治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

「暴力アスペ」がみんなを救う

2014-04-21 08:46:31 | 日記
昨日FBで古い記事が回ってきた。
杉山先生が2003年に出た本で「暴力アスペ」っていう言葉を使っていて、それについて2009年に書かれた記事。

アスペルガーの人の中で、どうにも手に負えない一群を杉山先生は三タイプに分け
それぞれ治療法を提唱している。

まあ2003年の話であり、現在の先生のやり方は違うのかもしれないけど。
何しろ神田橋先生のところに行くと勧められるまったく同じものを勧められたりするようですし。

ともかく

暴力アスペ、っていう言葉の是非はともかくとして
こういうことはっきり言われると、みんなが救われるんじゃないかと思うのですよ。

みんなって誰かっていうと
暴力じゃないアスペの皆さんですね。

アスペルガーが問題になるときは、だいたい迷惑性が発揮されたとき。
きちんと適応しているときは、問題にならない。

ところがギョーカイが「全員心がきれい」みたいな嘘をつくと
もちろん世間はギョーカイを信じなくなり
結果としてごそっとアスペルガーの人をかたまりで拒否するのが簡単になる。

でも問題起こしそうなアスペルガーとそうじゃない人がいる、って
ギョーカイの権威がきちんと認めてくれると
そっちの方が現実感に近いので
「そうかそうか」と納得すると思います。

結果的に「暴力じゃないアスペ」の人たちの居場所が広がると思います。

だからギョーカイに嘘つかないでほしいんですよね。

ニキさんと藤家さんの10年を見ていても思うのは
一般社会にいかに癒やす力があるか、ということ。

そして一般社会に出るためには
別に心身安定してなくてもいいと思うのです。
藤家さんなんか、治りかけて世の中に出て
そして一般社会が彼女をうんと癒やした。

ただ暴力アスペの場合には
一般社会の方が疲弊してしまい

そのときに「自閉症の人は全員心がきれいなのです」なんてきれいごと言われると
ああ、支援者と名乗る人たちがなんにも打つ手がないんだな、と思うのです。
それが私の身の上に起きたこと。

でも杉山先生のように「ひそかに」暴力アスペと名付けた、っていうことを「堂々と書籍で公開」してしまう脇の甘い(ほめてる)専門家がいると

「おお、ギョーカイわかってるんじゃん」とほっとします。
神田橋先生と同じものをおすすめになるようになったのも
本当に患者さんをラクにしたいからでしょうしね。