一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

平塚晶人『二人のアキラ、美枝子の山』(文藝春秋)

2005年01月19日 | 読書・音楽・美術・その他芸術
井上靖の山岳恋愛小説『氷壁』がベストセラーになったのが昭和32年だから、この小説自体を知らない人も多いだろう。 のちに映画化、TVドラマ化されたので、あるいは映像で一度くらいは観ているかもしれない。 風雪の北鎌尾根で凄絶な死を遂げ、その『氷壁』のモデルとなったのが松涛明である。 もう一人のアキラは奥山章。 先鋭クライミング集団「第2次RCC」を創った人物だ。 奇しくも同じ「アキラ」の名を持つ2人の . . . 本文を読む