忘却への扉

 日記? 気づいたこと 何気ないひとこま 明日への伝言 願い 子供たちに 孫たちに そしてあなたに・・ 

ウエストサイド物語

2017-02-03 | 共に

 【 地 軸 】 2017/1/30 地方紙1面下段コラムより


[ エネルギーがほとばしるダンス、名曲の数々…でも、きっとそれだけではない。以前見た劇団四季のミュージカル「ウエストサイド物語」がいつまでも心の奥底に残るのは、そこに現在の空気を感じるから。
 ▲ニューヨークを舞台に人種の壁を超えて愛しあう二人。欧州系移民と新たに来たプエルトリコ移民、二つの非行少年グループの縄張り争いが絡み合い、悲しみの結末へと導かれる。半世紀も前に描かれた社会の闇が、今忍び寄っている。
 ▲トランプ米大統領がテロ対策の名の下に、難民の受け入れ凍結や、一部イスラム教国出身者の一時入国禁止を決めた。不法移民を防ぐため、メキシコ国境には壁を建設するという。
 ▲その排他的言動にあおられて、少数派への嫌がらせが相次ぐ。大学でイスラム教徒の女子学生の頭のスカーフを引きはがし、街で「国へ帰れ」と怒鳴る市民。じわじわと身の周りに広がる差別意識が一層恐ろしい。
 ▲米国は移民の国。建国以来、迫害や困窮から逃れ、自由を求めてやってきた移民らが国をつくってきた。紙幣や硬貨に「多数から一つへ」と刻印するように、多様性の精神を掲げていたはず。その価値さえ葬ろうとする動きに、上院議員の一人はつぶやいた。「自由の女神が泣いている」。
 ▲憎しみは憎しみを呼び、さらなる分断を生む。舞台に響いていた歌を大統領に届けたい。差別がない、安らぎと自由の地を求める切ない歌を。]

 ( 忘却への扉 ) テレビで映画版「ウエストサイド物語」は何度見たことか。互いに差別される側にいながら、移民同士の差別意識が対立を生む。音楽と若者たちの激しい躍動感引き込まれた。
 自由の女神の台座に刻まれた、エマラザラスの詩(意訳 青山沙羅)は今回知った。

      疲れ果て、 貧しさにあえぎ、 自由を求める群衆を、 私に与えたまえ。

      人生の高波に揉まれ、拒まれ続ける哀れな人々を、

      戻る祖国なく、 動乱に弄ばれた人々を、 私のもとに送りたまえ。

      私は希望の灯りを掲げて照らそう、 自由の国はここなのだと。

 検索サイトから、自由の女神をたどり、歴史的存在意義や女神像の部分拡大などに出会う。なるほどトランプ米大統領は米国民として見たことも考えたこともないのだろう。彼も移民の先祖のいる一人では。?  米国自体が、原住民から奪った建国の歴史を持つ。   

コメント
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