原題:『Searching for Bobby Fischer』
監督:スティーヴン・ザイリアン
脚本:スティーヴン・ザイリアン
撮影:コンラッド・L・ホール
出演:マックス・ポメランク/ジョー・マンテーニャ/ジョアン・アレン/ベン・キングズレー
1993年/アメリカ
努力に縁の無い天才像について
『ピンポン』(曽利文彦監督 2002年)を観た後に本作を観ることを勧めたい。本作の主人公であるジョシュ・ウェイツキンは『ピンポン』のスマイルこと月本誠と同じように天才であり、同時に野心に欠けており、さらに本作では描かれてはいないが、その後ジョシュはアメリカでジュニアのチャンピオンにまで登りつめインターナショナルマスターを獲得するものの、チェスを止めてしまい太極拳を始めるからである。
それではボビー・フィッシャーが『ピンポン』の主人公であるペコこと星野裕かとなるとそうではない。フィッシャーも天才だからである。だから本作は実話としての面白さはあるが、『ピンポン』ほどストーリーに深みを感じないのである。