治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

何をしたらおまわりさんにつかまるか

2017-10-17 09:48:31 | 日記
何をしたらおまわりさんにつかまるか
を元おまわりさんの榎本氏に根掘り葉掘りききました。
皆さんと一緒にもききましたし、その後もききました。
その結果わかったこと。

これまで私は支援者の人たちから
「こんなことぽっち(と支援者の目には映っている)のために逮捕されたり起訴されたりするのか」という疑問の声を聴いたことがありますが
警察の論理を知ってみれば「ああ、あれはたしかに逮捕案件だったんだなあ」って筋が通っているのですよね。
だから警察法知っておくといいですよ。

そしてこれは障害のあるなしに関係なく
逮捕=この世の終わり ではなく
逮捕されたそのあとも人権は守られている。
たとえば留置場では看守は絶対に留置人にケガさせないし、留置人が看守にケガさせない体制も整っているんだそうです。つまり、強度行動障害の人に殴られてケガさせられても我慢させられている一部施設職員よりは看守の方が人権が守られているわけですね。

そして榎本氏は発達障害支援の現場に出ても絶対に体罰的なことはしない。
元警官だからこそできない、と言います。
それでも放っておくと将来施設職員を殴りそうな行為をする子は止める。

どうやって? っていう話ですよね。

まあそんなこんなを急ピッチに消化して、次のミーティングに備えているのが今ここなんで
ブログの更新が数日止まりました。

その他、講演では皆さんのご質問が有意義だったですね。

痴漢冤罪。
深刻な問題です。障害があってもなくても。
とくに自閉っ子が痴漢の冤罪をかけられたらすごく自己擁護に苦労しそうです。

自閉女子の性被害。
なんで多いんだろう。

自閉男子なぜだか職質かけられる率高い問題。

自閉女子が性被害にあえば、交番に駆け込めばいい。でもその結果逮捕されるのが健常男子だったらギョーカイも猿烏賊も口を極めて差別ガーがいえるんだけど、性的いやがらせをしていたのが自閉男子だったらどうするんだろ。「逮捕は差別!」っていうのかな。それとも黙るのかな。「逮捕は差別!」なら被害にあった自閉女子はどうなるの? 揺れるギョーカイ+猿烏賊心。

っていうか
猿烏賊減ったね。
それと先日の鳥頭会議、よく見てみたらエビデンスガー言わなくなったね。

ABAのみで他害が治らない場合、他の方法を試す必死の親をトンデモ扱いしている自称支援者に信頼を寄せる人は相当の数寄者です。マニアの類であり、結果より手続きの精緻さを求める親としては亜流の人たち。
エビデンスだろうがエピソードだろうがとにかく「目の前のこの子」が他人を殴らなくなるようにするのがまっとうな親心です。子どもと社会の両方に目配りしている人たちです。

他害を「ありのまま」にして他人にケアをまかせれば、その子が犯罪者になるかどうかは「相手次第」になります。警察にもっていかれるか、あるいは施設の方針で現場の支援者が殴られても我慢させるか。相手に運命を委ねることになります。

支援者の中で、我慢させられた結果大量殺人を起こす人は多くない(ていうか相模原のあの人が殴られたかどうかも私は知りません)。でも働いている人がそういう我慢させられる職場にはだんだん人がいつかなくなります。これからの労働力不足の時代はとくにそうでしょう。
そうなったら「ありのまま」に育ったお子さんを自宅で面倒みればいいですね。親の命尽きる日まで。

他害する人を犯罪者にしない職場はすなわち労働者に我慢させ、丸腰の支援者を留置場の看守ほども守る気のない職場です。そういう職場にわが子を託して平気な人は思う存分ありのままに育て、エビデンスにしがみつき、犬の曲芸で治らなかったら「生まれつきだから治らない」と開き治っていればいいでしょう。

私はそういう人と方針が違います。

私が遵法教育をやりたいのはなぜか?

発達障害の人に自由に生きてもらいたいからですよ。
発達障害の人こそ、自由に生きないと幸せになれないから。
そしてそのためには
「何をすればおまわりさんにつかまるか」を知っておくのはとても大事だからです。
そこを抑えておけば、存分に資質を開花できるのですから。