忘却への扉

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大切なもの探しをしてみたい

2017-04-21 | 追憶

 【 朝ドラ主人公に自ら重ねる 】 宇和島市 女性( 66・主婦 )

 ◇「私がいる!」。新しいNHKの連続テレビ小説「ひよっこ」の主人公みね子を見てそう思った。同じ思いの人はたくさんいると思う。
 ◇あのころは子どもも重要な働き手。中学生や高校生ともなると立派な戦力だった。私は母が病弱なこともあって「みね子スタイル」で働く青春だった。その傍ら、片道12㌔の定時制高校に自転車で通った。「お前が男やったらなー」が父の口癖で、末っ子の弟はまだ幼かった。花も恥じらう乙女に対する父の酷使は容赦なく、鬼かと思う時もあった。現金収入の少ない山村の自給自足に近い暮らし。ドラマの中でボロボロの運動靴をつくろう場面があったが、あれは本当のことだ。私はランドセルを何度もつくろって使った。
 ◇そんな貧しい暮らしの中で、私が中学1年の時、集落の山に共同アンテナを立て、わが家にもテレビがやってきた。東京五輪の開会式を、二度とないだろうと仕事を休んで皆で見た。あれから半世紀余り、2度目の五輪が迫り、日本は大きく変貌した。原点かもしれない「ひよっこ」を見て、大切なもの探しをしてみたい。]
                                    《 こだま 読者の広場 》 地方紙「投稿欄」より

 ( 忘却への扉 ) もうNHKの連続テレビ小説を見るのはやめたと、思っていたのに「ひよっこ」を何日か2人で見て、今も続いている。
 夫婦といってもお互いの考えは別、まだドラマは最初の部分だけだが、私たちは「ひよっこ」と同じような時代を体験した。
 わが家でも小学生の頃から、休みの日や学校から帰ると、ふかし芋を食べながら鍬(くわ)や背おいを肩に祖父母や母が仕事をしている畑へ手伝いに行くのが当たり前。
 幼稚園から小学校の頃の山仕事の履物は祖父がわらで編んだ草履。すぐ駄目になるので裸足も多く、畑だけでなく山道でも裸足で平気、学校への行帰りや運動場でも裸足が恥ずかしくもなかった。
 山が入り組む地形から、共同アンテナがあちこちに立った村だが、離れたわが家は個人で電波の入る場所を探し線を引き、テレビを見た。住んでいる県のテレビ電波は入らず、主に大分、そして広島のテレビがやっと入った。
 「私がいる!」と共感を覚え懐かしく「ひよっこ」を見ているが、私にとっても原点であるのかも。大切なものを探し当てられるかどうか…。


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