一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

梶山正『ベニシアの「おいしい」が聴きたくて』(山と溪谷社)

2024年03月24日 | 読書・音楽・美術・その他芸術
※PCでご覧の方で、文字が小さく感じられる方は、左サイドバーの「文字サイズ変更」の「大」をクリックしてお読み下さい。 私自身、 ベニシア・スタンリー・スミスさんに関しては、 かつてはそれほど興味も知識もなかったのだが、 何かの機会に彼女の著書を読んだことがあり、 そのときに配偶者が山岳カメラマンの梶山正氏と知り、大変驚いたことを憶えている。 雑誌「山と溪谷」などで山岳カメラマンとし . . . 本文を読む

カミュ『シーシュポスの神話』……庄司紗矢香、山根基世、三浦瑠麗の人生の書……

2023年07月11日 | 読書・音楽・美術・その他芸術
※PCでご覧の方で、文字が小さく感じられる方は、左サイドバーの「文字サイズ変更」の「大」をクリックしてお読み下さい。 私は、バイオリニストの庄司紗矢香が好きで、 読書しているときや、パソコンでブログ更新しているときなどによく聴いている。 そんな庄司紗矢香が、 「文藝春秋」2023年5月号の「私の人生を決めた本」という特集で、 「カミュは最も重要な作家」と題し、 カミュの『シーシ . . . 本文を読む

『諦念後 男の老後の大問題』 ……65歳で死去した小田嶋隆の幻の連載コラム……

2023年02月23日 | 読書・音楽・美術・その他芸術
※PCでご覧の方で、文字が小さく感じられる方は、左サイドバーの「文字サイズ変更」の「大」をクリックしてお読み下さい。 本書『諦念後 男の老後の大問題』は、 2022年6月24日に65歳で亡くなったコラムニスト・小田嶋隆の、 集英社の読書情報誌「青春と読書」に連載した、 「諦念後 男の老後の大問題」(2018年7月号~2019年10月号)を、 1冊にまとめたものである。 【小田嶋 . . . 本文を読む

益田ミリ『今日の人生』 ……必要なものがなんにもない。なんにも……

2023年01月29日 | 読書・音楽・美術・その他芸術
佐賀には、映画も演劇もコンサートも、 限られたものしかやって来ない。 私が見たい(観たい)、聴きたいものに出合えないことも多い。 なので、昔は、東京や大阪のような何にでも出合える都会を羨ましく思うこともあった。 だが、佐賀での田舎暮らしが長くなり、(もう33年になる) 田舎暮らしの良さを知ってしまうと、 その都会に対する「羨ましさ」は自然に消えていった。 田舎の自然の中で暮らす心地よさが、都会 . . . 本文を読む

群ようこ『たりる生活』 ……老後って、いったい何だろうね?……

2023年01月27日 | 読書・音楽・美術・その他芸術
※PCでご覧の方で、文字が小さく感じられる方は、左サイドバーの「文字サイズ変更」の「大」をクリックしてお読み下さい。 群ようこの『たりる生活』(朝日新聞出版、2022年12月30日刊)を読んでいる。 本書は、 『ぬるい生活』(朝日新聞社、2006年) 『ゆるい生活』(朝日新聞出版、2015年)  『かるい生活』(朝日新聞出版、2017年) 『たべる生活』(朝日新聞出版、2020年) に . . . 本文を読む

『ポストコロナの生命哲学』……カーソンがオオカバマダラを見て感じたこと……

2023年01月23日 | 読書・音楽・美術・その他芸術
※PCでご覧の方で、文字が小さく感じられる方は、左サイドバーの「文字サイズ変更」の「大」をクリックしてお読み下さい。 昨年(2022年)の11月初旬、 地元紙に次のような読者投稿があった。 自宅の庭で初めて見かけたカバマダラ。沖縄・奄美以南に生息しているチョウで、先月の台風で一緒に本州へ迷い込んできたのかも。(鹿島市、Nさん・89歳) カバマダラ(樺斑、学名:Danaus chrys . . . 本文を読む

『孟司と誠の 健康生活委員会』 …どうして今までやってこなかったんですか?…

2023年01月18日 | 読書・音楽・美術・その他芸術
『孟司と誠の 健康生活委員会』(文藝春秋)を読んだ。 養老孟司と近藤誠の対談。 OECDの調査で、「自分を健康だと思う人」の数が世界一少ない日本。 世界に冠たる長寿国でなぜ? 医の賢人二人が、そのカラクリを説き明かす。 ・長生きは医療のおかげ、ではなかった! ・血圧を下げると死亡率は3割上がる ・血糖値をコントロールすると早死にする ・腸内フローラはコントロールできない ・サプリメントの成 . . . 本文を読む

山本文緒『無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―』 ……余命4か月……

2022年12月30日 | 読書・音楽・美術・その他芸術
※PCでご覧の方で、文字が小さく感じられる方は、左サイドバーの「文字サイズ変更」の「大」をクリックしてお読み下さい。 〈もし、突然、余命を告げられたら……〉 と、考えるときがある。 だが、仮定の話では、どこか、自分に対しての甘さがある。 60歳を過ぎた頃から、 いつ余命を告げられてもいいようにと、 断捨離や身辺整理の真似事をするようになった。 それでも心の片隅には、 〈そんなことは(今すぐ . . . 本文を読む

池田清彦『40歳からは自由に生きる 生物学的に人生を考察する』講談社現代新書

2022年11月01日 | 読書・音楽・美術・その他芸術
※PCでご覧の方で、文字が小さく感じられる方は、左サイドバーの「文字サイズ変更」の「大」をクリックしてお読み下さい。 生物学者・池田清彦の著書は日頃から愛読していて、 今年(2022年)8月には、 『他人と深く関わらずに生きるには』(新潮社、2002年刊行)という本のブックレビューを、 ……国家は道具である…… というサブタイトルを付して書いたばかりなのであるが、(コチラを参照) 最近、講談 . . . 本文を読む

豆塚エリ『しにたい気持ちが消えるまで』 ……車椅子の詩人が綴る初エッセイ……

2022年10月17日 | 読書・音楽・美術・その他芸術
※PCでご覧の方で、文字が小さく感じられる方は、左サイドバーの「文字サイズ変更」の「大」をクリックしてお読み下さい。 私が「豆塚エリ」という車椅子の詩人を知ったのは、 今年(2022年)の4月、 NHK・Eテレのバリアフリーバラエティー「バリバラ」で、 「女性障害者の恋愛のなやみ」について放送された回であった。 それは偶然、なんとなく観始めた番組であったのだが、 そこに出演していた「豆塚エリ . . . 本文を読む