一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

南アルプス(荒川三山~赤石岳) ……これ以上望むべきものなどない山旅⑧……

2015年08月11日 | 南アルプス(荒川三山~赤石岳)
8月2日(日)その6
小赤石岳~赤石岳~北沢源頭~富士見平~赤石小屋


小赤石岳から赤石岳に向けて歩き出す。


と、後ろを歩いていたヤスさんから、
「いた~」
と叫ぶ声が……
何がいたのかと思って振り向き、
ヤスさんが指さす方をみると……
「おっ、ライチョウだ~」


今回の山行で、
ヤスさんが一番逢いたがっていたのがライチョウだったのだ。
「感動です」
と、ヤスさん。


周囲を見回すと、ヒナも数羽見られた。


カワイイ~


赤石小屋への分岐に到着。


ここにザックをデポして、赤石岳へ向かう。
(私はカカポくんを山頂で撮影するため背負って登る)


ワクワクしながら登って行く。


振り向くと、素晴らしい風景。


雪渓も僅かながら残っている。


大倉尾根の先をよく見ると、今夜泊まる赤石小屋が見えた。


11:21
赤石岳山頂(3120.1m)に到着。
本日7つ目のピーク。
カカポくん、大満足。


近くには、こんな標柱もあった。


赤石岳山頂には、一等三角点がある。
この一等三角点は、なんと、最高標高一等三角点なのである。
最高標高一等三角点は、富士山でも北岳でもなく、
赤石岳にあるのだ。
それは、一等三角点が山の高さを測量するためではなく、
あくまでも地図作成と今後の測量を目的としたものだからだ。
ちなみに、富士山は二等三角点で、
北岳は三等三角点である。
(日本一標高の低い一等三角点は、実は佐賀県にある。コチラをクリック)


最高標高の一等三角点「赤石岳」長野県下伊那郡大鹿村
北緯 35度 27分 29秒
東経 138度 9分 38秒
標高 3120.1m


山頂直下には、赤石岳避難小屋が見えた。


赤石岳山頂からは、360度の眺望。
素晴らしい眺めを堪能した。






赤石小屋への分岐に戻り、
ここから下り始める。


しばらく下って、見上げる。
すり鉢の底に下って行くような感覚。


北沢源頭へ下って行く道には、
意外に花がたくさん咲いていた。


ハクサンイチゲ、


ミネウスユキソウ、


タカネグンナイフウロなどが咲いている。


この斜面一帯、お花畑だ。


ザレ場の急坂なので、滑らないようにゆっくり下って行く。


バイケイソウや、


ミソガワソウや、


クルマユリなどもたくさん咲いていた。


ただ、この北沢源頭周辺は、
千枚小屋から歩いてきた人にとっては、
疲労が蓄積している足には堪える難所でもある。
遭難事故も起こっている場所なので、
注意して通過したい。


北沢源頭に別れを告げ、
ラクダの背とよばれる尾根の南側をトラバースして歩いて行くと、
13:25
ハイマツで覆われた富士見平に着く。


ここからの眺めも悪くないのだが、雲が出てきたので、先を急ぐ。


13:53
今日の宿泊先である赤石小屋に到着。
千枚小屋から約10時間半で到着した。
14時までには着きたいと思っていたので、まずまずかな。


受付を済ませ、
着替えてビールで乾杯。

その後、小屋の前のテラスで寛ぐ。


小屋の周囲には、私の好きなタカネヤハズハハコがたくさん咲いていた。
赤石小屋のシンボル的な花だそうだ。


少し雨が降ったが、夕方になると、再び晴れてきた。


明日は南アルプス遠征の最終日、
明日も充実した一日にしよう。



【目次】(クリックするとレポを読むことができます)
7月31日(金)
①静岡駅~畑薙第一ダム~椹島ロッヂ
8月1日(土)
②椹島ロッヂ~小石下~清水平~蕨段~千枚小屋
8月2日(日)
③千枚小屋~千枚岳~丸山
④丸山~東岳(悪沢岳)
⑤東岳(悪沢岳)~中岳~前岳
⑥前岳分岐~前岳南東斜面のお花畑~荒川小屋
⑦荒川小屋~大聖寺平~小赤石岳
⑧小赤石岳~赤石岳~北沢源頭~富士見平~赤石小屋
8月3日(月)
⑨赤石小屋~大倉尾根~椹島ロッヂ~畑薙第一ダム~静岡駅~肥前山口駅

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