山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

無縁社会の家族を見直す

2017-06-08 19:41:45 | アート・文化
午前中娘から映画のチケットが送られてきた。
 山田洋次監督『家族はつらいよ2』だ。
 「梅雨どきだから映画でも見てね」ということだった。
 確かにきょうは朝から雨だったので、映画館の上映時間を調べたらなんとか都合がつくのがわかった。

                               
 急いで出発する。
 「パート2」は一般的に初回を上回る作品にならないのであまり期待しなかった。
 しかしそれは間違った考えであることがわかった。
 80歳半ばの山田洋次監督健在なり。

    
 主役の父は最近息子の逮捕で話題の橋爪功で、彼の同窓生役の小林稔侍の死をきっかけとした「無援社会」がテーマ。
 死と笑いとを織り交ぜたタブーへの挑戦だ。
 まさに泣き笑いが同居した喜劇。
 ギンナンが果たした仕掛けがキーワード。

                         
 喧嘩が絶えない家族に友人の死をきっかけにして、喧嘩ができる家族のありがたみを見直していく。
 卑近な日常生活を描きながら人間の生きる哀しさと喜びを掘り下げる手法は確かだ。
 生きるとはめんどくさいものと適当につきあうことなのかもしれない。

 ハリウッドのようなこれでもかという刺激的なスペクタクルやCG頼りの駆使ではないのが山田組。
 三世代が同居している家の狭い「階段」が黒子、舞台になっているように思えてならない。
 
 
 
 

コメント
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