も
古代エジプトが起源らしい。

***

大本では、イザナミ・イザナギを“月日さま”としているそうだけれど、
イザナギの命は、古代エジプトのホルス(ハロエリス)にあたる神ではないか、と思う。

ホルスは、ファラオ達の祖にあたる日の出の神で、隼の頭を持つ。
母・イシスの策略により、太陽神・ラーから力を譲り受けたとされる。

一般に、冥界の神オシリスと、魔術の母神イシスのむすことされるが、
より古い神々にルーツがある、とも言われる。

オシリスは出雲の神エールにあたり、
イシスはスセリヒメではないか、と思う。

オシリスは、弟の暴風神・セト(バールやシヴァと同神?)に殺され、
イシスを初めとする女神たちにより、蘇る。

それは、兄弟の八十神に幾度も殺され、女神たちによって蘇る、
出雲の神に重なる。

瀬戸内海は、セトの海だったりして…(笑)
イヤ、逆で“セト無い海”か。
“瀬戸の海”と略さず、きちんと“瀬戸内海”と呼ぶべし?

小柳ルミ子さんは、“セト無い花嫁”ではなく、
“セトの花嫁”を歌ってしまったのだな…

***

話がズレましたが。

イザナギは本来、出雲族にルーツを持つ神なのでは?
ホルスの妻で“ホルスの家”の意味の名を持つハトホルがイザナミにあたると思う。

ホルスは“新しい太陽”を示すから、
天武による“記紀”編纂の際、侵略者の神と重ねられ、
その出自を秘められたのだと思う。

ラーは天常立神にあたるのではないだろうか?
古いラーは太陽神なだけでなく、闇を起源とした宇宙神だったとも言われる。

出自は不明ながら力ある母神として敬われた、
ムトという女神がいるのだが、
彼女が、白山の神であり、イザナギの女相である
白山比めだと思う。

両性具有の神として現されることもあった。

***

ホルスはその翼で天を包み込み、
地上を守る神だった。

それは、善光寺の裏山の一つで、地附山にとなりあう大峰山の
山頂に現れるイメージと重なる。

また、飯綱や戸隠山頂に現れ、
手力雄と重なる時もある。

飯綱の主神である三郎天狗は、日本の三大天狗に数えられ、
起源がわからない程に古くて、カラス天狗の姿をしている。

鼻の長いお馴染みの天狗さんは、新しい天狗で、
古い天狗は一般に、カラス天狗の姿で現されるのだ。

現在、大峰山に神社はないが、古代の祭祀跡が見つかっている。
おそらく、そこで祀っていたのが、
ホルスとしてのイザナギさまなのだろう。

カラス天狗とは、ホルスの姿を
修験者や聖の霊覚がとらえたものではないか?

盆地が開け、開発が進むにつれ、
大峰から奥山の飯綱へ、そして幽境戸隠へと、
居をうつしたのかもしれない。

***

飯綱の山頂には、飯砂という食べられる砂(菌糸類らしい)が出て、
飢饉の際に人々を救ったという。

最新の画像もっと見る