マムシグサ(蝮草) (サトイモ科) 撮影地 能代市風の松原

2013年02月01日 04時31分44秒 | Weblog

このブログは、先人が能代市風の松原内を調査した、 『植生と植物相に基づく能代市風の松原海岸林の環境保全 近田文弘・梅田市美 自然環境科学研究 2001年発行別冊』 の植物目録に基づいて、能代市 「風の松原」 内の植物を、追跡調査できた範囲内での記録を、アイウエオ順で掲載しているものです。但し、先人が調査したものの中で探しきれないものもあります。絶滅した種もあるようですが、現在調査中ですので、見つけ記録でき次第投稿いたします。又その逆で新種もあり、新種については付け加えて投稿しております。

 

ムシグサ緒言:雌雄異株。

北海道~九州の明るい森林や谷沿いのやや湿った場所に生育する。

春に地下の球根から茎を伸ばし、仏炎苞を形成し、その中に花序がある。仏炎苞をめくると、鮮やかな白い筋(白条)が縦に走っている。

花は、内側に肉穂花序があり、花軸の先端は根棒様で、雌雄異株である。

葉は2枚で、楕円形の小葉が7個から15個つき、ほぼ長楕円形で両端が尖。

花の苞は緑色~褐紫色を帯びる。

茎は一見太く見えるが、断面を見ると、2枚の葉(鳥足状の複葉)の葉鞘で厚く囲まれており、さらに外側は、薄い鱗片葉の葉鞘が取り囲む、本当の茎は意外と細い。外側から見える太い茎は、中を通っている細い真の茎と区別して「偽茎」(葉の柄が鞘状に発達したもの)と呼ぶ。偽茎は、葉柄下部の2つの葉鞘部分が重なってできたもので、紫褐色のまだらな模様がある。この模様がマムシに似ていると考えられたところからこの名がつけられた。(下記参考)

果実は秋に橙色に熟し、トウモロコシの形となる。

変種が多く、コウライテンナンショウ、ホソバテンナンショウなどがあるるが、ここでは分けずにマムシグサとしている。

マムシグサの名の由来は、仏炎苞の形が、鎌首をもたげたマムシを連想させることにあるらしいが、偽茎の模様もまた、マムシを連想させる。

球根や葉にはシュウ酸カルシウムの針状結晶が含まれ、有毒。誤って食すと口中からのどまでに激痛がはしり、唾を飲み下すことすらできないほどとなる。

マムシグサなどのテンナンショウ属は、生育の良し悪しで性転換します。栄養状態がよく生育の良いものは雌、生育の悪いものは無性(葉だけで仏炎苞や花序をつけない)、中間のものは雄になります。従って、今年実を付けた雌株は、栄養分の消費による体力低下で、来年は無性株になります。その後、体力の回復に伴い雄株となり、さらに体力がつくと雌株へ返り咲きます。花期は4~7月。

 

01.10年05月19日 マムシグサ 風の松原内に沢山あります。日陰地でやや湿ったところで生育しているようです。

 

02.08年10月04日 マムシグサ 茎の表面は蝮と同じような色です。無毛です。

 

03.10年05月19日 マムシグサ 茎は一見太く見えるが、断面を見ると、2枚の葉の葉鞘で厚く囲まれており(さらに外側は、薄い鱗片葉の葉鞘が取り囲む)、本当の茎は意外と細い。外側から見える太い茎は、中を通っている細い真の茎と区別して「偽茎」と呼ぶ。

 

04.10年05月19日 マムシグサ 葉は互生。小葉が7個から15個つきます。この個体は多くて10個です。

 

05.10年05月19日 マムシグサ 葉の表裏ですが楕円形で縁は波形です。側脈が縁まで達しなくて、側脈を囲むようになっています。

 

06.10年05月19日 マムシグサ 葉の表側ですが無毛です。白い脈が目立ちます。

 

07.10年05月19日 マムシグサ 葉の縁は全縁のようですが、縁は波を打っています。

 

08.10年05月19日 マムシグサ 葉の基部ですが茎に抱いています。基部はくさび形です。

 

09.10年05月19日 マムシグサ 葉の先端は鋭く尖り尾状形です。

 

10.10年05月19日 マムシグサ 葉の裏側です。主脈が白く浮きでていて、側脈が不規則に出ています。無毛です。

 

11.10年05月19日 マムシグサ 仏炎苞をめくると、鮮やかな白い筋(白条)が縦に走っている。付属体がのぞいている。

 

12.10年05月19日 マムシグサ 仏炎苞を半分に切り取ってみた中の肉穂花序です。

 

13.08年10月04日 マムシグサ 花後に仏炎苞や付属体などは枯れ、秋になると、雌株の子房が肥大し真っ赤に熟します。トウモロコシ状になった果実。それにしてもマムシの頭に似ています。

 

14.10年10月30日 マムシグサ 果実が熟し種子を落としいるのか、鳥が食べているのか解りません。

 

15.09年11月22日 マムシソウ 1個の種子に1~2個の多少変形はしていますが、丸く、白い種子が入っています。

 

(注):私は植物調査と、写真撮影の技術も、始めたばかりで、本当のまだかけ出しです。あくまでも個人の趣味で調査したものです。間違った情報が多々あると思いますが、間違いを発見された場合御一報下されれば幸いです。宜しく御願い致します。

参考文献:山渓・日本の野草。

 

 

 

 

 

 

 

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